| 山行期間 | 20170304-05 |
|---|---|
| メンバー | ABe Wdz |
| 山行地域 | 西穂高 |
| 山行スタイル | ピークハント |
天気は上々春は間近
先ずはロープウェイで一気に穂高口駅2000m越えまで上がりそこからのんびり西穂山荘まで、5m程度おきに建てられた竹標布としっかりしたトレースに沿って一時間程度の雪上ハイキング。

山荘を通り過ぎ、樹林帯を抜けると向かう先、西穂高岳が見えてきます

人があふれている独標
ツェルトが短く、低いためかなり窮屈なホーム
朝~美しい
ピラミッドピーク手前でレスキューに遭遇
命に別状はないが冬山は危険だとしみじみ感じられた一場面。
この下へ滑落した様子。
ピラミッドピークからは一時間で西穂高山頂
| 山行期間 | 2017年3月3日夜~3月5日 |
|---|---|
| メンバー | HND(L)、SKD |
| 山行地域 | 北アルプス 錫杖岳 |
| 山行スタイル | アルパインクライミング |

今回の狙いは錫杖岳。
これまで天候不良や雪崩などで、中止や途中敗退になっていた。
今回は絶好の天気に恵まれ、ルートのコンディションも良く、快適な登攀になった。
3月4日 快晴
下山届も忘れないように。
山岳警備隊の方々へ、感謝の気持ちを忘れてはいけません。
先々週の大雪後のものか。
こんな雪崩にあったら、ひとたまりもない。
昨夜入山したパーティーを除けば一番乗りで、岩小屋の下にチェックインできた。
BCを設営し、登攀準備を急ぐ。
先行パーティーを追いかける。
なんか雪が多い?
以前来た時とルートの印象が違う。
HNDのリードで登攀開始。
【3ルンゼ】
氷は埋まって、ただの雪壁歩き(Ⅱ級ぐらい)になっていた。
ここもただの雪壁歩き(Ⅱ級ぐらい)。
3P目 HNDリード(Ⅳ級、40m)
ワンポイント、ルンゼ左側の立った氷を登る。
前に登った時は、薄いベルグラをノープロで登ったが、今回は短いスクリューが打てるぐらいの氷が張っていた。
ここからは初見になる。
4P目はこのルートの名物、トンネルくぐり。
左側の発達した氷を登って抜ける。
ここで先行パーティーに追いつき、しばし順番待ち。
核心のF5とF6、2ピッチをつなげて登る。
最近はフリーで登られることが多くなっているので、フリーでトライした。
F5は快適なアイスクライミング。
F6は少し難しく、ベルグラからスカスカの雪壁。
スクリューが10㎝ぐらいしか入っていないので、絶対に落ちられない。
落ちたら30mぐらい転げ落ちるかな…と思うと、左壁の残置支点を使いたい誘惑にかられたが、今回は何とか踏みとどまった。
目一杯ロープを伸ばして、灌木とアックス横埋めでビレイ。
残った雪壁を、3ルンゼのコルまで。
終了点の目の前には、状態の良さそうなグラスホッパー左ラインが。
先行パーティーは終了点からトラバースして、グラスホッパー3ピッチ目に取り付いている。
我々は時間も早いので、1ピッチ懸垂して、2ピッチ目から登攀することにした。
〈登攀ギア〉ダブルロープ50m×2、アックス各自2、アイススクリュー16㎝×2、13㎝×1、アルパインヌンチャク×4、長シュリンゲ少々 (雪が少ないと、もう少しスクリュー等が必要と思われます)
【グラスホッパー左ライン】
アックスやスクリューがよく決まり、快適なアイスクライミング。
核心の氷壁基部まで。
ヴァーチカルだが、氷の状態が良く、登りやすい。
Ⅴ+でも、状態が良いとこうも登りやすいのか。
4P目 HNDリード(Ⅳ級、20m)
3段になって、プレッシャーは少ない。
最後までスクリューの効きが良く、快適な登攀だった。
登攀後はグラスホッパーを、基部まで懸垂下降した。
〈登攀ギア〉ダブルロープ×2、アックス各自2、アイススクリュー16㎝×8、13㎝×2、クイックドロー×6、アルパインヌンチャク×4、長シュリンゲ少々
ルートのコンディションが良く、今回目標にしてた2ルートを、初日のうちに登ることができました。
3月5日 相変わらず快晴
昨日グラスホッパーを登れたので、今日は予備ルートに設定していた、左ルンゼを登ることにした。
2P目の途中までは、グラスホッパーと同じルートになる。
【左ルンゼ】
ベルグラで意外にいやらしかった。
今日はHNDは出しゃばらず、SKDさんに任せる予定でスタート。
ところどころ氷が出た雪のルンゼをロープいっぱいに伸ばす。
出だし5m位は快適なアイスクライミング。
一段上がったっら、雪の詰まったルンゼを次の氷壁基部まで。
このピッチは少し長いので、HNDがリードすることに。
中段でのトラバース、上部の急な雪壁が意外にいやらしかった。
次回は後輩を連れて、全リード頑張ってください。
今回は二日とも懸垂下降しましたが、上部雪田からの雪崩や、上部登攀パーティーからの落氷が多く、安全とは言えません。
歩いて降りるルートも見ておいた方が良さそうです。
〈登攀ギア〉ダブルロープ×2、アックス各自2、アイススクリュー16㎝×5、13㎝×2、クイックドロー×4、アルパインヌンチャク×4、長シュリンゲ少々
こんなに良い天気とコンディションに恵まれることは、めったにないと思う。
次に登りたい1ルンゼは、二日間雪崩れまくっていた。
ううむ…
| 山行期間 | 2017年2月24日(夜)〜26日 |
|---|---|
| メンバー | HSO(CL),SKD(SL),HND(SL),他16名 |
| 山行地域 | 濁河温泉(はもずし) |
| 山行スタイル | アイスクライミング |

