山行期間 | 2014年2月9日 |
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メンバー | NSN.HND.HSM.SDW |
山行地域 | 御在所 |
山行スタイル | アイスクライミング |
2月は暖かい日があったりして、アイスが不安定な感じでしたが、行ってきました! 御在所アイスです!!
土曜夜に離阪して、3時間ほどで御在所のふもとにある青滝駐車場に着き、テントを出して仮眠をしました。
HSMさんは現地到着でしたので、ここで合流! 日曜日は天気は回復傾向でしたが、冬型が強まるので、風が強い予報でした。
6時起床で、さっそく用意にとりかかります!
ロープウェイ駅を経由して裏道登山道で藤内小屋まで一気に行きます!
藤内小屋に着いた頃から、雪が降ってきました…
そんなに天気は悪くない予報でしたが…
三重の町は日差しがあるようで、暖かそうです!
これから向かう藤内沢の方を見ると、雲がかかり風が強そうでした…
引き返すのはもったいないので、このまま行きます!!
出合で、バイルを出したり、アイゼンを付けたりして登攀用意をします。
このころにはかなり冷えてきましたので、着込みます…
この日はかなりのPTが入ってましたので、ルートが混む予想でした。
約5PTぐらいは入ってたでしょうか…
われわれはトップロープで登る予定でしたので、トップロープを張れる氷瀑を探して登りました!
1ルンゼを越して、2ルンゼの下部を巻きます。
前尾根が厳しくみえます…2ルンゼでやっと登れそうな氷瀑を見つけたので、本日はここでトレーニングです!
このころには風が強くなり、ボーと立ってたら飛ばされそうなほど風が強かったです。
しっかりしたビレー支点があったので、支点を作りセルフを取りました。
時間もゆっくりできないので、さっそく登攀開始です!
HNDさんがリードで登ります!
さすがスムーズでした…
トップーロープを張り、SDW・NSNさん・HSMさんと連続で登ります。
私は2度挑戦できました!
一度目は上部のところでアイゼンが軽くしかかかってなかったのか、足元の氷が崩れ…あえなくテンション…残念><
ところどころ岩も出ていました…二度目の挑戦では、しっかりアイゼンとバイルの「バィ~~~~ン」という響きを聴きながら、テンションなしで上がれました。
もっと練習したかったですが、日帰り予定なので、一人1~2本登って終了にしました。
下山の藤内沢は夏より歩きやすく、快適な下山でした!
近畿地方のアイスはもうそろそろシーズン終了なので…残念です…
今年、あと一度ぐらいはアイスに行きたいですね~!
3月になったら八ヶ岳行けるかな?
日本のアイスシーズは短いですね…(残念)
山行期間 | 2014年1月11~13日 |
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メンバー | NSN、TRN、SKD、HND |
山行地域 | 八ヶ岳 |
山行スタイル | アルパインクライミング |
新年の最初の山行は八ヶ岳へ。
天気予報は、11日と13日が冬型。
厳しい登攀は12日の予定なので、タイミングは良い。
1/11 ジョウゴ沢
赤岳鉱泉からトレースはばっちり。
簡単な氷瀑が連なり、今シーズン初のアイスにはちょうど良かった。
本谷大滝に着くと、先行パーティーが。
我々もそろそろ時間切れ、ということで、大滝は登らずに同ルート下降する。
本日は行者小屋で幕営。
1/12 中山尾根(TRN、HND) 石尊稜(NSN、SKD)
本日は2パーティーに分かれて登攀。
天気は良い。
我々は中山尾根へ。
昨日、中山乗越からのトレースを確認していたので、気楽に構えていましたが、行ってみるとわずか10m位でトレースが無くなっていた。
ラッセルは予想外でしたが、誰もいない中山尾根をのんびり登ることができました。
個人的には、下部岩壁が残地支点が見当たらず、ワートホッグも半分しか刺さらず、絶対落ちられない状況で緊張した。
ラインを読み間違えたかな?
