山行期間 | 2015年8月1日(土)夜~2(日) |
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メンバー | SGY, KTYF, ABE, ITN, KWI, OSM, KNS, DTE, KRA, SKM, ASI, YMZ |
山行地域 | 比良・白滝谷 |
山行スタイル | 沢登り |
待ちにまった沢登りです!
泉州山岳会に入って楽しみにしていた事のひとつ。
沢は天気が重要で、雨だと中止になると聞いていたので、なんとか晴れて欲しい…!と願っていました。
皆の願いが通じたのか、当日は晴天で気持ちのよい沢日和でした。
坊村から蒸し暑い山道を1時間程歩き、いよいよ沢へ。
今回のために買いたてほやほやの沢靴にはきかえ、入谷すると、足もとがひんやりとして気持ちいい。
そして岩肌をぺたぺたと歩くと、フェルトソール効果で本当に滑らず、登山靴の時とは違い、難なく濡れた岩場を歩け、驚きでした。
リーダー陣、新人と交互になるよう列を連ね足取り慎重に進んで行きます。
はじめは、沢が楽しみ!といいつつも何となく、足下以外の身体は濡れないよう歩いていましたが、「そのうち濡れるのに慣れますよ」とSGYさんの言葉とおり、すぐにどんどん水の中へはいるのが気持ちよくなってきました。
この日は水温もほどよい冷たさで、沢に注ぐ光と山の緑がきらきらと綺麗でした。
皆、気持ちいい~!楽しい~!と各々楽しんでいるご様子。
OSMさんより、「水がはねているところは岩があるから足をそこに置いたら登りやすい」とアドバイスをもらい、見えない水面下に探りながら足を置くととても登りやすくなりました。
こんな登りだったら汗もかかんとええな~ときこえてくる程、沢登りは登山とはまた違う魅力が沢山詰まっていました。
最後にみた夫婦滝も圧巻の迫力で、こんな間近でみることができ大感動。
すごかった~!!
今回、安全に楽しく沢登りができたのもリーダー陣皆様のおかげです。
ありがとうございました。
今期はあともう一回沢がありますので、また晴れて欲しいなあと願っております。(YMZ記)
山行期間 | 2015年7月18日(土)~20(日) |
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メンバー | KWI, SGY, ABE, ITN, UZU, DTE, NKO, KRA, SKM, ASI |
山行地域 | 蓮華温泉~朝日岳 |
山行スタイル | ピークハント |
7月18日、泉州山岳会75期Bチームとして、初めての北アルプスに向かった。目的地は、後立山連峰の最北に位置する朝日岳。
後立山連峰に連なる白馬岳の知名度には及ばないが、標高は2418メートル、丸みを帯びた雄大な山並みと高山植物の豊富さが魅力的な山だ。
当初の計画では、蓮華温泉から白馬大池、白馬岳山頂を縦走し、折り返して三国境から朝日岳、蓮華温泉に下るルートを予定していた。
しかし、台風11号通過の影響で天候が落ち着かず、日程を短縮して蓮華温泉と朝日岳の往復になった
18日午前10時、リーダーとBチーム合わせてメンバー10人が車2台に分乗し、大阪を出発。名神高速から北陸道を経由し、糸井川沿いに南下。
蓮華温泉に着いたのは午後7時過ぎだった。暗闇の中で、手際よくテントを設営し、夕食の寄せ鍋を準備しながら、持ち寄った酒で乾杯した。私の大好きな瞬間だ。ITNさんのウイスキーを頂戴し、ほろ酔い気分で就寝した。
19日未明。天候はぐずついて落ち着かない。蓮華温泉から朝日岳までは、約8時間のロングコースだ。このルートは、30数年前、高校山岳部の夏合宿で、
朝日岳から下ったことがあるが、アップダウンの差が大きく結構大変だった記憶がある。
小雨の降る中、湿地帯の木道を歩いていく。雨に濡れた木道はとにかく滑りやすい。転倒したら全身泥まみれになってしまう。慎重に足を進めていく。
湿地帯を抜けると急な下り坂となり、瀬戸川に至る。雨で水量が増えており、ゴーゴーと音をたてていた。
吊り橋を渡って、さらに、尾根を一つ越える。雨は降ったり止んだりだ。
非常に蒸し暑かったが、樹林帯を抜けて白高地沢出合に至ったとき、沢で冷やされた涼風が全身にこもった熱をさっと冷ましてくれた。
蒸し暑さに辟易していたみんなの表情が明るくなった。
朝日岳への登りは、実質的には、この出合が出発点となっている。そこを出発して、しばらく樹林帯を進んでいくとカモシカ坂に至る。
そこから急登が続いて、一気に高度を上げていく。そのうち雨が止み、ガスが引くのにつれて、雪倉岳のなだらかな美しい稜線が現れた。
朝日岳は、とても色彩豊かな山だ。空の青色、雪渓の白色、ハイマツの濃緑色、山肌の褐色、色鮮やかな高山植物が織りなす景観は、まるで印象画のようだ。
花園三角点を過ぎて五輪高原を進んでいく。大小の雪渓では、軽アイゼンを装着して慎重に登っていく。