メンバー:HSO(CL),SKD(SL),HND(SL),MSD,OSM,UET,ASI,TKD,KNS,UZU,DTE,MTU,ABE,SOT,TNK,TYK,TCH,HJS,INO
早いもので泉州山岳会に入会してから、もうすぐ1年が経とうとしています。
ハイキングから始まり、岩登り、沢登り、夏山縦走、冬山登山、山スキーなどあっという間の1年でした。
その年間の山行計画において先輩方にたくさんの指導をしていただきました。
そして最後に私たちが育成チームを卒業して上のチームへ歓迎されるという新人歓迎会を、先輩方が企画してくださりました。
しかも、内容がアイスクライミング!アイスクライミングなんて、会に入るまでは存在すら知らなかったことです。
まさか私がアイスクライミングなんてものを体験できるなんて!
金曜日の夜に大阪駅や三国ヶ丘駅など色々な場所で集合して出発します。
道の駅御岳にてテントを張って仮眠。
会に入った当初は、道の駅にテントを張るという行動にびっくりしたことを覚えています。
しかし、私もすっかり山人になったのか、ごく普通に思えるようになりました。これも成長の証?
そして、土曜日の朝にチャオ御岳スキー場へ移動して、そこでスキーをするグループと登山をするグループと分かれます。
私はアイスクライミングを選んだのでそのまま「はもずし」まで移動します。
初めてのアイスクライミング。まずは下部でアックスとアイゼンの使い方の練習。
なかなかうまくできません。アックスが氷に刺さらない。アイゼンも氷に刺さらない。難しい。
先輩がリードで登ってくれて、スクリューを氷に打ってトップロープを張ってくれます。
登り方を教えてくださりいざ登ってみますが、先輩のようにうまく登れない。
すぐに腕がパンパンになります。岩場のクライミングとは全然違って難しい。
アックスもアイゼンも決まれば、すべてカバのはずなのに、それが決まらないから全然登れなくて、悔しい!て感じでした。
「この壁は5級ぐらいはあるかな、ちょっと難しいけど」と言われると、絶対登ってみせる!
と意気込みます。アックスの重みを利用して振りかざし刺します。ドン!っと刺さるとやった!
そして足をゴンゴン!っとアイゼンを刺します。安定すると、よし!っと思い、体を上にあげます。
その繰り返しです。集中して上まで登ると、やはりそこは達成感!この楽しさはたまりません。
スクリューを打ちながらリードで行く場合は怖さも倍増だろうが、
同じぐらい達成感も倍増されるのだろうなと思いました。でもそれは先輩方に任せて。。。
先輩方は、この氷は登れるだろうかと、楽しそうに氷のルートを探して、登っています。
こんなつららになっているところ登るのかと不安になりながら見守りますが、さすがなんなく上まで抜けてしまいます。
凄い! 心配をよそに楽しそうに氷の壁に向き合って遊んでいる感じでした。
先輩がロッジを借りてくださっており大宴会の始まりです!
食事担当の先輩がたくさんの冷凍食品を持ってきてくださり、フライをたくさん揚げます。
それぞれ持参のビールやお酒、ワインなどで乾杯して、食も進み、会話も弾み、
楽しい時間がすぎます。
やはり山の会。一部のグループは地図を広げて次の山行の話し合いをしています。
一方では飲んで食べてはしゃいではしゃいではしゃいで!楽しいひと時をみんなで過ごしました。
本来なら、1年間自分たちの行きたい山行があるのにも関わらず新人の育成に時間をついやしてくださった先輩方へ、
こちらがお礼をしなくてはいけないのに、逆に歓迎会までしてくださり、本当に感謝です。
素晴らしい会に入ったなと実感しました。
3月からは新人のための年間計画はもうありません。
自分でどこに行きたいのか、何をしたいのか目標を持って、取り組まなければいけません。
トレーニングを積み、真面目に謙虚に頑張っていきたいと思います。
そして、今度は私たちが、今後入会してくる新人へ指導できるような立場になり、今回先輩方に対して抱いた感謝の気持ちを
恩返しできればと思います。
この1年間、月に2回ある山行計画に快く「いってらっしゃい、頑張ってね」と見送ってくれた家族への感謝を忘れず、
今後も安全に無事下山してくることを第一に考え、自分の目標へと向かって頑張って行きたいと思います。
先輩皆様方、1年間ご指導ありがとうございました。これからもご指導ご鞭撻よろしくお願いします!
| 山行期間 | 2017年2月17日夜~2月19日 |
|---|---|
| メンバー | HND(L)、HSO |
| 山行地域 | 八ヶ岳東面 旭岳東稜 |
| 山行スタイル | 雪稜登攀 |

しっかり雪と格闘する、2月の八ヶ岳東面雪稜山行第二弾、「旭岳東稜」。
前回の赤岳東稜は成功に終わったが、今回は敗退。
それも完敗と言っていい内容。
2月18日 快晴
この週始めまで降り続いた大雪で、今回は大ラッセルが予想される中の山行。
でも少しは体力に自信がある我々。
スタート時は、「何とかなるんじゃないか?」と淡い期待をしてスタートしたのであった。
スタートしてすぐにトレースは無くなり、ワカンを装着。
出合小屋までは浅い。
旭岳東稜へは、末端を少し北に回り込んで、ルンゼを詰める。
徐々に雪が深くなってくる。
稜線に出ると、岩や草付の登攀が増える。
ワカンからアイゼンに変更。
岩稜は基本的には右から巻く。
急な斜面では、胸までのラッセルになり、ペースが落ちる。
今回は一カ所雪崩れそうな斜面を避けるために、ロープを出して急な雪壁をトラバースした。
2270m付近、目指す五段の宮が見えてきた。
このペースでは厳しい…
しばらく悩みましたが、明日どうしても下山したい我々には、ここらが引き時か。
雪洞の作成練習に移ります。
約1時間で、二人が横になれるスペースを確保。
しかし、この日は天井が溶けるのが早く、中で寝るのは怖いので、ツェルト泊にしました。
雪洞は、もう少し研究と経験が必要です。
快晴の雪山。
空の下で食べるチキンラーメンは激ウマです。
2月19日 快晴風強し
おとなしく下山。
風雪で半分消えたトレースをたどって引き返す。
この日、我々のトレースをたどって登ってきた2パーティーにエールを送る。
また鍛え直して、(あるいは楽な時期に(^_^;))再挑戦ですね。
| 山行期間 | 2月19日 |
|---|---|
| メンバー | TGA(L), NGS, WDZ,DTE |
| 山行地域 | 比良 |
| 山行スタイル | 冬季登攀 |

比良の堂満岳は中央稜。
アルパインでリード入門。のつもりで行きましたが、実際はルートの大部分が雪に埋まっていて、ラッセルがほとんどになりました。
2月19日、イン谷口〜金糞峠の登山道を、中央取り付きめざして6時40分に出発。
途中三つ並んだ堰堤があって、そこから第一ルンゼをつめていくと中央稜取り付きです。
堰堤からはトレースがなく、膝ラッセル。
わかん、駐車場判断で外しましたが、持ってきてもよかったな、という感じで、
第一ルンゼをつめていって、中央稜取り付きかな?というところで、登攀準備します。
1ピッチ目。NGSさんリード開始。
P1?のチムニーをセカンドのWDZさんもさっさと登っていきます。
後続の私も緊張しながらリード。木でランニングがいっぱい取れるので大丈夫そうです。
凹角を終わるとちょっとリッジですが、すぐ広い場所に出るのでそこで1ピッチ目を切りました。
ビレイしていると、先行パーティのWDZさんが戻ってきて、この先左に登っても、普通の道になってるけど?とのこと。
あれ?まだ、核心のP2、Ⅲ+クラック残ってるはずでは?
そこから大きな岩があり、右に巻いてからビレイなしで登ってみました。
岩がボロボロなので、後ろのパーティは念のためビレイしてもらい、
そのピッチが終わると、やっぱりひたすら雪稜が続いてました。
とりあえずロープをつないだまま、歩き始めました。
なかなか終わらないなので、もしかしたらさっきのがマッチ箱とP2クラックで、このまま山頂に着くのかな?と思いました。
トレースはあったのですが、雪が深く急斜面を苦労しました。
案の定、そのまま山頂に着いてしまいました。
山頂前の左ルンゼも、雪に埋まっていてどこが分岐だったか分かりませんでした。
下山は金糞峠経由で。
登攀が物足りなかったTGAリーダーは、ふわふわの雪庇にダイブでストレス発散!
暑いくらいの陽気で、もうカッパ装備も考えないといけない季節か。ちょっとさみしいです。
雪が減ってルートがはっきりする時期に、また行ってみたいです。
行動記録
20170219
0640 イン谷口
0750 第一ルンゼ堰堤
0930 中央稜取り付き(P2?)
1230堂満岳
1400金糞峠
1450 イン谷口
| 山行期間 | 2017年2月10日(夜)~12日 |
|---|---|
| メンバー | OSM ABE OKD |
| 山行地域 | 北アルプス 五竜岳 |
| 山行スタイル | 雪山訓練 |

