山行期間 | 12月29日-30日 |
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メンバー | SKD(L) , WDZ , DTE |
山行地域 | 南八ヶ岳 |
山行スタイル | アルパインクライミング、冬山 |
いよいよ冬合宿。
10月から、歩きの山行・アイトレ・猿回し・歩荷・例会…とにかくひまにまかせて毎週トレーニングに行った。
今回Mチーム初めての冬合宿で、トレーニング目標は
・歩荷25kg以上(女性)で8時間以上
・III級程度のアイゼンでのリードクライミング
冬山トレーニングは地味で大変だが、合宿に行ってみて、その重要性を実感した。
12月28日、無事に年末の仕事納めを終えて、21時発で八ヶ岳へ向かう。
リーダーの車の中で、まず、どんなシュラフを入れてきたかが話題にあがる。
2人とも冬用。3シーズンのペラペラを入れてきたのは私だけ。
八ヶ岳ってめちゃくちゃ寒いんですよ〜。
そんなシュラフで大丈夫ですか(笑)
とからかわれる。
合宿だから、みんなもっと攻めてくると思ってました!真ん中に寝させてください!
29日午前4時、赤岳山荘Pに着き、仮眠用テントの真ん中を譲っていただいて寝るが、案の定めちゃくちゃ寒い。
8時、行者小屋に向かって出発。
登山道はカリカリ。 沢も凍っているが雪はかぶっていない。
9時、帰りにアイス体験をする予定の南沢小滝を偵察。
氷結は半分くらい、凍った部分も水が流れている。
登れなくないけど、微妙ですね。
とSKDリーダー。
翌々日にはばっちり凍っていることを願って、行者小屋に向かう。
10時30分行者小屋。
ガスがなくなって南八ヶ岳の峰々が見渡せる。日陰で寒く、夜が思いやられる。
【合宿1日目 石尊稜下部岩壁雪訓】
せきそんりょう、という名前がトラウマになりそうな1日目になった。
石尊稜は、鋸岳ルンゼと三叉峰ルンゼの間にある冬季中級アルパインルートです。
その下部で冬季登攀の訓練を行う予定、だった。
11時30分、行者小屋を出発。
取り付きまでは、私1人のルーファイで行くという課題をいただいた。
中山乗越を下って、橋のところで沢に下りて、右側の三叉峰ルンゼをつめていく…
という情報を事前にネットで見た。
あ、これが橋かな?というところで沢に下りて、トレースにそって右に右に…
あれ?!尾根に出てしまいましたが
中山乗越に戻ってきてしまった(泣)
どうしよう(パニック)
もう一度赤岳鉱泉方面に下ってみようかな…いやだな…
地図上は中山尾根から取り付きのルンゼに下れるところがあると思う(冷静)
というWDZさんの励ましにより、中山尾根をトラバースすることにする。
トレースが無い樹林帯の中で、進む方角は分かっているのだが、どこをどう歩けばいいか。頭が真っ白になって、カモシカの足跡を辿ってしまう。
沢、尾根、沢、尾根の連続する地形で、地図を見るたびに現在地が合っているか不安になる。
ちょっと下って、ルンゼ側が急斜面に見えて、やっぱりまたちょっと登って、樹林帯の彷徨。
一人だったら完全なる遭難者でした。
意を決して左側のルンゼに下りる。
そこには待ちに待った人間のトレースが(泣)
木がなくなって、赤岳鉱泉、大同心、小同心が見渡せる。
よかった…これが三叉峰ルンゼだ
でももう13時を過ぎている。
二俣のところで、左が小同心ルンゼ、右に行ったら石尊稜。のはず。
少し進んで、「石ソンりょう取り付き」と書かれたテープを見たとき、ほっとしたと同時にどっと疲れがおそってきた。
この数日、石尊稜に入った人は少ない様子で、トレースはどんどん消えていく。
膝くらいの雪が積もった沢を踏み抜き踏み抜き進んでいくが、疲労感で石尊稜ははるか彼方に感じる。
トレースが完全に消えた付近で、見かねたWDZさんが、ラッセルを代わってくれる。
取り付きのフェースらしき岩が見えているが、13時50分。ここでリタイア。
リーダーからは、
・雪山ではトレースがないところを自分の読図力で進む
・事前にもっと地形を精査しておく
などのアドバイスをいただいて、正解の取り付き地点を教えてもらいながら行者小屋へ引き返した。
もっと赤岳鉱泉方面に下っていたら、ロープが張られた明確な入口があったのだった。
私のせいで登攀訓練もできず、リーダーとWDZさんにはただの散歩をさせてしまったが、ぐったりの私は中山乗込に登り返すのが一苦労。
大反省の1日目、終了。
ところで心配していたツェルト×スリーシーズンでの夜だったが、2人のお情けで真ん中をいただいたのと、テントシューズとカイロのおかげで、端の2人より快適に寝てしまいました。すみません。
12月30日
【合宿2日目 阿弥陀北稜〜赤岳】
計画書では、阿弥陀北稜を登攀後、硫黄岳まで行く予定だが、強風と稜線上の地吹雪を心配されたリーダーは、空の様子を見てから出発するということで、ツェルトをたたんで7時、行者小屋出発。
この日のルーファイはWDZさん。
WDZさんは、行者小屋からすぐ右にトラバースして尾根に出るルートを狙っておられたが、前日のトラウマで新雪恐怖症の私が拒絶。
すみません、トレースのある方でお願いします。
7時50分ジャンクションピーク。
SKDさんリードで第一岩稜を登り始める。
ピッケル、アイゼンをしっかり決めてから次の一歩を進めて下さい、
ロープ出さなくて大丈夫ですか?