雪渓に慣れてないメンバーには、リーダーが丁寧に歩き方のアドバイスしてくれた。一歩一歩、アイゼンをしっかり効かせながら登っていく。
途中、雪渓から勢いよく流れ出す雪解け水をシェラカップですくって、ごくごく飲みほしてみる。冷たくて最高にうまい。
私にとって北アルプス登山の魅力の一つは、おいしい水を見つけることだ。だから、いつもシェラカップはザックにぶら下げ、
おいしそうな水を探しては味見している。特に雪渓の水は冷たくて美味しい。ただし、マナーの悪い登山客が雪渓を汚すことがあるので、
口にするときは、その上方に登山道や山小屋がないかと十分注意しなければならない。
五輪尾根の斜面をトラバースしながらどんどん登る。そして、朝日岳の「吹き上げのコル」と呼ばれるところから稜線に出たとき、ガスがまた濃くなりはじめた。
その稜線に沿って、朝日岳に登頂したときは、すっかりガスに覆われてしまい、期待していた後立山連峰のパノラマは見ることができなかった。早々に頂上を後にして朝日小屋に向かう。
約20分歩いて、朝日小屋のテント場に着いた。森林限界線を越えたテント場では、非常に強い風が吹くことがあるので、
テントを設営するときは、石を使って、張り綱をしっかり地面に固定した。
ちょうど、その時、チームの皆さんからサプライズで「ハッピーバースデー」の歌とプレゼントを頂いた。
プレゼントは、オレンジ色の朝日小屋のTシャツ。40歳代最後の誕生日を泉州山岳会の皆さんに、北アルプスで祝って頂いて、その温かいお気持ちへの感謝で胸が一杯になった。泉州山岳会に参加させて頂いて本当に良かったと思う。
20日未明。午前4時前にテント場を後にする。空は曇っているが天気は少しずつ回復に向かっているようだ。
メンバー各々、ヘッドランプの明かりを頼りにして、再び朝日岳頂上を目指す。
午前5時頃、山頂に立った。昨日と同じく濃いガスに覆われていて、残念ながらご来光は拝むことができなかった。
風で体を冷やすのは良くないので、早々に稜線を下っていく。吹き上げのコルを過ぎ、
五輪尾根をトラバースしているころから、ようやくガスが引き始めて、視界が開けていった。
湿気を帯びた空気から爽やかでカラッとした空気に入れ替わり、天候が本格的に回復していく。
五輪尾根の展望台に着いたころには、青空が広がっていた。白馬岳とそれに連なる山々の稜線が太陽に照らされて神々しく輝いており
、高山植物も一層、生き生きと鮮やかに見えた。メンバーみんなが美しい後立山の山並みに見惚れた。
蓮華温泉に到着したのは午前11時45分。2日間で約18時間30分を歩いたことになる。歩きごたえは十分だ。
じっくりと温泉につかって疲れを癒し、北アルプスの余韻を楽しんだ。
今回は、Bチーム初めての北アルプスだ。変化に富んだ気象の中を、みんなで一緒に安全に行動するという経験を共有できたことはとても良かったと思う。
北アルプスは、これまでBチームが経験した関西近郊の山とは大きく異なる。この山域で安全に登山を楽しむには、
合理的な装備と基本の徹底、決して無理な行動をしない、させないことが前提となるだろう。
また、天候変化に対しても、敏感に感じとり、不測の事態に対しても、合理的に対応できるように常にシュミレーションしておくことが求められる。
その点、泉州山岳会は、経験豊富なリーダー陣が多数所属し、初心者の育成に情熱を注いでいる。今後も、ここでその知識と経験をしっかり学んでいきたいと思う。
(ASI記)
<行動記録>
7/19 蓮華温泉4:00→ヒョウタン池7:50→吹上のコル12:55→朝日岳13:40~14:00→朝日小屋14:20
7/20 朝日小屋3:50→朝日岳5:05→吹上のコル5:30→青ザレ7:40→蓮華温泉11:45
山行期間 | 2015年6月27日(土)夜~28(日) |
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メンバー | KTYF, SGY, ABE, KWI, ITN, DTE, NKO, KRA, SKM, BAN, ISK, YSZ, YMZ |
山行地域 | 八経ヶ岳 |
山行スタイル | 強歩 |
プライベート山行を含めると3回目となるオオヤマレンゲ経由、八経ヶ岳。
事前の天気予報はあまりよくない様子。
3度目も雨だなぁ~と諦め半分で集合場所の三国ヶ丘へ。
三国ヶ丘号は仕事の都合などで出発が遅めの22時30分。
道中、ITN号でお約束のテレサテンでドライブミュージック。
コンビニに立ち寄り、ドリンクを調達し、0時30分に、天川村役場の幕営地へ。
他の登山者もいたようだ。特急スピードで幕営、就寝。
―暑く寝返りがうてないテント内。
―おかしな音で目覚める私。
―寝転がるしかないテント内。
―頭もさえつつある私。
寝不足は翌朝の山行に差し支えると思えば思うほど、あせる。
あせればあせるほど、寝ることができなくなり、次第に目が覚めてしまう。
働きだす脳内細胞。動き出した脳は止めることができなくなり、問題発生!