今回の山行はラッセル訓練と雪洞作成です。ガッツリ雪のある所という事で、五竜岳山域へと行ってきました。白馬五竜スキー場のテレキャビンに乗ってアルプスだいらに到着。歩き始めてすぐにワカン装着、膝までラッセルです。地蔵ノ頭の下、お花畑に到着。もちろん花は無く雪面です。ここから小遠見山に向けて進みます。天候は低気圧の通過後、西高東低の冬型で日本海側は大雪に警戒状態。五竜岳に登る予定でしたが、今回はあきらめました。
OSMさんにコツを教わりながら、腰までラッセルで進みます。苦しい分、良いラッセル訓練ができました。小遠見山までは登らず、ドカ雪が降っても安全に下山できる場所で雪洞の作成開始。
新雪をスコップで除いて、強度のある雪面を出します。雪が柔らかいのでサクサク掘れます。完成間近というところで、雪洞崩壊・・・。思わぬところで埋没訓練をする羽目に。
気を取り直し、更に深く強度のある雪面で作成開始。2時間近くかかって、やっと完成。まだまだ練習が必要です。雪洞内に入って入口をふさぎます。夕飯はABEさんが用意してくれた鍋料理です。しかもデザートのプリン付き!!晩御飯を美味しくいただき、温まったところで就寝です。雪洞内の温度は1~2度と暖かく快適です。苦労して作った甲斐がありました。
夜11時30分、ヘッドランプを付けて気付きました・・・。天井が低くなっています!!すでに30cm以上は天井が下がっています!!朝まで持つのでしょうか!?最悪は崩壊!?危険と判断して、荷物をまとめて脱出!!暖かい雪洞よ、さらば!!しかも雪洞内は静かで気付かなかったのですが、外は吹雪!!ヘッドランプを頼りに強風と戦いつつツェルトを張ります。吹雪の中、夜の12時にツェルトを張るのはOKDは初めてですが、OSMさん、ABEさんとベテランが2人いたので短時間でツェルトを張れました。落ち着いたところで、改めて就寝。雪洞と違い、寒いです・・・。
5時に起きて、強風と積雪でクタクタのツェルトを立て直して、朝食。昨日よりさらに深くなった雪をラッセルしながら下山。地蔵ノ頭の下、お花畑の手前でイグルー作成を開始します。
イグルーは今まで何度も作成したことが有るのですが、今回は雪質が柔らかすぎて苦労しました。すぐに崩れるので、天井を作るために必要な長い板状のブロックが作れません。使えるものは何でも使います。ストックを利用して天井の梁を構築。見事(?)完成です。
無事に訓練は終了しました。あとは下山して、お約束の温泉と美味しいものが待ってます!!お疲れ様でした!!
| 山行期間 | 2017年2月4~5日 |
|---|---|
| メンバー | HND(L)、UET |
| 山行地域 | 八ヶ岳東面 |
| 山行スタイル | 雪稜登攀 |

2月はしっかり雪と格闘したい。
そんな気持ちで、八ヶ岳東面の雪稜登攀を企画した。
今回はその第一弾!「赤岳東稜」
某有名ガイド誌には掲載されていないルートなので、入山者はきっと少ない。
2月4日 快晴
サンメドウズ清里スキー場6:10―大門沢―赤岳東稜―標高2480m付近12:50(テント設営)―偵察(~13:45)
真教寺尾根からトラバースして取り付けば、トレースが期待できるだけでなく、スキー場のリフトも使えてお手軽。
しかし!今回はあえて大門沢から登る。
ラッセルとルーファイのトレーニングをするために。
あくまでもストイックに。
こんな写真では伝わらないと思いますが…
本当にきつかったんです。
ラッセルのきつかった場所は、しんど過ぎて写真を撮るのも忘れてました。
ようやく稜線に出て、2480m付近に良いテント場を見つける。
カモシカさんがくつろいでましたが、場所を譲ってもらいました。
このあと少し休んで、明日のために偵察とトレースをつけに行く。
しばらくはノーザイル、ヘッドランプでも歩けそうなことを確認して、明日は早立ちを決めて就寝しました。
2月5日 曇り→早朝より風雪
泊地5:05―赤岳東稜登攀―竜頭峰6:55―赤岳7:15―真教寺尾根下降―サンメドウズ清里スキー場10:15
2500m付近から急な雪壁が続くが、下部岩稜帯までは特に危険な個所はない。
下部岩稜を右から巻くと、ナイフリッジが現れる。
ここは一歩一歩確実に。
まだ風が弱いのが助かった。
向かって右側に雪庇が張り出しているので、踏み抜きにも注意。
ようやく明るくなり始めた頃、核心の上部岩稜帯に到着。
ここは慎重に、2ピッチザイルを伸ばしました。
このあと一登りで竜頭峰へ。
曇天で風が強くなり始めている。
ロープを仕舞い、一休みしてから赤岳山頂へ。
竜頭峰からは目と鼻の先。
赤岳東稜はピッチグレードⅡ級程度なので難しくはありません。
取付きに真教寺尾根からのトラバースを選択すれば、荷物を減らすこともでき、速攻での登攀も可能です。
初めての雪稜にいかがでしょうか。
〈使用ギア〉
ダブルロープ50m×1、120㎝シュリンゲ×4、60㎝シュリンゲ×4、カラビナ×8
| 山行期間 | 2017年1月20日夜~22日 |
|---|---|
| メンバー | HND(L)、HSO |
| 山行地域 | 鈴鹿 御在所山 |
| 山行スタイル | アルパインクライミング |