上部岩壁は、要所要所にハンガーボルトが打ってあって、快適だった。
風は強かったが、天気は良く、稜線に抜けると富士山がよく見えました。
石尊稜は写真無し。
1/13 南沢小滝
冬型が強まってきましたが、標高を下げて南沢小滝でアイスクライミング。
本当は大滝狙いでしたが、9人もの先客が入ったので、小滝でのトレーニングとしました。
ここではトップロープを張って、しっかり登り込むことができました。
八ヶ岳にはまだまだ登ってみたいルートがたくさんあります。
今シーズン、もう一度くらい訪れてみたいものです。
山行期間 | 2014年1月19日 |
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メンバー | KTYM、NSN、MSD、KNS、KKD、KTYF、HND、OSM、ARK、TGA、HOS |
山行地域 | 比良山系(堂満岳) |
山行スタイル | 遭難対策訓練 |
冬の遭難対策訓練で堂満岳1ルンゼを往復しながら雪上訓練に行ってきました。しかし18日(土)の夜、湖西道路に入ると雪で前が見えず運転に緊張を強いられる状況でした。イン谷口ではすでに10cmほど積もっていました。明日は雪が多くええ感じやなとこの時点では軽く考えていました。
6時いよいよ出発、20センチぐらいは積もっているでしょうか。あ!NSNさんが自作のポケットに入るワカンを着けているではないですか。
どうせすぐ壊れるんちゃうん…
1ルンゼに到着。ここまでも結構大変だった。ここからはひたすらラッセル。
交代するも全く進まない。
ラッセル順番待ち。進まない。
ここで1人進んで行く人が。NSNさんだ。ポケットに入るワカン大活躍。
途中で弱層テスト。叩き方の強さを3段階ぐらいに分けて、どれぐらいの強さで崩れるか、どの層が崩れるかを把握する。抱えてどこで崩れるかも確認しました。
表層から20センチぐらいでしょうか、そこで崩れました。崩れた所の雪質。
ここで雪崩のリスクを考えて、頂上は目指さず下山を開始しました。ビーコンを持っている人を間に入れて、適度に間隔をあけて行きました。
遭難対策訓練のはずが、ラッセル訓練となりましたが、良い練習にはなったと思います。
山行期間 | 2014年1月11日から12日 |
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メンバー | ARK、OSM |
山行地域 | 八ヶ岳 |
山行スタイル | ピークハント |
八ヶ岳の東側から登る人は少ないので、トレースがないことは覚悟していましたが、予想していたよりは厳しいラッセルとなりました。天気が良かったので2日間とも富士山がきれいに見えたのは良かったです。
1/11
美し森から見える富士山。
始めトレースがあったので誰か登っていると思っていたら、美し森を抜けるところで下山してくる人に出合いました。この人に話を聞くとここ10年程毎年この時期に真教寺尾根を登っているそうなのですが、こんなに雪が多いのは初めてで、賽ノ河原で引き返して来たと言っていました。2-3日前に相当雪が降ったみたいです。
確かに賽ノ河原までトレースがあり、ここからワカンを履いて行きました。だいたい30分で先頭を交替して、テン場に想定していた牛首山には午前中に着いたので、さらに上に登ることにしました。
2315m(GPS)でテントを設置。天気図を書くことを考えて30分だけトレースをつけに行きました。
たぶん天狗尾根。次はここに行きたいです。
天気図から明日は快晴と予測し、何とか明日中には下山しようと決めました。地形図からトレースをつけたすぐ上ぐらいから岩稜帯に出ると予想していたので、5時起き6時半出発として、岩稜帯には明るくなる頃に到着しようと話し合いました。
1/12
ちょっとダラダラしてしまい7時出発になりました。富士山がきれいに見えます。
ARK君ラッセル中。
いよいよ岩稜帯に着いたと判断をして、ワカンからアイゼンに履き替えました。もうラッセルは終わりだ。
しかし、この岩を越えるとまたずーとラッセル。
鎖場が出てきましたが、ロープで確保するほどではなかったです。下山の時は懸垂でないとまずいかなと考えていたのですが、鎖を持つことができたので懸垂はしなかったです。
いよいよ本当に岩稜帯。
夏道は左のルンゼをトラバースして稜線に出るみたいなのですが、我々は左から少し巻いて岩を登りました。ロープは使いませんでした。
登ってきているARK君。
赤岳山頂。たくさんの人です。
赤岳山頂はすごい風で、カメラを出すと、なななんと動かない。近くにいた人がアドレス教えてくれれば写真送ってあげるよと親切に言ってくれたのですが、遠慮して下山を開始しました。岩稜帯は確保支点をどうするか難しそうに思ったので、ルンゼのトラバースをすることにしました。そしたら3パーティがトラバースしていました。皆さんからトレース有難うと感謝され、めっちゃしんどかったですけどうれしかったですね。