急に思い出す、コンビニへ立ち寄ったことと、摂取したドリンクの量。
「トイレ、行きたくなりませんように…」
思えば思うほど、心配になってくる。
頑張れ、私。何も考えるな!落ち着くんだ。そうだ、無になるんだ…。
そして気づく。
―無になるってどういうことなんだ?
さすが大峰。修行の山。
答えの出ない試練が幕営地から始まるなんて。
あせる私。
―どうしよう、本当に眠れない。
待ちに待ったうとうとタイムもゲームオーバー。
―残念、私。む、無念。
起床時間を迎え朝ごはんの時間。
おいしい力餅野菜うどんとITNリーダーとKWIリーダー農園のきゅうりとトマト。
(おいしかったです。ありがとうございました)
そして、行者環トンネルの駐車場に移動し、登山口へ。
試練は続く。
びゅーーーん、びゅーーーん、力強い風が吹きまくる。
寒くて仕方ない。途中雨もちらほら。
弁天ノ森を過ぎ、理源大師像、弥山小屋の手前の手前の手前ぐらいから、青空が見え隠れするようになるが、風が強いのは雲を見ても分かる。
山頂は寒そうだなぁ~と感じるが、さすが、大峰。
修行中でも何かご褒美はあるらしい。
ありがたいことに、きれいなオオヤマレンゲに迎えられ、山頂へ。
きれいな水色の空と、おいしそうな雲。
飛び込みたくなるような、深い緑色の木々。
過去2回は雨、雨なオオヤマレンゲと山頂、下山でのヌメヌメ路面にやられ散々でしたが、今回の山頂は気持ちのいい空の色と時折見える山脈に、眠気が吹っ飛ぶ。
帰りも快足、快調。
こんな答えの出ない深夜のテントと、気持ちのいい八経ヶ岳のコラボメニューはもうないなぁ~と、ある種、貴重な山行でした。
(SKM記)
山行期間 | 2015年6月13日(土)夜~14(日) |
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メンバー | SGY, KTYF, ABE, HND, MSD, KKD, UZU, DTE, NKO, ISK, KRA, ASI, SKM, YMZ, BAN |
山行地域 | 蓬莱峡 |
山行スタイル | 岩登り |
初の岩登り体験は、想像以上に難しく、至難の技でした。
今回はMチームから3名ご指導のために来て下さり、総勢15名となりました。
前夜泊のため、21時に宝塚駅に集合しバスで現地に向かいます。
真っ暗でまわりに何にもないバス停でこんな時間に降りるのは私たちだけだろう、
と思いながらテント場に到着すると既に先住人の方が。
私たちもテントを張り小一時間ほど愉しく晩酌をし、就寝。
5時起床で美味しい朝食をとり、いざ岩場へ!リーダー1人と新人2人の3人1組で練習開始。
まずはセルフビレーをとります。せめてロープの結び方だけでも・・・と前夜電車の中で練習したものの、
本番となると頭からぽんと抜けてしまい、そんな私にもKKDさんが一から丁寧に教えてくださりました。
セルフビレーのポイント、流動分散について等詳しく、トップをKKDさん、次に私、ASIさんの順で登っていきます。
スルスルと登り終えたKKDさんにつづき登ります。1~2mの地点で、既に身動きがとれなくなります。
辺りをみるも掴めるような岩が見当たらず、落ちないよう必死で岩にしがみつきます。
上から下からのアドバイスを耳に、えい!と足を引き上げ、手をふんん・・・!と伸ばしよじ登ります。
なんとか前進し、頭の中では、ファイト~一発~!のCMが巡りながらそのまま必死の形相でトップを目指します。
登り終えた次は懸垂下降を教えて頂きました。全体重をぐっと下にかけ、壁を歩くようにとアドバイスをもらいますが、
岩壁に身を投げ出すのが最初とても恐く感じ、うまく体重をかける事ができませんでした。
その後、ビレーの仕方を教わりますが、これがまた一段と緊張しました。しっかりビレーをしていないと、
命がかかっている、と思うと一層ロープを握る手に力が入りました。
休憩後は皆でフィックスロープの通過を岩場で練習し、2周まわり、
カラビナでのセルフビレーの取り方も慣れてきたかな?のところでいい時間になり、
本日の岩登りは終了いたしました。
この日の蓬莱峡は岩登りの方達でものすごくにぎわっており、
岩登りに興味やはまっている方がこんなにもいたのかと驚きました。
その中でも危険と背中合わせの岩登りを、泉州山岳会ではリーダーや先輩方から、
ご好意で基本から詳しく丁寧に教えて頂けるなんて本当にありがたい事だなと感じました。
また皆で岩登りに行ける日を楽しみにしたいと思います。
(YMZ記)
山行期間 | 2015年6月1日(日) |