去年もこの時期にお世話になった藤内小屋。年に一度くらいは小屋の御主人に挨拶に行こうと、今年も軟弱小屋泊まり山行を計画した。小屋の御主人は、いつも親切にしてくださるが、今回も我が家のように寛がせていただいた。小屋泊まりで幕営の煩わしさが無い代わり、登攀ルートはあくまでもハードに。がっつり登攀して、夜はゆっくり休ませてもらおうという作戦だ。しかし夜の小屋では、昨年一緒に泊まった東海のクライマーと今年もたまたま一緒になり、夜は大宴会になってしまった。朝食は我々だけ極端に早くしてもらうわけにはいかないので(と言い訳をしつつ)、日曜の朝ものんびりスタートとなったが、たまには(?)こんなのも良い。
帰りに挨拶をすると、この山行の無事を喜んでくれた。また来ますと約束して下山。次回は手土産に、酒とつまみぐらいは歩荷して行こうか…。
〈登攀記録〉
1月21日 雪のちくもり(風強し)
中尾根
御在所では近年まれにみる大雪。昨夜降っていた雨は明け方にはやむと予想していたが、起床時はまだみぞれ。濡れるのが嫌で、出発は少しのんびりしてしまった。
アプローチは、前尾根の取り付きまでは先行パーティーがあった。ここから先はノートレース。藤内沢の中心近くは腰まで沈む。途中沢をトラバースする地点は雪崩が怖いので、通常のルートを避けて、樹林帯の尾根筋を詰めた。取り付きまでは激しいラッセルで、最後の崩壊した部分のトラバースはロープを出して慎重に進む。時間はどんどん過ぎ、中尾根の登攀を開始できたのはお昼を過ぎていた。でも、今日はラッセルだけで登攀できないかもしれないと心配していたので、少しでも登攀できて満足した。
登攀開始!
P4 1P目
チムニーに入り込む箇所が核心。今回も残置無視で登るつもりだったが、途中残置ハーケンを1本使用してしまった。以前来た時と違って、雪が多くてホールドやプロテクションをきめる節理を見つけるのに苦労して、うまくランナーを取れなかったのが原因。修行が足りません。
P4 2P目
出だしが核心。落ちたらグラウンドフォールだが、ガバなので思い切っていく。そのあとは快適な内面登攀。
次はP3だが、ここで登攀終了の予定時刻に近くなったので、同ルートを懸垂下降した。
前回苦労したP3、もう一度登りたかった反面、怖い目に合わずに済むと思うと正直ほっとした。
P2、P1はまだトライできていない。次こそはP1まで狙いたい。
使用ギヤ:ダブルロープ50m×2、キャメロット#0.3~4 1セット、ナッツ1セット、アルパインヌンチャク6本程度(P3まで行く場合は、10本程度は必要)
1月22日 くもりのち雪
1ルンゼ(中俣)
今日もゆっくりスタート。天気が崩れる前に下りたいので、今日は中俣一本だけに絞る。昨日行ったパーティーによると、状態が悪くて恐ろしかったと。大丈夫かな?
登攀開始!
1P目
バットレス寄りの雪壁から取り付き、岩を左へトラバース。簡単だがモナカ雪、ベルグラなので、支点は取れない。トラバースの途中に支点があったので、ロープの流れを考えて短いがここで切った。
2P目
さらに左にトラバースしたあと、3m位の凹角状のベルグラを登る。バランスが悪くて気持ち悪い。その後は比較的快適にロープを伸ばし、大きな木まで。
3P目
快適なピッチ。氷が薄いところが多いが、場所を選べば16㎝のスクリューが決まる。雪田の倒木まで。
4P目
最終ピッチ。上部は今回はオーソドックスと思われる左から。が、これが失敗。スクリューは効かず、最後の2mは、氷は表面の5㎝だけで、アックスを振ると穴が開いて崩れた。穴の開いた氷にピックとアイゼンを引っ掛けて、そーっと体重を掛ける。気持ち悪い。ごまかしながらじわじわ高度を上げ、最後は必死の思いで木につかまり、這い上がった。
氷結状態は、元々期待できるエリアではないので、中俣としてはこんなものなのではないかと思う。純粋なアイスではなく、岩あり雪壁ありで楽しませてくれた。最終ピッチ上部は、真ん中の氷柱を登った方が良かったかな。
使用ギア:ダブルロープ50m×2、ワートホッグ×2、アイススクリュー16㎝×5、13㎝×2、10㎝×1、アルパインヌンチャク×8本程度
二日間、短い時間ながらも、良いトレーニングができたと思う。大阪からも近く、日帰りでも十分楽しむことができるので、もう少し通っても面白いかもしれない。
| 山行期間 | 1月7日~8日 |
|---|---|
| メンバー | HND,HSO |
| 山行地域 | 八ヶ岳 |
| 山行スタイル | アルパインクライミング |
1月の三連休で中央アルプスに行く予定にしていましたが、都合が悪くなり急遽八ヶ岳西面に変更していただいた。
まだまだ経験が浅い自分には、八ヶ岳は絶好の修行の場。
張り切ってクライミング!
7日 赤岳ショルダー右リッジ
以前から気になっていた赤岳尾根シリーズ。メジャールートとは桁違いに入山者が少なく登山大系にも三行広告の如く、情報に乏しい。
それ故、想像を掻き立て未知の冒険に対する期待が高まる。これこそが登山の醍醐味だ。
美濃戸の駐車場からヘッデン出発し、行者小屋にBCを張る。アタック装備を準備しいざ出発!
取りつきは赤岳主稜へ向かうトレースから赤岳沢へ向かって下降し、赤岳沢を登った左手がショルダー右リッジの取りつき。

赤岳沢登降はとても急なので、しっかりとアックスアイゼンを効かせながら慎重に行動する。
下方からみるに正面の凹角が気持ちよさそう。
左の雪面を登れば簡単であろうが、やはりここは岩のルートをチョイス!
ちょうど開始点にはペツルの残骸が残っていた。
ハーケンを打ちビレイ点を作る。自分は今年からクォークを導入したが、スカ振りはかなり多いが頑張ればハーケンもしっかり打てる。
1P HNDリード
HSOの作戦通り奇数が難しくなるから任せる作戦だ。思っていた以上に悪く右往左往。あまりにも悪くて手袋をはずして突破。うーん、フォローでもいやだなぁ。。。
下部を乗り越すと今度は上部は細いクラック。ここも手袋をはずして突破。フォローのHSOは落ちる心配もないので快適にピックをひっかけドライで突破!気持ちいい!がトップは絶対無理だなぁ~
2P HSOリード
悩みながらもHSOリード。簡単なトラバースからリッジに出るが雪の付き方がやらしく怖い。とりあえず、支点をとれたので勢いよく上部へ抜ける。
雪の少ない雪陵を進むも第2岩峰に届かず途中で切る。
2.5P HNDリード
3Pへのつなぎを残り10mほどを伸ばす。
3P HNDリード
かるくルンゼ状になった岩壁。斜度はそれほど立っていないが、ところどころのベルグラと微妙についた雪がやらしい。
ランニングをあまり取らないまま一気にロープを伸ばしていく、HNDさんは普通に行っていたが、自分はランニングを取らずにこのやらしさは登れない。腕も足もプルプルなっていただろう。。ピッチ順番の作戦成功だ。


