アルパインクライミングを目指す泉州山岳会へようこそ! 大阪府山岳連盟所属

ホームリンクサイトマップ
入会募集中
泉州山岳会とは山行記録イベント

会員限定

山行スケジュール役立つ資料の共有EPE

76期 冬合宿第1弾 北八ヶ岳縦走16/12/30

山行期間 2016年12月28日(水)夜~30(金)
メンバー SGY, ASI, TYK, INO
山行地域 八ヶ岳
山行スタイル 雪山縦走

合宿は北八ヶ岳へ行ってきました。12/28夜出発で大晦日に帰るという年末多忙な時期の日程になっているため、参加人数が少なく4人での山行になりました。リーダーとサブリーダーと76期の二人です。なんて贅沢な組み合わせ・・・。

11月に偵察の山行に行きましたが、あまり頭の中に記憶が残っていない。荷造りをしながら、地図を見直し、思い出す。しかし今回は冬の雪山。今まで行った雪山といえば軽アイゼンを履いて登った高見山ぐらいで、本格的な雪山登山は私にとって初めての経験。しかも11月12月と多忙だったため、トレーニング山行を2回も欠席し、さらには最終のルームも休んでしまうという、とても残念な準備になってしまい、気持ちが不安になる。参加する同期のもう一人はとても強く健脚な持ち主で、私だけが足をひっぱるかもしれないと思い、自己トレーニングがてらに何度かジョギングを実施するが、不安は残る。しかし、一番の不安が、寒さ!なんといっても、私は末端冷え症!寒がり!寒さに耐えることが最大の核心だと思いながら覚悟する。

12/28仕事納めがなかなか納まらず、集合時間を1時間遅らせていただき出発。3:15に北八ヶ岳ロープウェイに到着して仮眠をとります。ロープウェイの始発に乗るために乗り場に並ぶが、スキー客が沢山いることに驚く。ロープウェイを上がるとそこは銀世界。ふかふかの雪があたり一面でした。バラクラバをして、手袋をして、オーバーミトンをする。なかなか冬山の服装に慣れずに、オーバーミトンでの操作も上手くできず、みんなを待たせてしまい申し訳ない気持ちになるが、リーダーやサブリーダーが色々教えてくれて感謝。まずはアイゼンを履かずに出発。

私が先頭で歩きます。ピッケルを持ちながら歩くのがなんだか嬉しく楽しい。歩いていると冷え切った体も指先も足先も温まってきて、中にきていたフリースを脱いでおいて良かったと思う。偵察に来たときは、下が岩だらけで歩きにくかったが、雪が積もっているおかげで、まっすぐ平らな道を登るだけ。楽しい。途中でアイゼンを履くとさらに軽快に歩ける。登りがひたすら続くが、呼吸を整え、一定のリズムを保ちながら、足を運ぶ。登っても登っても上りだが、一歩一歩登っていくのが楽しい。下りは下りで一気に体が軽くなるため楽しい。不安な気持ちが多く半分憂鬱になりながらの参加でしたが、やっぱりこの歩きが私は好きなんだと思い出して実感する。4人という少人数での行動のためか、ペースが計画よりも早く、天気がいいうちに泊まる予定にしていた黒百合ヒュッテをこえて、東天狗岳を越えてしまおうかとリーダーが検討する。しかし、そのまま突っ込むには時間が微妙なため、ここは無理をせずに計画通りに黒百合ヒュッテで泊まることにする。

マイナス何度だったのか、寒いを通りこして冷たい中でのテント張りは本当に拷問のよう。だが、ここで頑張らないと快適な寝床を確保できないから、みんなで、雪面を平らにしてテントをたてて、竹ペグで固定します。この時が一番寒かった・・・。
テントの中に4人が入り、ザックも入れると狭い狭い。でもこの狭さが暖かさをうむことを学びます。リーダーの指示ですぐに4人がテントの四隅に移動し、中心にスペースができあがり、ガスを炊く用意をします。雪を溶かして水を作りお湯を沸かして、嗜好品のカフェオレを頂き、ホッと一息。サブリーダーがバーボンを温め、この一杯のために頑張っているんだと嬉しそうに飲まれる。外は寒い雪の世界だが、テントの中は本当に暖かく幸せになる。食料担当の同期がキムチ鍋を用意してくれる。調理しながら急に独特の笑みを浮かべるので、「もしかして肉を忘れたの!?」と皆で問うと、「肉はあります!でも間違えて違う肉を持ってきてしまいました!」と。用意していた豚ばら肉ではなく、コストコのプルコギを持ってきてしまったと。でもみんなで「豪華になるしキムチ鍋にあうからいいんじゃないの」と笑いながら調理を進めていただきます。雪山でのキムチ鍋のおいしいこと!最高でした。

