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薬師岳~水晶岳(雲の平) ~夏山第2弾~10月 13, 2015

山行期間 2015年8月12日(水)夜~16(日)
メンバー KTYF, SGY, ABE, ITN, DTE, KRA, SKM, UZU, BAN
山行地域 夏合宿・薬師岳~水晶岳
山行スタイル 縦走


8月12日
21時30分 大阪を出発、天気予報は残念ながら雨です。

8月13日
4時 有峰林道ゲート前に一番乗り。ゲートの開く6時まで、車で仮眠します。夜が明けて振り返ると、やっぱり後ろの車もせっかちな大阪ナンバーです。

7時5分 折立登山口出発。次第に強まる雨の中、太郎平小屋に到着、10時45分。
薬師峠に13時までに着かなければ、薬師岳登頂はお預け、とのCLの判断に、全員必死で薬師峠を目指します。
11時5分 無事、薬師峠に到着。このとき雨はすでに、本格的に降り出していました。大急ぎでテントを一張り設営、アタック装備に切り替えます。
11時30分 薬師岳ピークを目指して出発。登山道には雨が流れて、まるで川です。沢登りをしているよう。16時の天気予報に間に合うように下山しなければ。気持ちが焦ります。
薬師岳山荘手前のあたりで、頭がぼんやりして足がもつれてきました。しばらく息も上がりっぱなしです。山荘を通過、すみませんちょっと、歩けません。軽い高度障害が出てしまったようです。風雨も強く、標高は約2700メートル。稜線上で立ち止まっていては身体が冷えて危険なので、ツェルトをかぶってプチビバークしてもらうことに…。すみません。それでもツェルトの中は別世界のように暖かく、気を取り直して薬師峠を目指します。今度はオーバーペースにならないよう、落ち着いて。
13時35分 薬師岳登頂。風雨も強く、防寒着を来て写真を取ったら、早々に下山の準備です。15時、無事薬師峠の幕営地まで下山。濡れてしまった防寒着は、シュラフに入れて寝ながら乾かします。


8月14日
4時起床。雨は一晩中やまず、K5テントは浸水した様子。雨の中、重い気持ちと足取りで薬師峠を黒部五郎方面に向かって出発、5時15分。今日の目標は、13時黒部五郎小屋キャンプ場、16時の天気予報までに三俣蓮華キャンプ場。
7時20分北ノ俣岳、8時10分赤木岳通過。ほんのつかの間雨が上がって明るくなったと思うと、すぐにまた降り出して、視界はずっとゼロです。体調の思わしくないメンバーの前後で、パーティが二つに分かれがちになります。立ち止まると、風で非常に寒さを感じます。
10時50分 黒部五郎ピークとカールの分岐。稜線ではなく五郎カールを歩くというCLの判断で、アタック装備で黒部五郎岳までピストン。
11時15分黒部五郎登頂。何も見えません。ザックをデポした分岐まで戻って、カールを下ると、11時30分。今日中に三俣蓮華を越すのは、絶望的に思われます。

カールを歩いていると、時折霧が晴れて視界が開ける時があり、一瞬垣間見るだけでも、巨大な岩がごろごろ転がる五郎カールは、本当に素敵なところだと分かります。晴れていたらなあ、晴れた日にまた来よう、と何度もつぶやきながら、黒部五郎小屋を目指します。
14時5分 黒部五郎小屋キャンプ場到着。案の定、三俣蓮華は明日に持ち越しというCLの判断。キャンプ場では、高天原からの行程が予定より早く進んでいるMチームのメンバーと遭遇。「なんでいるの?」と言われながら、こんな山奥で出会えた嬉しさに、疲れも吹き飛びます。一緒に記念撮影。