上部は雪をかきながら登るが、落雪と岩の落下が多い。
ビレイしていると対面する赤岳主稜を登るコールが聞こえる。「ビレイ解除」、「ロープアップ」
「ロープッ!」と聞こえた瞬間、頭上をブゥーンとこぶし以上ある岩が落ちて行った。そのコールはHNDさんの「ラーク」の声だった。
油断禁物である。
4P HSOリード
いよいよ乗り気がしないが順番なので仕方なくHSOリード。Ⅲ級の簡単な岩だが雪の付き方がやらしい。少し乗った雪で足場が前傾し、アックスを振っても草つきだか岩だかわからない。必死の覚悟で乗った足場もアックスを振って体制維持を試みるがことごとく岩ではじかれ冷や水だらだら。支点乱打で弾切れ終了。


5P HNDリード
残りを処理してもらい、リッジを越していく。フォローは気持ちいい。
6P HNDリード
時間もかなり厳しくなってきた。装備がそのまま残っていたのでHNDさんリード
雪面をトラバースし時間を稼ぐ作戦。灌木を集めて終了。


7P HSOリード
バスッ、バスッ 振りかぶったアックスがばっちり効いて気持ちがいい。灌木があるか~と気軽にロープを伸ばしいっぱいになったところで灌木を掘る、、、がほ、細い。。そのまま穴を掘り進めてスノーボラードとピッケルを埋める。体重はささえられるけど、墜落荷重にたえられるか・・?ひやひや
8P HNDリード
ギアの受け忘れをするのを忘れて途中で気付くがそのまま雪面を進む。周りはどんどん暗くなりいよいよヘッデン登攀に。
ルンゼ状の岩場を少ないギアで乗り切り終了。少ないギアでさすがHNDさん。
終了点は稜上で風が厳しい。
9P HSOリード
短いリッジを抜けて雪面を登り、やっと見えた登山道!ロープもかなり屈曲し暴風で声も聞こえない。
どうやらロープが片方手繰り切れておらず、そのままビレイしていた。陵上のトラバースだったのであまり引きすぎてもバランスを崩すと思い、ロープを緩めに引いていたため、意思疎通に時間がかかった。暴風の中時間がかかってしまい、すみませんでした。
赤岳登山道~文三朗尾根下山
登山道にでてひとまず握手を交わし、お互いの拳闘をたたえる。前日の短い仮眠にヘッデン登攀。
さすが八ヶ岳は修行の場。こういうことができるのも慣れ親しんだ八ヶ岳の魅力だろう。
夜7時に業者小屋に到着。
8日 阿弥陀岳北西陵
去年までのトレーニングでグレード感はここに及ぶかな?といった北西陵
核心ピッチは同様にHNDさんにお願いすることにして、いざクライミング!
取りつきは行者小屋を少し下ったところから北西陵が見えるのでそこから林内を進んでいく。さすがにメジャールートだけあって、トレースはばっちりある。前日のクライミングから時間間隔もシビアに思えたが、一般道かとおもうくらいのトレースにさくさく進むこと、一時間ほどで小ピークに到着。
下部のリッジは雪も少なくトレースもあるので、フリーでどんどん進み、第1岩壁まで。
1P HSOリード
草付フェースはHSOの大好物なので気持ち良くリード。
バスッバスッ!振りかざすアックスが気持ちいい。


2P HNDリード
昨日のグレード感とはうって変わってトポ通りの岩場が気持ちがいい。ロープは思っていたより多めに出た。
3P HSOリード
細い雪面バンドを回り込み核心の岩場下へ。Ⅳ級のグレード表記なのにトラバースのみで終了点も。
ここでおわりか?と思ったが目の前には気持ちのよさそうな岩。たまらず登ってしまうも、やはり最終ピッチに入ってしまったようで途中のハーケンを集めて終了。結果核心部を間近でみれるポイントで結果オーライ?
4P HNDリード
以前はスラブのやらしい岩壁だったのかもしれないが、アイゼンの跡がでており、割と足はおける。手も手袋なければカチもちできそうだ。
見事なムーブで綺麗に突破。フォローのHSOはカラビナが回収できずあえなくテンション。残念。

あっという間に終了点で終了。
人気ルートはやっぱり人気ルートの理由がある。景色も良く気持ちがいい。
阿弥陀のピークに立ち、休憩をして中岳沢を下降し、山行を終えた。
7日 美濃戸0615~行者小屋0815-0920~文三朗尾根取りつき1000~ショルダー右リッジ取りつき1030~赤岳1750~行者小屋1915
8日 行者小屋0525~北西陵取りつき0720~終了点0920~阿弥陀ピークー0945~行者小屋1025~美濃戸1245
| 山行期間 | 2016年12月28日夜~2017年1月1日 |
|---|---|
| メンバー | OSM(L)、OKD、TKD |
| 山行地域 | 槍ヶ岳・穂高岳 |
| 山行スタイル | 冬山 |
2016年冬合宿今回OSMリーダーの元、崩沢尾根から蝶ヶ岳、常念岳をと縦走し、南東尾根から降りてくるルートに挑戦する事となった。
12/29 晴れ
6:10 四季の郷を出発あまり雪が見られない。2hほど取りつきまでアスファルト道を進む。
8:14 崩沢尾根取りつき下見時に確認した橋へ向かう。踏み場の鉄板が片付けられてしまっていたが、間の鉄骨に足をのせて進んでいく。手すりはそのままなので三点支持を意識して進む。
崩沢尾根は廃道になっているだけあって道の整備がされていない。クマザサだらけの中、旧坂を直登するしかない。足場もクマザサでは滑るので最初からアイゼンをつけて登り始める。寒さのせいかクマザサの元気が無く下見の時よりは楽にのぼれた。これなら常念まで行けるかもしれない。
13:10 1880m地点のコルでBV
12/30 晴れ
クマザサの勢いは衰え、ラッセル中心の道のりとなる。自分はラッセルが苦手だ。
諸先輩達から習った
・ピッケルは全体を雪に刺して横方向に力をのせて登る。
・ピッケルの指す角度は斜面に対し90度が一番効く
・足を踏み出す時は大股でできる限り上から雪を固める。
等のコツは流用しているつもりなのだがなかなかペースが上がらない、それ以前に体力が続かない。
これを機会にラッセルのやり方を見直すべきかと考える。一番まずいのは踏み抜いた時だろう、脱出に時間と体力を消耗してしまう。いろいろ試行錯誤した結果はまった場合そのまま一気に引き抜こうとせずに膝と体重を利用して穴を広げてから引き抜くと楽に抜けることを発見。体力の消耗を抑えれるようになった。
しかし根本的な問題としてなんとか踏み抜かないで済むようにならないものか…、踏み抜くタイミングはだいたい決まっている。上に、前に進もうとして力を入れた瞬間だ、バランスも崩すため無駄に体力を消耗する。そこで最初から進む前に体重をかけて足場を固める作戦を考える。時間はかかるがこれも体力の消耗に役立った。
まだまだペースは上がらない。もっと良い方法は無いものかと思案する。ふと気づくと野生動物のトレースが見える。まぁ崖下にたどり着くものでもあるまいと辿ってみるとこれが案外安定して進めたりする。よくよく考えると踏み抜く地形というものにパターンがある気がしてくる。良くあるのが低木やクマザサの上に雪が降り積もっているパターン、踏み抜いたうえに植物が足に絡まって難儀する。他にもサラサラの雪が斜面についており、踏んでも蹴っても固めても崩れていくパターン。後は少しへこんでいるコルのような箇所の吹き溜まりに突撃する事か。冷静に考えればそこを避けていけばいいだけである。よくよく地形を見てみる。雪の硬さや強度というものが見える気がする。日当たりの関係が一部雪が解けたのち、また固まったような少し強度のある箇所がある? なんとなく強度が高そうな箇所を選び、慎重に歩を進める。劇的に踏み抜き率が減った。
「これだ。」
勢い山と会話して進むべき方向を教えてもらっているような気分になってくる。「山を力づくでどうこうしようなんておこがましいんですよ。」という某先輩の言を思い出す。ラッセルが楽しくなってきた。
13:30 やっと蝶ヶ岳のピークが確認できた。ここでメンバー3人で相談する事となる。このまま強硬に進むか、あきらめて2585mコルでビバークするか、現状のペースとピークまでの距離を考えるとおそらく4hはかかる。17:30になる。体力の消耗も激しい。頂上に着けば非難小屋があるとはいえリスキーだ。2585mでBVを決断する。
12/31 晴れ
6:20 湿気ってだんだん保温力の無くなって来ているシュラフからはい出し、バリバリに固まって履くのも難儀する冬靴を履き出発する。靴の中もだんだん湿気ってきている気がする。今回軽量化のため、テント無しのツェルト泊だが明らかに湿気って行くペースが速い。長期冬山行の厳しさをひしひしと実感しつつ蝶のピークを目指す。
8:40 ついに蝶のピークに登頂する。皆感無量でハイタッチ、記念撮影、苦労した甲斐があるというものだ。休憩がてら非難小屋を見学。雪に埋もれても大丈夫なような頑丈な扉をくぐり中へすすむ。かなりの広さがあり、先着していたPTの人たちがテントをはっていた。徳沢園の方から来られたの事。非難小屋内には非常食、トイレも完備されていた。久々に文明にふれた気がする。30分ほど休憩して元みた道を引き返す事とする。2日目にピークを踏めなければ往路下山することは最初から決まっていた。常念岳まで続く尾根道に後ろ髪をひかれつつも今まで自分たちが作ってきたトレース、票布をたどり引き返していく。