時間は早いけど、シュラフに入って18時ごろに就寝。日ごろの寝不足を山で解消するといった感じです。冬用シュラフ+テントシューズをはいて万全の体制。リーダーに、ヤッケやスパッツは断熱効果を狙うためにシュラフとマットの間に引いたらいいと教えていただきました。また湿っている手袋や帽子はお腹辺りの服の間に入れて体の熱で乾かしたらいいとも教わりました。豆知識の勉強です。端っこじゃなくて間に寝かせていただいたこともあり、ぽかぽか暖かく、快適に眠ることができました。ただ、夜中には、テント内の結露がぽたぽた顔に落ちてきて何度も目が覚めましたが・・・。

5時に起床し、朝食の雑炊を食べて荷物のパッキングをします。天気予報によると、昼になればなるほど晴れてくるとの情報。テント内で待機して、7:30にテント撤収。8時には出発します。朝から体が冷え切っていたため、迷ったあげくにフリースを着たまま出発。少しずつ晴れ間がみえて、きれいな樹氷の樹林帯を抜けながら絶景を堪能して、森林限界に達すると青い空と一面の白い大地の中を登っていきます。気持ちいい。来て良かったと嬉しくなります。しかし稜線沿いは風もあり注意して歩きます。ひとつ難儀したことといえば、サングラスをしてもバラクラバをしているせいですぐに雲ってしまったことです。これは改善策を考えないといけないなと宿題になりました。

途中の登りでサブリーダーが何もないところで転倒して、私の足元に転げ落ちてきました。危ない危ない。でもその一瞬の出来事で私は頭の中では色々な事を考えてしまいました。もし、私が先頭を歩いていて、その後ろでサブリーダーが転倒して、あとの二人も引き連れて下まで滑落してしまったらどうする?私一人残されてしまったら?そうなったら私はどうする?助けに行くことはだめだし、助けを呼ぶ?携帯の電波は入っている?行ったことないけど、近くのオーレン小屋まで歩いて助けを求める?こんなところで一人ぼっちになるのは嫌だ。私は落ちついていられる?など、沢山のことを考えさせられました。でも、山の上では何が起こるかわかりません。常に危険予測をしながら登ることが鉄則だと痛感しました。

無事に硫黄岳山頂まで登りしばしの休憩。そして下山。あっという間に赤岳鉱泉に12:30についてしまいました。リーダーが1日早くなるがそのまま下山するか、予定通りここで泊まって明日下山するか検討します。皆で話し合い、そのまま下山することになりました。赤岳山荘から美濃戸口までの道路がアイスバーンになっている部分が多く、どこでアイゼンを脱ぐかどうかも考えどころだなと勉強になりました。

4人という少人数で天候にも恵まれ、軽快に山行を終了できましたが、帰りに皆で、「時間に余裕があれば、赤岳鉱泉ではなく行者小屋まで進みそこで泊まり、3日目に赤岳へアタックしてから美濃戸口へ下山するという計画も追加しておいたら良かったね」と話していました。なぜその案が事前に頭をよぎらなかったんだろうと後悔。大後悔!

1日早く帰阪して、ゆっくり片付けもできました。しかし12/31大晦日に快晴の空を見上げながら、今頃赤岳に行けてたかもしれないのにな・・・・とまた後悔。雪山の冷たく澄んだ独特の空気を思いだしながら、次の仙丈ヶ岳も天気が良かったらいいのになと胸に思います。

一緒に山行に参加してくださったリーダーとサブリーダーと同期に感謝。また、年末の仕事納めの日に快く休みを頂けた仕事の環境に感謝。気をつけて楽しんで行ってきてねと笑顔で見送ってくれる家族に大感謝です!この気持ちは忘れないようにします。ありがとうございました!
(INO記)

<行動記録>
12/29 八ヶ岳ロープウェイ山上駅9:25→縞枯山10:15→麦草峠11:35→高見石小屋12:55→黒百合ヒュッテ14:20
12/30 黒百合ヒュッテ8:00→東天狗岳9:05→夏沢峠10:15→硫黄岳11:25→赤岳鉱泉12:30→美濃戸山荘14:05→美濃戸口14:50