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メンバー | SGY, KTYF, ITN, ABE, HND, KNS, SKD, UZU, DTE, NKO, ISK, KRA, ASI, SKM |
山行地域 | 百丈岩 |
山行スタイル | 岩登り |
5月31日、兵庫県神戸市北区の百丈岩で行われたBチームの岩登り講習に参加した。
天気は雨との予報であったが、前夜泊のテント設営中、若干の雨に降られた程度で収まり、
当日は、クライミング日和となった。
早朝、爽やかな空気に包まれる中、百丈岩のテラスに向かう。
野鳥のさえずりが耳に心地よい。しばらく歩いて、額に汗を感じ始めた頃、
百丈岩が一望できるスペースに到着した。
やや薄いグレー色の聳え立つ岩は、ところどころの新緑が美しいアクセントを添えている。
基底部からトップまでは、約60メートル、実に威容のある姿だ。
じっと目を凝らすと、中腹付近には、忙しくクライミングロープを操る人影が見える。
そのヘルメットの鮮やかな色が、まるで岩肌にしがみつく、何やら怪しい昆虫を連想させた。
「すごいなー。あんなとこ、よう登るよな。見てるだけで緊張するな。
何年かしたら、俺もあんなとこ登ってるんかな・・・」と、まったく他人事のように 、
そばにいたUZUさんに話しかけた。
その5時間後に、UZUさんと、そのピークに立つことになるのだから、人生、一寸先もわからない。
指導してくださったリーダーは、HNDさん。
確保技術、登攀要領、懸垂下降等、一連のクライミング方法について懇切丁寧に教えて頂いた。
泉州山岳会には、経験豊富なリーダーがたくさん在籍している。
ボランティアで熱心に後輩の育成に携わるリーダーの存在は非常に心強く、心から尊敬している。
ほかの山岳会のことはわからないが、今の時代、これほど面倒見の良い山岳会は他にないのではないか。
クライミング実技を開始。まずは、懸垂下降。岩肌に打ち込まれたピンの安全を確認し、
セルフビレイをとりながら、3つのピンに、カラビナとシュリンゲをかける。
HNDさんの指導の下、2本のロープを結束して、流動分散でセットしたシュリンゲに
安全環付カラビナをかけてロープを通す。そして、ロープを確保器に通してハーネスに固定、
マッシャーでバックアップをとって下降開始。ゆっくりと壁を降りていく。
懸垂下降は常に私の童心を刺激する。とても楽しい。
次に登攀。リードはHNDさん。私はセカンド。UZUさんはサード。
ロープをハーネスに結び、セルフビレイをセットする。お互いの安全を確認し、
HNDさんは、するするっと熟練の動きで岩を登っていく。続いて私。特に難しいところはない。
三点支持、三点支持と頭の中で唱えながら、少しずつ、ぎこちなく登っていく。
HNDさんが、トップでしっかりと確保してくれているので恐怖感はなく、ただただ楽しい。
続くUZUさんも満面の笑みで登ってくる。そして、3人が終了点にたどりついた。
「ぜんぜん大丈夫そうですね。ろうそく岩を登ってみましょうか」とHNDさん。
まだまだ登りたい私に異論はない。
一旦、懸垂下降で基底部まで降りて、やぶの中を進む。
そして、目の前の岩を見上げて驚いた。あの聳え立つ岩ではないか。
“ろうそく岩”がテラスから見えていた岩のことだとまったく認識していなかった。
基底部からは、ほぼ垂直に見える巨大な岩峰。さっきまでの楽観的な気分が一転、曇り始めた。
リードはHNDさん、セカンドは私、UZUさんはサード。初めてマルチピッチで登る。
装備の安全を確認し、HNDさんがするするとしなやかに登っていく。
ほぼ垂直なので、HNDさんの一挙一動がよく見える。ホールドの取り方、
体重移動の仕方、重心の置き方など、とても勉強になる。
中間テラスについたHNDさんの「どうぞー」の声が響いた。
覚悟を決め、登り始めたものの、さっきとは比較にならないほど登りにくい。
2メートルくらい登ったところで足を滑らせて、ロープに体重をかけてしまった。
“頭で考える前に、先に身体を動かしていた”と反省し、「慎重に、慎重に」と
自分に言い聞かせながら、少しずつ、少しずつ登っていく。
1ピッチ目の終了点に近づくと、HNDさんの「そこが核心部分ですよー」との声が聞こえた。
中間テラスの下の2~3mの辺り。登ろうとしても、私の未熟な技術ではホールドがとれない。
足元を見ると絶壁。HNDさんが万全に確保しているのは理解しているが、
動物的本能なのか、頭の中で“アラーム”が鳴りはじめる。
悪戦苦闘、思い切って右手をグッと伸ばすと、何とかホールドが見つかった。