12:20 クマザサ地帯でBVは避けたいという考えの元、早めにBVする。明日には下山できるだろう。大事にとっておいた少し高い日本酒に晩御飯に計画されていた年越しそばに合わせて持ってきた鴨肉の燻製を引っ張り出して本山行一番の贅沢をさせて頂く。虎の子のホッカイロも足裏に張り、ぬくぬくで寝させてもらう。酔った勢いもあってぐっすり就寝できた・・・。と思ったら酒が覚めると急に湿気たシュラフの保温力の無さが身に染みてくる。久々に「がたがた震えながら目が覚める」という体験をする。明日は下界で温泉だ。震えながら夜明けを待つ。
1/1 晴れ
5:45 やはりバリバリに固まっている冬靴を履いて下山を開始する。今回ずっと晴れていてくれたのはとても助かる。トレースも下山すればするほど薄れてくるが、下見時点から大量につけていた票布のおかげで大きく迷う事なく下山できる。
8:56 取りつきまで降りることができた。
10:40 途中の延命水を頂きつつ、四季の郷まで下山した。
行動記録
12/29 6:10四季の郷→7:15延命水→8:14崩沢尾根取付き→9:25 1395m→10:45 1600m
→11:36 1720m→12:35 1800m→13:10 1880mBV
12/30 6:00出発→7:10 2100m→7:55 2165m→8:45 2240m→10:10 2350m→11:00
2400m→12:00 2500m→13:00 2570m→13:40 2585mBV
12/31 6:20出発→7:20 2535mコル→8:00 2630m→8:40蝶ヶ岳→10:20コル→11:20
2320m→12:20 2120mBV
1/1 5:45出発→7:17 1730m→8:30 1185m→8:56取付き→10:40四季の郷
| 山行期間 | 2016年12月29日夜~2017年1月1日 |
|---|---|
| メンバー | HND(CL) HSO(SL) MTU UET |
| 山行地域 | 北アルプス |
| 山行スタイル | 雪山ピークハント |
12/29日 名神高槻BSでMTUさんをピックアップし全員集合。新穂高へ向かう。
高山市内を過ぎ、平湯峠あたりから路面に積雪が出てくる。「登攀ルートはどうだろう」期待と不安を抱かえつつ、道の駅上宝で仮眠をとる。
12/30日 AM5時起床。新穂高温泉駐車場に向かう。運よく駐車スペースも見つかり慌ただしく準備を整え冬合宿のスタートを切る。駐車場から林道を経由し一気に白出沢まで、曇天の中まずまずのペースで進む。少し休憩の後滝谷避難小屋に向け出発。積雪も少なくトレースもばっちりあるため夏時間と変わらないペースで進める。計画では今日の行程は、槍平小屋までとなっていたが、計画より早く着いたため、さらに先へと進むこととした。

ここまでの平坦な行程に比べ、ここから先は登りも少し急になり荷物の重さも相まって結構きつい。何度も一息付きながら奥丸山のピークを目がけ尾根筋をひたすら登る。ここもしっかり踏み固められたトレースがあり登り易い。ラッセルがなく惜しい反面体力的には本当にありがたい。順調に高度を稼ぎ、午後2時本日のBVポイントとなる、2350m地点にテントを設営する。ここは、西鎌尾根~槍ヶ岳、大喰岳・南岳・北穂高岳まで一望できる絶景のビューポイントで好天も相まって贅沢な時間を過ごすことができた。天気図から明日の天気もよさそうで、本日の疲れもあり早い食事を終え早々に就寝。



12/31日 午前3時半起床。今日は合宿のメインイベント槍ヶ岳へのアタック。BVポイントからアイゼン・ハーネスを装着し千丈乗越に向け暗闇を進む。夜も明け東の空がすっかり明るくなるころ乗越への核心部に着く。トレースは乗越のコル部分に目がけて斜面をトラバースしていたが、我々はセオリー通り尾根筋を進むこととし、ルンゼ状のいやらしい斜面はロープを出し通過した。多少時間を要したものの安全に乗越に到達し西鎌尾根の稜線を進む。雪面も締まっていて効き歩きやすい。所々アイスバーンがあり緊張しつつ気持ちが引き締まる。時折ダガーポジション取りながら順調に高度を稼ぐ。






AM9:20分槍ヶ岳山荘に到着。ピークと小屋間のコルは風が強く山頂も雪煙が舞っている。しばらくの休憩をはさみ、意を決し山頂に向けアタックを開始。凍結した雪面はアイゼンの効きはいいが油断は許されない。緊張感を保ちながら一歩一歩慎重に進む。一部鎖・梯子が露出しておりそれらを利用でき登り易い。