テントを撤収して牛首山まで下山してきたときには、正直限界だった。もう一度テントを張ろうかとも考えましたが、何とか日が暮れるまでには駐車場に戻れそうなので、気合を入れ直して歩き始めました。
またもや富士山。
久しぶりにきつい山行でしたが、2人で最後までトレースをつけることができたことは、大きな自信となりました。しかし4人ぐらい欲しかったですね。
行動記録
1/11 7:40美し森駐車場→9:30賽ノ河原→11:40牛首山→13:15テント設置(2315m)
1/12 7:00出発→11:00赤岳山頂→12:50テン場→14:50牛首山→16:40美し森駐車場
山行期間 | 2014年1月4日から5日 |
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メンバー | HSM、ARK、OSM |
山行地域 | 八ヶ岳 |
山行スタイル | アルパインクライミングとアイスクライミング |
昨年末に予定していた計画を延期して、阿弥陀岳北稜に行ってきました。行者小屋をベースにするのでちょっと荷物が多かったですけど、OSMはアイスクライミング初体験でいい経験をすることができました。
1/4
この日はまず南沢大滝に行ってアイスクライミングをやってから行者小屋に移動する予定ですが、あまり早く行くと寒いのでゆっくり目の出発となり、10時ぐらいに南沢大滝に着きました。2パーティいましたが、我々が準備している間に、1パーティは帰っていきました。
HSMさんリード
トップロープでARK君、OSMと順次クライミングを開始。よう登らんかなと思っていましたが、以外と登ることができたので大満足。しかし腕はパンパン。隣でガイドさんが軽やかに登っているのを見ているとなんかコツがあるんやろうなと思いつつ終了し、行者小屋へ移動。
行者小屋に着いてから北稜の取り付きを確認しに行きました。文三郎尾根と中岳のコルへの分岐を中岳方面に登ってすぐに北稜に登っていくトレースがあったのでそれを確認して本日は終了。
1/5
6時に出発してヘッドランプを点けて登っていると前に黒い物体が動いていました。
「カモシカや!」
OSMは初めて見ました。写真を撮りましたが、アップできるようなものではなかったのでやめました。
もうちょっとで岩場です。
赤岳と富士山。
阿弥陀岳に登頂。
もう一度赤岳と富士山。
中岳のコルから行者小屋に戻って、赤岳鉱泉に行ってアイスキャンディーでアイスクライミングをしました。
腕はパンパンになりましたが、アイスクライミングは楽しかったです。HSMさんありがとうございました。
山行期間 | 2013年12月30日~2014年1月1日 |
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メンバー | 本田、寺西、有永、湯淺升夫、前本、脇本、松浦、 稲田 |
山行地域 | 北アルプス |
山行スタイル | 雪山登山 |
即日参加表明をし、すぐに自主トレを開始。
11月から開始した厳しい合同トレも終了し、いよいよ本番を迎えた。
やるべき事はすべてやった、という感じだったが…。
◆12月29日
午後5時に離阪、12時前に現地到着後某所で仮眠。
何時の山行なら、せいぜい1~2時間程度しか仮眠が取れないが、今回は十分睡眠時間があった。
◆12月30日
午前5時起床、起点の新穂高温泉に移動し6時半出発。
そして合宿1日目の宿泊地である槍平を目指す。
雪は膝上から多い所で腰下位積もっているが、はっきりしたトレースがあった(ありがとうございます!)ので、順調で進む事が出来た。
穂高平小屋を経て、滝谷避難小屋へ。少し通り過ぎた場所で藤木九三さんにご挨拶。
出発後6時間程で、槍平小屋に到着。
冬季小屋内は既に2パーティーが入っておられた。8人の寝るスペースがあり、雪崩の懸念も少なからずあったので、今日は小屋の中で泊まる事にした。
しかも小屋のすぐそばに沢が流れていたので、水作りが不要となり、その分のんびりと時間を過ごす事が出来た。
午後4時に取った天気図で「明日の天気はまずまず」、「明後日の午後から荒れる」、と読んだので、明日は当初予定の「標高2,300~2500m付近で幕営」を変更し、一気に槍の肩まで登る事にする。
今日の夕食は脇本さん考案の「マーボー扶」。これが中々の好評で、身体の芯から温まる事が出来た。
◆12月31日
午前4時起床、5時半行動開始。小屋の外に出ると結構雪が降っている。
昨日から30㎝位は更に積もっているか?