次に、左足をぐっとあげるとまたホールドが見つかった。体の硬い私には辛いポーズであったが、
そのままグッと体を持ち上げると、やっとのことで、核心部をやり過ごすことができた。
そして、HNDさんのいる中間テラスのアンカーにたどりつき、セルフビレイをとって、
UZUさんを待つ。
なんばのグラビティに通っているUZUさんは、さすがに身の動きがスムーズだ。
先ほどの核心部も難なく登ってきた。
2ピッチ目。HNDさんが凹角の両サイドに片足ずつかけて、レインジャー隊員のように、
するするっと登っていく。そして「どうぞー」の声が響く。私もHNDさんの真似をしようと、
両壁に片足ずつかけて登ってみる。身体が硬くて、十分に開かない自分の足を情けなく思いながら、
どうにかこうにか凹角を抜けた。下方を見ると、正真正銘の断崖絶壁だ。
気合を入れて上方を凝視し、少しずつ、少しずつ、慎重に手足を前に進めていく。
これまでの人生で、こんな“崖の壁”に立ったことはない。
岩にへばりつきながら「まだまだ、知らない世界があるなあ」と思うと、
目前に広がる絶景が今まで以上に美しく、手に触れる岩の感触も一層刺激的に感じられた。
登山を始めたのは高校の山岳部に入った時。
初めての夏合宿で、ニッカボッカをはいて、北アルプスの白馬岳に登った。
頂上山荘からみた白馬三山の美しい姿は今でも鮮明に記憶している。
大学に入ってからも山岳部を考えたが、お金がかかるということで断念した。
社会に出てからも、万事、仕事が優先で、週末はじっくり休みたくて、山のことは忘れていった。
私が登山を再開したのは、2年前の春。7年ぶりに地元の大阪に戻ってきた時だった。
40歳後半になって、いろいろ先が見えてきた。
日々の生活に大きな変化はなく、漫然と時が流れていく現実に焦燥を感じ始めた。
同い年の友人も、同じことを言う。居酒屋で「なんか、面白いことないかなー」とため息交じりに言うことが多くなった。
この年代は、何か新しいことを見つけたくなるようだ。そんな時、私は登山を思い出した。
初めて見た「白馬三山」がまた見たい、特にその冬の姿を。学生の時には買えなかった装備も、
今なら何とかなる。もう一度チャレンジしてみようか。
2ピッチ目を登り切ってピークに立った。HNDさんがロープを忙しくたぐりながら、
穏やかな笑顔で「お疲れ様、ぜんぜん余裕でしょ」と一言。
「すみません、それほど余裕じゃなかったです」と私。続いてUZUさんも、笑顔でトップに到着。
達成感で気持ちが高揚する。克服した恐怖心は、充実感を倍増させるのだろうか。最高の気分だ。
ベテランのクライマーにとっては、百丈岩は易しい岩かもしれないが、
私には、高校時代に初めて経験した「白馬岳」級の感動があった。
この“ろうそく岩のピークに立つ”という素晴らしい経験を支えてくれた泉州山岳会の皆様には、本当に感謝している。
(ASI記)
山行期間 | 2015年5月17日 |
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メンバー | SGY, KTYF, KWI, ABE, KTYM, KNS, OSM, KDA, UZU, DTE, BAN, NKO, ISK, KRA, ASI, YSZ |
山行地域 | 槇尾の岩場 |
山行スタイル | 岩登り |
75期 Bチーム第一回クライミングは槇尾山の岩場です。
Mチームの方の応援もいただきリーダー陣も含め16人の参加となりました。
この日は五月晴れの気持ちのよい新緑の中での講習会で、
一般のハイキング客も多く来られていました。
今日の講習内容は、マルチピッチ形式のクライミングと懸垂下降の体験です。
まずは、駐車場で、ルームで習ったロープワークを復習し、クライミングシステムの説明を受け、
4人のグループに分かれ実際に体験します。
なぜそのようなシステムを作っていくのかの理由が分かるように、
1つ1つ丁寧に悪例も交えながら進んで行きます。
安全に対するポイントは、(特にセルフビレー)私たちがミスをしないようにと
幾度となく説明が有り、力のこもった言葉にみんながどんどん引き込まれ、
真剣に聞き入っています。
技術面だけではなく、山の危険性や事故防止を常に意識する心構えも教えていただいた気がします。
初心者の私でも、大変理解しやすい有意義で充実した講習でした。
午後からは30分ほど登った岩場に移動し実践です。
Mチームの皆さんに指導されながら岩に取り付くと、Bチームのメンバーは、
止まる事無くどんどんと登って行きます。懸垂下降もするりするり!