そして、AM10:10分ついに槍ヶ岳山頂に到着。トレーニングの辛さや、ここまでの苦労も吹き飛ぶ感動の瞬間を迎える。満面の笑顔で握手を交わし山行の成功を祝す。当初予定では、元日に登頂予定であったが、大晦日の登頂も一年の締め括りとしてこれも良かったのではないかと思う。記念撮影も程々に名残惜しいが時間も押していることもあり早々に降りることとする。肩への下りは登り増して慎重に降りる。肩の小屋で小休止し、下降ルートの大喰岳西尾根に向け出発。登り返しが体に応えるが、達成感や絶景の展望も相まって充実している。西尾根も歩きやすく順調に飛騨沢を下降しPM2:25分槍平のテンバに到着。今日は大晦日、水も食料も豊富にあるので豪華な晩餐で疲れを癒した。



1/1日 AM3時半。「明けましておめでとうございます」の掛け声で起床。今日は新穂高温泉まで降りるだけなので気分的にも楽だ。午前5時過ぎテント場を出発。
この3カ月間、苦しみもあったが楽しかった思いを振り返りつつ、余韻に浸りながら槍ヶ岳を後にした。
【槍ヶ岳 行動記録】
12月30日
新穂高温泉6:15-穂高平小屋7:15-白出沢8:20-滝谷小屋9:30-槍平小屋11:00-奥丸山ピーク付近12:55-中崎尾根2350m地点BV
12月31日
中崎尾根BV地点5:10-千丈沢乗越8:00-槍ヶ岳山荘9:20-槍ヶ岳10:10-槍ヶ岳山荘11:00-大喰岳12:00-飛騨沢13:30-槍平小屋14:25
1月1日
槍平小屋5:10-滝谷小屋5:40-新穂高温泉8:00
| 山行期間 | 2017年1月6日(金)夜~8日(日) |
|---|---|
| メンバー | SGY, MTM, UET, TYK, KSH, TCH, INO, SOT, MRJ, HJS, TNK |
| 山行地域 | 南アルプス |
| 山行スタイル | 雪山登山 |
いよいよ冬山ステージの本番、3000m超えの高峰・仙丈ヶ岳へ挑戦する日がやってきた。この日のために育成メンバーは11月から、アイゼントレーニング+担荷を2回、冬合宿とステップを踏んできた。
天候は2日目午後からの崩れが心配される予報だが、大阪を予定通り出発。
戸台よりやや手前の道の駅「南アルプスむら長谷」のアスファルトにテントを張り仮眠。(北沢峠よりここでの仮眠のほうが寒かった・・・)
戸台駐車場の混雑を懸念したが、駐車している車は数台程度。一安心。駐車場で共同装備の荷分けと身支度を行い、トイレを済ませ、ビーコンチェックをし、6:55出発。しばらくは戸台川沿いの林道歩き。ときどき渡渉。日が昇りきると、空はすばらしい青色になっていく。しばらく進むと巨大な人工物が見えてきて、あれが白岩堰堤と教えていただく。
丹渓山荘を過ぎ八丁坂をある程度登りきっても、雪はうっすらとしかなく、安全に歩くことが出来る。その後積雪状態となったところで、アイゼンを装着。太平山荘を抜けて最後の登りをがんばり、北沢峠に到着。
テン場についたら、テント類を傷つけないよう、まずアイゼンを外し、ガチャ類を1箇所にまとめた。育成メンバーの半数は雪面へのテント設営が初めてだったが、リーダー陣に倣って、スコップで整地し、本体設営、外張り設置、竹ペグ設置と積極的に動いた。設営後は各テントでお茶タイムと天気図作成。夕食のおいしい鍋に舌鼓をうち、気付いたら、18:00過ぎとなる。「いま寝たら、起床まで10時間もあるよ・・・」とげんなりしたが、結局寝支度をしたら、みなあっという間に沈黙し、就寝。夜にトイレで外に出たら、星と月明かりでとても明るい!明日の少なくとも前半は、天気がもちそうだ!
翌朝は4:00起床。いよいよ今日は山頂アタック。予報を考えれば、とにもかくにも午前中勝負。まずは小仙丈ヶ岳をめざしそこで判断ということで、目標から10分遅れの5:40テン場出発。昨年秋の北八ヶ岳縦走のときは、撤収も込みで1時間半で支度ができたはずだが、冬装備ではまだ不慣れなため手際が悪い。
そしてわずか15分、登山口ですでに暑く感じ、もうウェア調整。本当に冬はいろいろな調整が難しい。
そしていざ登り始めると、自分の足が重くてスピードがあがらない。「午前中勝負」なのに。冬靴とアイゼンの重みに負けないように、もっと鍛えないと。
小仙丈ヶ岳手前の、樹林が切れるあたりで、再度ウェア調整。風などを想定して、リーダーからミドルウェア、バラクラバ、ネックウォーマー等の着用を指示され、各自調整を行う。樹林を出たら、確かに風が直接体に吹き付けて、体感気温が低く感じられる。しかし、青空とはいかずとも、空を覆う雲は高いところにあり、南アはもちろん、富士山、乗鞍まで、周囲の景色はしっかりと見える!無事に小仙丈ヶ岳へ到着し、それぞれに写真撮影したところでリーダーが「さあ、進みましょう」と、山頂を目指す号令が!
下山時の下降路の目印として標布を1本たて、山頂へ向け出発。多少の風はあるものの、空は高曇りの状態でかろうじて安定を保っている。山頂までは急登、トラバース、氷結面の通過などあったが、これまで積んだアイゼンワーク訓練の成果で、みな無事に通過。とうとう目指す山頂に到達した。まさか本当に山頂に立てるとは!冬山3000mでも、正しく天候を判断し、山にあわせた適切な体力と技術を備えれば、自分でも登れるのだ(連れて来られただけだけど・・・)と大変感動した。メンバーも全員大喜び。