トレースは辛うじて残っているが、その上に積もったサラサラの新雪が行く手を阻む。
後ろから2名のパーティーが追い付いて来たが、あっさりと抜いて行かれた。
その後はその2名の後を追う様に、先頭を交代しなから暗闇の急坂を登っていくが、徐々に明るくなっていく。
同時に17kgの荷物が背中にのしかかる。
しかもこれだけの急勾配では滑落は致命的。
出発後、2時間程で何とか稜線に出る。その頃にはすっかり周囲は明るくなっていた。
稜線に出ても積雪量は多く、先行者のトレースはあるものの、2時間の激登りが響いた?のかパーティー全体のスピードが徐々に落ちて来る。
途中で幾つかのパーティーとすれ違い、話を聞くが、「雪が多くて…」「天気が悪いから…」と返ってくる返事はは同じものばかり。(結局「山頂まで行った」という話は一件も無かった)
天候も目まぐるしく変化する。サッと陽がさした、と思うと急に吹雪になったり…。
正午になった時点で、標高2,500m付近。目的地の槍の肩はまだまだ先だ。
このまま前進しても時間切れになると判断し、撤退を決意。
当然ながら凄く残念だが、今回は何故か、その事実を素直に受け止める事が出来た。
振り返ると、今歩いて来た中崎尾根が微かに見える…。
そうと決まれば、後は降りるだけ。
全員でのんびりと記念写真を撮りながら、しばし余韻にふける。
本当はあそこから降りるはずだったんだ、と向かいの尾根を…。
下山は飛騨沢までをショートカットして降りる事にした。
トレースがあったが、トレーニングも兼ねて、各自トレースを描きながら降りて行く…。
15時過ぎ槍平小屋に到着。
今日も小屋内は空いており、2013年最後の夜は小屋の中で年越し蕎麦を食べながら過ごした。
◆1月1日
午前4時起床。
2014年の新年は雑煮を食べて、少しばかりの正月気分を味わう。
5時半行動開始。
天候は悪化しており、雪も強く降っている。
途中何か所かトレースが消えていたが、10時半麓に到着、そして「新穂高登山指導センター」に下山報告をし、無念な冬合宿が終了した。
(稲田 記)
【行動記録】
・12/30 駐車場6:45~穂高平8:40/9:05~白出沢10:10/10:35~滝谷避難小屋12:00/12:20~槍平13:30
・12/31 槍平5:30~丸山分岐7:30/7:50~2500m付近12:00/12:15~槍平15:15
・ 1 / 1 槍平5:30~滝谷避難小屋6:35/7:00~白出沢8:00/8:35~穂高平9:15~駐車場10:30
山行期間 | 2013年11月23日~11月24日 |
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メンバー | HSM、ARK、OSM |
山行地域 | 北アルプス |
山行スタイル | ピークハント |
HSMチームで積雪期の岩稜歩きとラッセルの練習を目的に西穂高岳と焼岳に行ってきました。西穂高岳は時間切れで独標まででしたが、焼岳はピークを踏むことができました。
11/23 西穂高岳
西穂山荘に向かっているところ。快晴、無風でいうことなし。ただし暑くて汗が止まらなかったです。
山荘から見た焼岳方面。明日も晴れるといいけど。
先行で歩いている人がいて、トレースがありました。
独標と独標からの下降。下降にはロープを使用。
独票を越えた辺りで13時になったため、帰りのロープウェイを考えて引き返すことにしました。
雪の付き方が中途半端であったため、これ以降、山頂を目指す場合はロープを使用しないと危険な感じでした。他のパーティも独標であきらめていました。
11/24 焼岳
中尾温泉の駐車場から5時に出発。メジャーなルートではないと思っていたので、トレースはなくピークは踏めないと思っていました。10時になると引き返すことにしました。
笠ヶ岳。天気はGOOD。
中尾峠から見た山頂方面。写真は偽ピークです。中尾峠までは予想に反してトレースがありました。23日に誰か登ったみたいです。
ここからはトレースが消えていました。
このあたりからひたすらラッセル。ガスがかかってきました。
焼岳山頂。
焼岳は硫黄のガスがそこらじゅうから噴き出ているのが、ちょっと怖いですね。
行動記録
11/23 西穂高岳