岩場で実際に懸垂下降を2回体験したところで、この日は時間が来てしまいました。
今回の内容はまだ基本の一部とのこと。
信頼できるリーダー、Mチームの皆様のもと、このような技術と知識を学ぶ機会は
大変にありがたく思います。
また、向上心があり、前向きな75期の皆さんとご一緒できて楽しい1日でした。
みなさま、これからもよろしくお願いいたします。
(YSZ記)
山行期間 | 2015年5月1日(夜)~5日 |
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メンバー | SGY, KTYF, ITN, ABE, YMS, SKM, DTE, KRA, ISK, UZU |
山行地域 | 祖母山 |
山行スタイル | 縦走 |
大分と宮崎の県境にある祖母山縦走。メンバーはリーダー陣4名を含め全員で10名。
当初は、車での700kmの大移動ということで、どうなることやらと思いましたが、
全員怪我なく九州の登山を楽しんできました。
5月1日(金)
20時30分、九州へ向け、いざ出発。初の連泊山行ということでワクワクドキドキの開始でした。
運転を順次交代して、日の出前に本州の端っこに到着。身体をのばすためにテントを張って、小就寝。
テントの外はガヤガヤと騒々しい。それもそのはずここは高速道路のサービスエリア。
関門海峡の横とあって結構な人で溢れかえっており、船の汽笛もブォーブォーなっている。
場所を選ばず設置が出来る移動式集合住宅と、皆の心臓の強さにびっくり。
5月2日(土)
昼前に九折に到着、いよいよスタート。グネグネと、名前の通りに右に行っては左へと、
きつめの坂がずっと続く。
何度も何度も、要所要所で地図を確認するが、来た道も行く道も地形図とは合致せず、
現在地点の把握ができない。やはりもっと読図に注力せねば感じました。
元谷山テン場までは、Bチームのメンバーが交代で先頭を務め、
予定地手前の水場での幕営。
テント設営後少々肌寒いが全員あつまって外での食事。水場はチョロチョロとかなり心細い水量で
集めるのに苦労したが、やはり広いところでワイワイ言いながら食べるととても美味しく、
食担の方々に感謝です。井谷さんの新タマネギもご馳走さまでした。
そんなこんなで翌日に備えて早々と片付け、カエルの鳴き声と5m以上離れたもう一張りの
テントより聞こえる地響きと共に皆就寝。
5月3日(日)
4時起床。早々と食事を済ませ、隣のテントより早く撤収と言わんばかりにバタバタ済ませて待機。
お隣さんは寝坊?の様で余裕の勝利。という訳で2日目のスタート。
しかしどうも天気が怪しく雨が降りそう。
低気圧が2つ九州に掛かって来ており昼頃からは雨の予想だったが、
昼まで持たず雨が降りだした。
登山道もかなりぬかるんでおり足元ビチャビチャドロドロで、ただひたすら脚を上げ前に出すだけ。
ここ数回連続の雨山行で慣れてはいたもののやはり気が滅入り、
綺麗なはずの景色が見られないのはかなり残念。
しばらくすると、岩場鎖場ハシゴと少し難関が続き、雨の中、慎重に慎重に・・・。
リーダー陣も少しピリピリした雰囲気になりながら、本日の核心部を無事通過すると、
ちょうど風の通り道になっている様子で、
かなりの強風荒れ狂う中祖母山に登頂。しかし真っ白。全く何も見えず。
仕方なく集合写真だけ撮ったのち9合目の小屋まで下り、本日のテント場に到着した。
昼過ぎのかなり早い時間の到着だったが、靴もズボンもドロドロでかなりナーバスな状態。
早速、テント隊と水汲み隊に分かれて作業に取り掛かる。鍋に水を貯めつつドロドロになった足元を洗う。
早くに到着したがする事もないため夕食に取り掛かり、満腹後はTHE嗜好品パーティー?
いろいろな装備についてアレがええとかコレがええとかマニアックな内容もありで楽しく過ごし、
明日の天気が回復することを願いながら就寝。
5月4日(月)
晴れ、天気回復。しかし、残念ながら、昨日の雨による皆の疲れ具合と
道の荒れ具合を考慮し、エスケープルートへ。
縦走断念ということで再度祖母山頂へ登ることに。コレが絶景!