一通り記念写真を撮ったら、他のパーティーに山頂を明け渡して下山開始。するとリーダー陣の想定通り、雲が重くなり、小雪が舞い風も出てきた。小仙丈ヶ岳で一瞬足を止めたが、それ以外は森林限界までほぼ休まず下り、樹林帯に入ったところで、ほっと一息、休憩。行動食と飲み物を補給し、再出発。その後は休まず、二合目で近道を選択してテン場に戻った。
てっきり、ここでもう1泊するかと思いきや、「テント撤収して戸台へ下山します」とリーダーの指示。戸台駐車場が雪で埋まると、車が駐車場から出られなくなることを懸念しての判断。たしかに、積もるタイプの雪が、どんどん降ってくる。40分でテント撤収、パッキングを行い、13:00過ぎに北沢峠を出発。
昨日登ってきたときとは打って変わり、登山道が薄い雪で覆われて、石、岩が見えにくくなっていて、大変歩きにくい。アイゼンは装着したまま、必死に前へついていく。一度アイゼンを外したものの、凍結箇所でステンと転ぶ。再度装着して、そのまま戸台まで歩き続けた。懸念の渡渉は2箇所。もう暗くなっており、ヘッドランプで照らして慎重に靴の中まで濡らさないように、と思ったが、「どうせあと少しで駐車場だから」と覚悟を決めてバシャバシャと勢いよく進むメンバー続出!やっと駐車場に着いた頃には、朝の行動開始から12時間が経過していた。12時間も行動できるとは!育成メンバーも、みんな強くなりました。
リーダーの懸念どおり、駐車場はすでに積雪状態となっていた。やはり下山は適切な判断だったのだと実感。
今回、自分なりの教訓が2点。1点目は渡渉について。
初日の途中、メンバーの1人が渡渉に失敗して川に上半身までつかってしまった。冬山では濡れが低体温や凍傷に直結するため、渡渉で絶対に転倒しないように、靴の中もぬらさないようにと、リーダーから改めて教えていただく。また予備の靴下・手袋は必携、と肝に銘じる。
2点目は高所での行動について。
もともと自分は高所に弱めで、その対処法もわかっていたつもりが、今回登るのに必死になってしまい、仙丈ヶ岳山頂から下山開始してすぐ、呼吸が浅くなっていることに遅ればせながら気付く。「あ、しまった。高度障害が出そう」と思ったときはすでに遅く、みるみる気持ちが悪くなってきた。それでもなんとか歩けているつもりだったが、後ろにいたメンバーに「ふらついていますよ、大丈夫ですか」と声をかけられ、初めて自分の状態を把握できた。高所では深く息を吐くように、また自分の行動を客観的に把握、判断できるように。
今山行、貴重な三連休を育成メンバーのために使っていただいたリーダー陣、そして戸台~北沢峠往復に同行し、育成メンバーへ様々な目配りをしてくださったOSMパーティーに、感謝の気持ちでいっぱいです。
冬山は気象判断、前進と撤退の判断、メンバーの体調把握、などなど、夏山の何倍も、考え判断しなくてはならないことが山盛りですが、これから経験を重ねて、少しずつ力にしていきたいと思います。
(MRJ記)
<行動時間>
1/7 戸台駐車場6:55→白岩堰堤8:55→熊ノ穴沢10:00→丹渓山荘10:40→大平山荘13:15→北沢峠14:00→北沢駒仙小屋14:15
1/8 北沢駒仙小屋5:40→北沢峠5:55→四合目7:10→大滝ノ頭五合目7:25→小仙丈ヶ岳8:35→八合目9:00→仙丈ヶ岳9:55→小仙丈ヶ岳10:40→樹林帯11:05→二合目11:50→近道登山口12:05→北沢駒仙小屋12:20~13:00(テント撤収)→太平山荘13:25→丹渓山荘15:00→熊ノ穴沢15:25→白岩堰堤16:25→戸台駐車場17:35
| 山行期間 | 1月7日 |
|---|---|
| メンバー | TGA(L), ABE, DTE |
| 山行地域 | 八ヶ岳 |
| 山行スタイル | 冬季登攀 |

八ヶ岳は年末より雪がなくなってました。
1月7日午前2時、舟山十字路の駐車場にはたくさんの車が停まっている。
3連休は初日が高気圧におおわれるが、2日目後半からは南岸低気圧がやってくるため、初日に阿弥陀を抜けたいところ。
仮眠後の午前5時50分、計画書どおり2泊分の装備で出発する。
南稜に入るには二通りルートがあって、旭小屋から登るか、林道沿いに登って堰堤から登る。
旭小屋に行くルートが分からず、「阿弥陀南稜(一般ルートではありません)」の道標に従って林道を登り、尾根に上がると、無事に旭小屋分岐に行き当たる。7時30分。
それにしても雪がなーい。
ひたすら樹林帯を歩く。けっこう長かった。
雪が出てきたと思ったらカリカリに凍っているので、アイゼンをつけた方が早い。
青ナギに到着。

急に木がなくなって、視界が開ける。
青ナギは北アルプスが見渡せて、突然現れた天国。
ラッセルで遅くなったらここが一つ目の幕営ポイントだが、ここまではラッセルどころかただの重装備ハイキング、まだ9時。
もちろん進みます。
10時10分、無名峰。

南稜の核心部が見えてくる。
10時30分P1取り付き。

南稜はP1、P2まで一般ルートのような道で、
日本登山体系でも、「無雪期はもはやバリエーションルートではない」と断言してます。
11時20分、核心のP3ガリー取り付きビレイ点に到着。

先行パーティを待って、ABEさんリード開始。
ビレイ点は日陰で寒い。
コールの声がぜんぜん聞こえないようで、ロープいっぱいまで登ってしまった様子。
ホイッスルを導入する。

今回、天候を考えると1日で御小屋尾根まで抜けたいので、軽量化のため現地判断でロープは一本としていた。TGAリーダーはセカンド、フィックスでユマール登攀開始。
いよいよ私も登りはじめるが、ルンゼがカリカリでちょっとビビる。
しかも2泊分のテント装備がけっこう重い。
実は今回登攀用のピッケルを新調していきました。縦走用のピッケルはここではぜんぜん刺さらなかったので、持って行ってよかった…。

ABEさんがワートホッグで作ってくれたランニングビレイ、抜き方を聞くの忘れた!と焦ったけど、ピッケルでグリグリやっていたら抜けた。
P3ガリーは、取り付き以外人口のプロテクションが見当たらなかった。
1ピッチ目のビレイ点を岩とカムで作ってくれていたABEさん。2ピッチ目もリードお願いします!


他のパーティはけっこうロープなしで登ってくる。
13時、P3ガリーの2ピッチを終了。けっこう長かった…
13時20分、P4はロープなしで。

13時50分、阿弥陀岳。


下山は御小屋尾根。雪はなさそうだが途中に水場があるので、とりあえずそこまでは降りることに。
御小屋尾根も上の方はアイゼンが刺さらないくらい凍っていてけっこう悪い。
一部、フィックスロープが張ってある。

水場分岐で二箇所めの幕営ポイントだが、まだ15時だったので、日帰り下山決行。
16時御小屋山。
16時50分、舟山十字路に無事下山。
雪が少なかったおかげで、計画上2泊のところが11時間行動の日帰り山行となった。
積雪状況によっては、日帰りアタック装備のルートなのだと思った。
実際にそうしているパーティが多かったようだ。
また全体的に、南斜面のせいか解けた雪が固く氷っていた。
それからこれまで、全装備登攀の経験がなかったので、非常に良いトレーニングになったと思う。
同時に、雪稜でリードするにはまだまだ道のりが長いと感じた。がんばります。
(行動記録)
20170107
0550 舟山十字路
0730 旭小屋分岐
0900 青ナギ
1010 無名峰
1030 P1取り付き→P2
1120 P3取り付き
1320 P4取り付き
1350 阿弥陀岳
1600 御小屋山
1650 舟山十字路