9:10西穂高口→10:00西穂山荘→12:00独標→13:45西穂山荘→14:50西穂高口
11/24 焼岳
5:10中尾口駐車場→8:15中尾峠→9:55焼岳山頂→11:00中尾峠→13:00中尾口駐車場
山行期間 | 2013年10月12日夜発~14日 |
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メンバー | ITN TGA MYI |
山行地域 | 中央アルプス |
山行スタイル | 秋山縦走 |
中央アルプスと言えば。。。
■管ノ平→■しらび平行きのバスの始発は前回と同じく5時15分発と思い込んでいましたが。。。
ぎゅうぎゅう詰めのバス・ロープウェイを経て、ようやく千畳敷に到着。
極楽平から三ノ沢分岐へ向かいます。
三ノ沢分岐にて荷物デポ。
■山好きには悪い人がいないのか。
何にせよ山の中では盗まれないようなので、この技、これからおおいに活用しよう、と思いました。
荷物が軽くなり、軽快に三ノ沢岳へ向け、出発。
「陰が岩と同じ形にゴツゴツしている!!面白いね~」TGAさんの呟き
三ノ沢岳 到着。
何故なのでしょうか。
名残惜しくも三ノ沢分岐へ戻ります。
三ノ沢分岐から宝剣岳へ。
強風でスリリングな宝剣岳を突破し、中岳、そして駒ケ岳頂上山荘のテント場。
昨年Bチームで初めて挑戦した雪山。
360度に広がる山々。
ITNさんと「あの山は~、こういう山で~。」「あそこに行くには~日必要」など楽しい山話がつきません。
絶景をいつまでも眺めていたいのですが今日は16時前にはテントに戻らなければなりません。
今回はスケジュールに余裕があるので
■4:00起床 駒ケ岳へ向け出発し、4:30 駒ケ岳 到着
真っ暗闇です。
そしてここからが今回最大の試練。ご来光までの極寒の1時間半が始まります。
岩壁で何とか風を避け、ひたすらご来光を待ちます。寒い。。。
空を見上げるとプラネタリウム以上に満点の星が輝いていました。
人口ではなく、本物の満点の星、流れ星を味わえるなら極寒耐えは修行以上の価値があるというものです。
5:54分頃 ご来光。
大混雑の木曽乗越を過ぎ、伊那前岳へ。
なんという気持ちが良いルートなのでしょう。
今回は同じ山をいろいろな方向から見ることで、少しではありますがその表情の違いを体験でき
「どこに行くか」
初日の夕食前にTGAさんがご提案された理由があらためて話題にあがりました。
■興味がありながらまだ足を踏み入れていない
■昨年、Bチームで駒ケ岳に行った際に「美しい」と雪化粧の三ノ沢岳を見て騒ぐメンバーがたくさんいたから、
ということでした。
メンバーが三ノ沢岳に感動していた、というのは何故か全く記憶が無いのですが。。。
その流れから、たまたまお二人に打ち明けたこと
ここにいたのですね。
「登った直後に判明したということが余計に感動的だね」とお二人が笑いながらおっしゃっていた通り
そしてテントの外に出れば、またすぐに三ノ沢岳に会えること
なんと劇的であります。じわりじわり、と表現出来ない1年間の想いがこみ上げてきて止まりません。
そんなに想っていながら、言われるまで気付かない鈍感さが間抜けではありますが。。。
中央アルプスに行けば、三ノ沢岳を見る可能性は高く、何でもないこと、とも言えます。
TGAさん、ITNさん、前回ご一緒頂いたEMRさん
【行動記録】
山行期間 | 2013年10月13日~10月14日 |
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メンバー | ARK、OSM |
山行地域 | 南アルプス |
山行スタイル | 縦走 |
Bチームの時に甲斐駒ケ岳で見ていつか登ってみたいと思っていた鋸岳に行ってきました。ルートもはっきりしているし標布もあるのでルートファインディングに苦労するということはありません(しかし標布がない所が厄介です)。また、しっかりした鎖もあるので、メンバーによってはロープを使うことなく行けると思います。ただ、ガレ場が至る所にありそれが厄介です。私達は確認していませんが、この時期水場は枯れてほとんど出ていないそうです。
角兵衛沢の出会い
大岩。水は出ていなかった。落石注意のため、ここでヘルメットを装着。