昨日のガスガスがきれいに晴れて雲海。今日は一日中晴れ。
昨日までのウサを晴らすようにあちこちで絶景ポイントを楽しみながら、
ルートも岩場があってスリルがありました。
前半は雨に降られドロドロ、最後は尾平へのエスケープとなりましたが、楽しい山行になりました。
リーダーの皆様方、食担の方々、渉外の方々&メンバーの方々、ありがとうございました。
(UZU記)
山行期間 | 2015年4月18日(夜)~19日 |
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メンバー | ITN, SGY, KTYF, KWI, ABE, SKM, UZU, DTE, BAN, NKO, YMS, ISK, YMM |
山行地域 | 伯母子岳 |
山行スタイル | 担荷 |
75期Bチーム第4回は、日本二百名山のひとつに数えられ、紀伊山地西部・奥高野にある「伯母子岳」に、
リーダー含む13名での山行となりました。開創1200年にわく高野山に車3台で集合して大股へ。登山口に向かう集落入り口にテントを設営し、
すみやかに就寝。前夜泊も2回目で流れがわかり、メンバーも少しずつ慣れているように思います。
今回の朝食は、メンバーが持って来てくれたおいしい新たまねぎ入りのぞうすい。腹ごしらえ、撤収、各自準備体操を終え出発。
集落を通り抜け登山口を入ると、最初は少し急坂を登り、担荷に手ごろな石がたくさんある場所で、各自目標設定の重さになるように石を集めます。
メンバー全員、前回の重さより数キロアップを目標として、一生懸命に石をザックに入れている様子をみていると心地よく「頑張ろう!」という気持ちになりました。
重くなったザックを背負いなおして歩き出したところで、またもや雨!!下山までもってくれないか・・・と願っていたが、
早々に降り出し、今回も雨の山行となりました。1.3kmほど歩いたところで手入れのいきとどいたきれいな萱小屋があり、雨をしのぎながら小休憩。
その後は、前回に続き新人が交代で先頭を歩きます。道幅が広く、山道もわかりやすいので迷うことなく、山頂に向けてテンポよく進んでいきます。
三叉路の分岐から少々急坂を登りきり伯母子岳山頂に到着。
残念ながら雨のため360度の展望はお預けとなり、早々に下山開始。
ぬかるんだ急坂下りは、足元をしっかりみながら歩いていても滑ってドキッとしますが、尻もちをつくことなく伯母子峠の避難小屋へ。
途中強い雨の時もあったので、全員小屋に入り各自行動食をとるなどしっかり休憩をとりました。しばし重いザックを下ろし、談笑の声が響きます。
分岐まで戻って来ると行きと同じ道を戻ります。この頃には雨もやみ、道幅の広い歩きやすいなだらかな道なので、メンバーとの会話も軽やかになります。
山桜がきれいに咲いており、重い荷物を担いで歩いている時の癒しになります。そして、“リーダーから石を元にもどしましょう”の声で開放です。
石がなくなったザックを背負って歩きだすと、羽根がはえたようでフワフワと浮いた気分です。この瞬間の感覚がたまりません!
思っていたより短時間で終えた山行でしたが、担荷の重さを増やし各自目標もクリアでき、春合宿に向けたトレーニングになったと思います。
リーダーの皆様、今回もありがとうございました。
(BAN記)
山行期間 | 2015年4月4日(夜)~5日 |
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メンバー | SGY, KWI, KTYF, ABE, TMT, SKM, UZU, KRA, DTE, BAN, NKO, ASI |
山行地域 | 桟敷ヶ岳 |
山行スタイル | 担荷 |
75期Bチームの第3回山行は、京都北山の代表的な山とされる桟敷ヶ岳(標高896m)に、
リーダーも含めて、12人の参加となりました。
今回からは3月のハイキングとは違い、担荷(ぼっか)トレーニング。その名前の通り、荷物を担いで登るトレーニングです。
前夜泊で、桟敷ヶ岳の入山口となる岩屋橋まで車3台で行き、雨の中、テントを2張り張って、翌朝に備えました。
テント内の行動スペースは、自分が寝袋を敷いて寝る、銀マット1人分(50cm×180cm)のスペースになります。
この上で、着替えや装備の整理や仮眠を取ります。夜は簡単に酒盛りをして、翌朝に備えて就寝。
夜中には鹿が幾度か鳴いていて、山に来たことを感じさせてくれました。
早朝に目を覚まして、朝ご飯の準備。コッヘルとガスを準備してあたためて行きます。
メニューはうどんと、パン、コンソメスープなどでした。朝食を充分に摂り、身体があったまった後に、
個人装備を片付け、テントをたたみます。
出発前、各自、担荷トレーニング用の石ころを土嚢袋に詰めて行きます。
私は、ザックを担いで山を登る感覚を想定しつつ、ザック11.5kg+石11.5kgの23kgを担ぐことに決めました。
担荷トレーニングにはぴったりの雨の降る中、出発。山に入るまでは、アスファルトの上をずかずか歩いて行きます。
この間に、今回の山行に参加されているメンバーと色んなお話をしました。
山に分け入り、雨の中を歩きます。
ぱっと観て、どちらから登る? という問いが出て来る場所も有りました。
倒木の上はぬかるんで滑ることを経験しました。
3月のハイキングでの傾斜が急でしたので、登りの傾斜にはあまり苦を感じません。
どんどん歩きます。途中の休憩で、山ヒルがいることを教えて頂きました。
雨の中の山行は、適切な行動着に拠って、守られて行く事を理解しました。
雨のため、やはり踏み場は、晴れの時よりも滑ります。
春の訪れを感じさせてくれるのは道端にある草花達です。途中の休憩で行動食を取り、
ぐんぐん歩きます。
今回から、リーダーだけではなく、メンバーの中から順に、コンパスと地形図から読図にトライ。
読図を担うメンバーは先頭を歩きます。
勿論、トライが有れば、エラーも起きます。トレース(誰かがあるいた足跡)も頼りに、
地形図を確認しながら、歩いて行きます。
道がずれている事を感じたり、分岐が有る場合には、サブリーダーを軸に声をかけていただき、修正を図って行きます。
私も途中から読図にトライさせて頂きました。これが思ったよりもたのしい!