と前を登るSKDさんが優しい声をかけてくれる。
この辺りから、下を見ないようにする。
8時20分、核心の第二岩稜取り付き。
先行の大人数のパーティーを迂回し、左側のビレイ点からSKDさんリード開始。
早い!
気持ちいい〜♩と上からリーダーの声。
リーダー楽しそう。リーダーには簡単すぎるルートだったけど、よかった。
ロープ半分!寒くて声が通らない。
一瞬でビレイ解除のコール、ロープはピンピンに。
いよいよ私も登り始める。
ピッケル一本だが、フリーで岩をつかむよりも楽だ♡と感じた。
しかし、ウール手袋とオーバー手袋をつけていても、雪稜登攀はこんなに指が冷たいのかとびっくりした。
今回は2ピッチだけだが、これで何ピッチも登るのは、たぶん過酷だ。
2ピッチ目は、SKDさんに借りたバイルを出して、ダブルアックスにしてみる。
なんかアルパイン!
無事にナイフリッジを通過。
ビレイ点に着いて、
富士山が見えますよ。
とSKDさんに言われ、見渡すと八ヶ岳の全貌から富士山、御嶽山、南アルプス、北アルプスの雪山の大展望。
美しすぎて泣けてくる。
生きててよかった。と思いました。
10時、阿弥陀岳登頂。
さて、阿弥陀の下りは審議の際、むしろ北稜より脅されていた部分だが、しっかりステップが切ってあるので、難なく下降。
10時40分中岳のコル、11時中岳。
この時点で、時間的に横岳方面は厳しい。
中岳を下るとかなりの強風だが、歩けないほどではなく、太陽と青空もばっちり出ている。
この山域ではこの風が普通。とリーダー。
正午、赤岳。
12時30分、地蔵の頭。
この先はエスケープルートが無く、横岳、硫黄岳に進むには時間が遅いので、地蔵尾根を下降することになる。
地蔵尾根といえども、上部はリッジと急斜面のトラバースなので、気は抜けない。
直前に地蔵尾根で滑落事故もあったようだ。
13時行者小屋。
横岳方面は行けなかったが、大満足の内容の2日目を終えた。
さて、行程は残すところ南沢小滝のみになった。
氷結状態が微妙なので、行者小屋を撤収して南沢小滝まで下りて、氷結状態が良ければ南沢小滝で泊まって翌朝クライミングしましょう、ということに。
14時行者小屋を出発。
14時50分南沢小滝。
さてさて、滝は…
前日と変わらず、水が滴って、微妙。
誰か登った形跡。氷瀑が割れている。
登ってもいいけど、確実に濡れます。
またコンディションの良いときに来ましょうか。
シュラフが薄い私は、内心ホッとする。
ということで、一泊になったが内容の濃かった?冬合宿も無事終了。
年明け来週も、阿弥陀南稜に来ます。
今回の反省点。
・取り付きの調査はもっと精密に。
・ナルゲンの蓋はちゃんと洗ってから持って行きましょう。
(行動記録)
20161229
0800赤岳山荘P
1030行者小屋
1130行者小屋
1350石尊稜取り付き手前100m
1500行者小屋
20161230
0700行者小屋
0750JP
0800阿弥陀北稜第一岩稜
0820阿弥陀北稜第二岩稜
1000阿弥陀岳
1040中岳のコル
1100中岳
1200赤岳
1230地蔵の頭
1300行者小屋
1450南沢小滝
1600赤岳山荘P