角兵衛沢のガレ場。ほんとまいった。
稜線で見えた仙丈ケ岳と八ヶ岳。
鋸岳の第1高点
甲斐駒ケ岳への稜線。
小ギャップに下りて行く鎖。足を滑らせると振られます。腕力のない人は懸垂で下りたほうが無難かも。
登っていく鎖。写真は別パーティが下りてきています。このパーティのリーダーが鋸の経験者で、鎖をそのまま上がってしまうと結構厄介なので、写真に写っているように途中で左に行くといいとアドバイスをいただきました。このパーティはメンバーに不安があるので、登りはロープで確保していました。
第1高点
鹿の窓。ここは鎖によって落石が避けれないと思います。大声を出して下に人がいないことを確認して下りて行きました。腕力がいります。
第2高点に向かうルンゼのガレ場。ここは結構ルートを探しました。ルンゼの下から登ってきているパーティを発見。よくこんな危険なところに行っているなと驚きました。声を掛け合ってお互いにルートを確認。そのパーティは第2高点から標布に従って下りてきてしまったそうで、途中にトラバースするところがあるので、その方が安全とのアドバイスをいただきました。
第2高点からみた第1高点と甲斐駒ケ岳。
中ノ川乗越へ下りるガレ場。ここも結構厄介です。
中ノ川乗越。
甲斐駒ケ岳。中ノ川乗越から甲斐駒ケ岳は普通の縦走路です。
鋸岳と北岳、富士山。オベリスクも写っています。
冬合宿も鋸岳に行く予定なので、良い偵察にもなりました。雪が多いとラッセルが大変そうです。
行動記録
10/13 6:10戸台大橋の駐車場→8:00角兵衛沢出合→11:20稜線→11:45鋸岳第1高点→13:30第2高点→14:10中ノ川乗越
10/14 5:50出発→6:10鳥帽子岳の分岐→6:35六合目の小屋→8:10甲斐駒ケ岳→9:25駒津峰→11:00北沢峠
山行期間 | 2013年10月11日~13日 |
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メンバー | NSN・TRN・SKD |
山行地域 | 小豆島 |
山行スタイル | アルパインクライミング |
10月11日(金)離阪日
夜21時に大阪駅のモンベル前に集合!
時間通りに集合を終え、いざ姫路港に向けて出発!!
初めての小豆島クライミングで楽しみな車中はクライミング話で盛り上がりました!
本日は姫路港で仮眠をして、明日早朝の船で小豆島に渡る予定です!
順調に阪神高速を走っていると…前に落下物が…一つ目はよけましたが、二つ目を少し踏んでしまいました…このことが後で大変なことに…
姫路で高速を降りて、コンビニに寄り休憩をして…さて、姫路港に向けて出発??!!??
タイヤが!!!!パンクしているではありませんか!!!!!!!
応急用タイヤに交換して、近くのガソリンスタンドにピットインです!
タイヤを交換してもらうことになり、帰りに引き取ることになりました。
応急用タイヤで心配でしたが普通に走行はできるということなので、山行は続行しました。
姫路港に着き、港の中でシュラフにくるまり仮眠をしましたzzzz
10月12日(土)
朝6時ごろに起床して、さっそくチケットを購入し、いざ!小豆島へ…
天候に恵まれ、楽しみなクライミング日よりです!!
まずは親指岩に向かいます!
取り付きは一般道などもありますので、少しわかりにくいですが、ちゃんと踏み跡がついていました。
取り付きについて予定の「赤いクラック」ルートには先行パーティーがいて落石の危険があったので、違うルートを登ることに…
NSNさんのリードでチムニーを登っていきます。
チムニーを乗越したところから「早く上がってこい~!!」「めっちゃいい景色やぞ~!」の声が…
乗越しの所が少しいやらしいかったですが1Pは快適なクライミングでした。
ビレイ点からの風景です!下には漁港があり、青い海に青い空最高です!!!
ビレイ点はきちんとペツルが打ってあり安心です!SKDとTRNさんは満面の笑顔ですねww
SKDのリードです。人工のピッチでしたがリングボルトが適度に打ってあり、アブミの最上段に乗ることも少なく登ることができました。
その後のピッチも人工とフリーのルートで楽しく登ることができました!
親指の指先では、一人ずつ写真を…
無事に登りきれてよかったです!