コンパスを使って地図を読めるようになると、自分の世界観がその道具に拠って広がって行く事を感じる事が出来て、
ぐんぐん進んでしまいます。
思ったよりも早めの桟敷ヶ岳の登頂。担荷の辛さもあまり口にせず、たのしく登って来れました。
行動食を摂り、くだりへ。くだりはぬかるみ、滑ります。着て来たレインウェアも、泥まみれです。
始めての担荷。始めての前夜泊。担いだ荷物は、下山後に肩から降ろすと、まるで蝶になったような身軽さで、爽快感でした。
この一年間、このチームでルーム、山行と繰り返して行く中で、改めて山登りの面白みを味わって行けたらと感じています。
また、今回から、渉外、食当、装備と役割を分けて、参加できる山行時には、
みんなで登山計画を立てていくトレーニングも開始しました。
今回、役割を担って頂いたみなさん、的確な準備、ありがとうございました。
次回以後、私も何か担えるように、心の準備を致します。
(NKO記)
山行期間 | 2015年3月22日(日) |
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メンバー | SGY, KTYF, KWI, ITN, TMT, YMS, SKM, UZU, KRA, DTE, BAN, NKO, ISK |
山行地域 | 三峰山 |
山行スタイル | ハイキング |
75期Bチームの第2回山行は、奈良県と三重県の県境に位置する三峰山です。リーダーも含めて13人のハイキングとなりました。
私は第1回(金剛山)が体調不良で不参加でしたので、Bチーム山行初参加です。
天候は晴れ。春風がとても心地よく、サブリーダーを先頭に和気藹々とスタート。
不動滝コースとの分岐で橋を渡り、登り尾コースから山頂を目指します。しばらく歩くと小鳥のさえずりが聞こえてきます。
やや早いペースに、だんだんメンバーの口数も少なくなり、ひと汗かくころ不動滝コースとの合流地点の避難小屋で小休止。
避難小屋からさらに登ると残雪がちらほら残っていました。しばらく登って、三畝峠を通りぬけて八丁平に到着。
私は霧氷のシーズンに三峰山・八丁平を訪れたことがありますが、広々とした草原の八丁平も見晴らしよく大変気持ちよかったです。
八丁平から10分程登って三峰山山頂に到着。全員で記念写真を撮って休憩。リーダーの読図教室もありました。
各自、身づくろいや行動食をとったりした後、三峰山からの北尾根を学能堂山めざし縦走スタート。ここから先の登山道は、やや不明瞭な箇所もありました。
急傾斜の下りを終えると、その後緩やかなアップダウンが続きます。北尾根の三つの峰を超えた後に、コスマ山への急傾斜の登りにやや悪戦苦闘。
コスマ山を超えて、コスマ峠で小休止。ここでリーダーの判断により、先に進まず、コスマ林道を下ることにしました。
林道を抜けて、民家沿いの車道をしばらく歩くと出発点の駐車場に戻ってきました。
体力面の課題もありましたが、無事楽しくハイキングを終えることができました。
みなさんの装備や行動食など参考になる点もありました。これから1年間のカリキュラムを通じて、成長できるように取り組んでいきたいと思います。
ありがとうございました。
(ISK記)
<行動記録>
みつえ青少年旅行村駐車場9:55→三畝峠11:15→八丁平11:25→三峰山11:35→コスマ峠13:45→みつえ青少年旅行村駐車場14:50