8月15日
4時起床。ついに、待ちに待った晴天です。
5時20分出発、やっぱり朝の支度は1時間以上かかってしまうけど、昨日は姿の見えなかった黒部五郎を振り返りながら、三俣蓮華岳、順調に登頂。7時10分。
三俣山荘8時、冷たい水を汲みます。
鷲羽岳9時30分。順調です。太陽の下で北アルプスの雄大な光景に囲まれていると、こんなにも足取りが軽いのかと、昨日までの真っ白な世界が夢だったような思いです。南に槍穂高の稜線を眺めながら、昨日までの重い足取りは嘘だったかのようです。


10時30分ワリモ北岳。前方には水晶岳。だんだんと、「行けるんじゃないか…?」という思いがメンバーの中に湧いてきたところで、ほどなくワリモ北分岐。まだ10時50分。目の前に黒くそびえる水晶岳。このままスルーしていいのか?
満場一致で、水晶岳にアタック決定です。今回の合宿の中で一番険しいけど、一番美しい岩場を登る足取りは軽く、12時20分、水晶岳登頂。北には読売新道と裏銀座、南にはたどってきた縦走コース。北アルプス奥地の稜線パノラマは圧巻で、言葉もありません。二日間風雨の中をひたすら歩いたご褒美をもらった気分で、13時40分、再びワリモ北分岐。ザックを担ぎなおして今日の幕営予定地、雲ノ平を目指します。16時、雲ノ平到着。キャンプ場が見えてからの、木道の長かったこと。テントを張って、お茶を飲んでほっとします。


8月16日
2時起床。薬師沢をめざし夜明け前に下山開始。雲ノ平の風景は真っ暗で、何も見えません。いつか一日中ここでのんびりしてみたい。雲ノ平山荘から薬師沢は、暗くてじめじめ、苔がついてぬるぬると滑る岩の急な下りですが、みんなすいすいと下りていきます。
6時20分薬師沢小屋に到着。吊り橋をわたって、小屋の前で休憩。いつかここに沢登りや釣りに来たいな、とみんな思っていたことでしょう。ここから三回川を渡れば、太郎平までの登り返しが始まります。最後の登り、構えてしましますが、暑いだけでなんということなく、太郎山が見えてきます。初日に登ったのに、まったく姿の見えていなかった薬師岳の、今は全容が見えます。あんなに大きかったのか。
ここで唐突に駆け出した約2名は、ちょっと太郎山ピークまでピストンするようで、そういえばK君は、春合宿でも最後の最後に走っていましたね。冬合宿でも走るのでしょうか?他の者は、歩いて太郎平小屋に向かいます。
9時10分太郎平小屋着。今日も終日晴天、後ろには4日間歩いてきた縦走路が、360度見渡せます。この風景を全部歩いたんだ、と思うと、山岳会に入って初めて、自信が少しついたような気がします。ここから折立までは、ちょっと足に来てしまったメンバー先頭で、ゆっくり下山。13時30分、出発地点の折立に無事、帰ってきました。
大変な思いもしましたが、水晶岳からの展望は、全て帳消しにしてお釣りがくるものでした。皆の力で成功させた夏山縦走だったと思います。
(DTE記)

<行動記録>
8/13折立6:45→太郎平小屋10:45→薬師峠キャンプ場11:05~11:30→薬師岳山荘12:40→薬師岳13:35→薬師岳山荘14:55→薬師峠キャンプ場16:00
8/14薬師峠キャンプ場5:15→北ノ俣岳7:20→赤木岳8:10→分岐10:50→黒部五郎岳11:15→分岐11:30→黒部五郎キャンプ場14:05
8/15黒部五郎キャンプ場5:20→三俣蓮華岳7:10→三俣山荘8:00→鷲羽岳9:30→ワリモ岳10:30→ワリモ北分岐10:50→水晶岳12:20→ワリモ北分岐13:40→祖父岳15:00→雲ノ平16:00
8/16雲ノ平3:15→雲ノ平山荘3:40→薬師峠小屋6:20→太郎平小屋9:10→折立13:30