下降は終了点からフィックスが張っていますのでわかりやすかったです。
下山後はキャンプ場へ…キャンプ場は温泉あり、きれいなトイレ設備あり、コインシャワー付きで快適です。
ふかふかの芝生の上でテント…なんて贅沢なんでしょうw
テント設営後は温泉に入り、うどんを食べに行くことに…
オリーブうどん…すこし微妙でしたがw
テントではプチ宴会で山の話に盛り上がりました。
10月13日 吉田の岩場(フリー)→帰宅
朝6時ごろに起床して、キャンプ場の裏にある吉田の岩場に向かいました。
キャンプ場からも歩いて行けるようでしたが、瀬戸の花嫁のルートを最初に上りたかったので、少し離れたところから取り付きました。
フリーのグレードは少し辛いかな?っと思いますが、支点整備などもしっかりしてあるので、安心して取り付けます。
かなりのルート数があるようでしたが、船の時間があるので後ろ髪をひかれながら帰りました。
もう一度ゆっくり時間を取って楽しみに行きたいですね~!
次は小豆島のインスボンに挑戦したいです!
山行期間 | 2013年9月20日夜~9月23日 |
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メンバー | 小門、本田 |
山行地域 | 黒部 |
山行スタイル | アルパインクライミング |
『黒部の巨人』丸山東壁に挑んだ。
今回の我々の目標は、緑ルートから丸山北峰を目指すこと。
無雪期にはあまりトレースされていないが、積雪期の継続登攀なども視野に入れ、一度トレースしておきたかった。
この計画に、「同ルート下降は好きじゃない」と、小門氏も同調してくれた。
あまり利巧とは言えないこの計画、はたして…
9月21日(土) 晴れ
昨夜、思わぬ渋滞と通行止めに阻まれ、扇沢に到着が4時半頃。
無料の駐車スペースはどこも満車状態。
探し回って、何とか駅近くの駐車スペースを見つけ出した。
扇沢駅へ向かう。
三連休で、好転も期待できるため、トロリーバスは始発からすし詰め状態。
迫力あるダムの放水。
内蔵助谷出合までは約1時間。
今回は、72期生寄贈の軽量テントを利用させてもらいました。
72期のみなさん、ありがとう。
出合から1ルンゼ押し出しまでは15分くらい。
ここから右へ、藪漕ぎで微かな踏み跡をたどると緑ルートの取付。
トポのイメージと違って、意外にすぐ右に入る感じ。
入口が分からず、1時間くらいウロウロしました。
10:40のスタートとなってしまいました。
今日は中央バンドまでと決める。
人工登攀は、慣れてくるまで支点を信用できず、1ピッチ目で時間がかかってしまった。
草付に埋まったハーケンなども有り、ある程度カンも必要かも…
最後左上してレッジまで。
2ピッチ目。
単調な人工登攀が続く。
慣れてきて、徐々に登攀ペースは上がってきた。
三日月ハング下のバンドまで。
三日月ハングを超える。
リングの抜けたボルトなども出てくるが、支点間隔は狭くて、ハングの割に易しいと感じた。
多くの記録通り、ハングを超えて約15m上に安定したビレイ点があった。
再び単調なA1。
ビレイ点は安定したレッジ。
右トラバースからいやらしい草付。
ちょっとお世話になりたくない、ぼろいハーケンが多い。
ちょっと時間がかかりすぎましたが、何とか初日の登攀を終えました。
屋根に支点あり、ツェルトを張る。
昨日ほとんど寝てないので、珍しく熟睡できました。
9月22日(日) 晴れ
今日は緑ルートを抜け、丸山北峰を超えてBCに戻る計画。
水が減った分、また昨夜よく寝られた分、心も体も軽くなりスタートする。
大ハング下に向かう。
大ハングはなかなかの迫力。
大ハングを超える。
大ハング上のビレイ点へは、50mロープでほぼいっぱい。
ハングは支点間隔が短く、思ったほど苦労しなかった。
先週の小太郎岩でのトレーニングが活きました。
小太郎岩のおじさん、ありがとう。
ここからはあまり登られていない。
噂通りすっきりしない、木登り混じりの登攀。
あまり登られていないので、残置支点もあまり信用できない。
最終、8ピッチ目(写真なし。)
木登り中心のピッチ。
極端に支点がぼろくなる。
登るべき木も、大部分が枯れていて恐ろしい。
このルートの核心であった。
終了点のあと、コンパスと他会の記録を頼りに、北峰を目指す。
我々の切り方で、4ピッチザイルを伸ばし、やっと登攀具をしまうことができた。
が、そこからの藪漕ぎ、ボロ壁が想像以上に我々の行く手を阻む。
藪は背丈以上で濃く、なかなか前に進むことができない。
踏み跡も全く分からない。
ペースが上がらないまま、丸山北峰の到着はすでに日没近く。
水が少ない中、この激しい藪漕ぎで暗い中の行動は危険と判断し、北峰でビバークすることとした。
9月23日(月) 晴れ
水はほとんどなかったが、連日の疲労で熟睡できた。
水場までは3時間くらいか?
一人一口分位の水を残して、下降開始。
こんなことをしているのが楽しいらしく、せがまれて撮影。
主峰とのコルから右の沢を下降。
藪が深く、ルートは判然としない。
なるべく歩いて降りられるルートを探したが、結局一回懸垂下降し、沢芯に降りた。
北峰から約2時間下降した、1825m付近から水が湧いていました。
ここで大休止。
思う存分水を飲む。
ここも激しい藪漕ぎ。
一般道に出るまで、全く視界がききません。
水場から約1時間で、一般道に出た。
二人ともドロドロ&藪で傷だらけ。
でも、充実感にあふれていた。
今回はあまり記録にないルートをたどり、かなり覚悟はしていたものの、予想以上に時間がかかってしまった。
地図上ではわずかな距離なのに、不確かなルート、激しい藪漕ぎなどで、これほど時間がかかるものかと驚きです。
いい勉強になりました。
最後に…、
このような面白くない計画に付き合ってくれたパートナーに大感謝です。
次は楽しい山行にしましょう!
<行動記録>
9/21 扇沢駅6:30―黒部ダム駅6:45/6:55―内蔵助谷出合(BC設営)7:45/8:45―緑ルート取付10:05/10:40―中央バンド18:10―ホテル丸山(BV)18:20
9/22 ホテル丸山6:15―6P目登攀開始6:40―緑ルート終了点13:00―丸山北峰(BV)18:00
9/23 丸山北峰6:10―水場(1825m)8:15/8:40―内蔵助平9:35―BC11:00/12:15―黒部ダム駅13:15―扇沢駅13:45
山行期間 | 2013年9月21日夜発~9月23日帰阪 |
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メンバー | TGA、EMR、MYI |
山行地域 | 中央アルプス |
山行スタイル | 縦走・ピークハント |
山行期間 | 2013年9月13日夜~14日 |
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メンバー | 小門、本田 |
本来、黒部丸山東壁の登攀を予定していましたが、一週間延期し、小太郎岩でのトレーニングとしました。
前夜から近所の喫茶店で仮眠をとらせてもらった上、今朝はコーヒーをごちそうになり、気合十分でいざ出発。
中央フェースに浮かぶ、ライオンの顔。
今日はこの顔をよじ登ります。
踏み跡は判然としない。
約10分の登りで下部フェースにたどり着く。
には、でっかいスズメバチの巣が(・_・;)
ぶんぶん飛んでます。
さわらぬ神に崇りなし、というわけで、ぐるっと右にトラバースしたこのラインに目星を付ける。
比較的登られているのか、一応残地支点はしっかりしていそう。
下部フェース(A1)
心なしか、全体的に支点は遠め。
腐ったリングには、ボルト部分にナッツをかけて。
リングのないボルトには、3㎜シュリンゲをタイオフして突破。
なかなか、本ちゃんチックで良い練習になります。
時々偵察に来るスズメバチにドキドキ。
10mくらいの易しいフェース。
んー、結構な張り出し。
かなりきつい(@_@;)
A2なのに、アブミの一番上に乗らないと届かない支点もあり。
おまけに途中のリングが一本崩壊しました。
落ちなくて良かった…
常に5~6匹のスズメバチに取り囲まれ、離れたすきを見て登ります。
だるまさんが転んだ状態。
恐怖のピッチでした。
目の錯覚じゃなければ、現役のスズメバチの巣です。
残置シュリンゲはぼろいので、泣く泣く自前のシュリンゲを捨てる。
気持ちいい空中懸垂。
とても素敵なご主人。
ずっと心配で壁を見てくれていたらしい。
下山後、そうめんを用意して待っていてくれた。
何から何までお世話になりっ放しの一日でした。
丸山東壁が成功したら、お礼に行こう。
〈行動記録〉9/14(土)くもり
駐車場7:35―下部フェース取付7:50~8:15―中央バンド9:45~10:00―ライオンの鼻手前10:30―2P目終了点12:30―(懸垂下降)―中央バンド13:20~13:45―喫茶店14:25
山行期間 | 2013年08月13日(夜)~08月18日 |
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メンバー | CL小門、SL本田、寺西 |
山行地域 | 剱岳剱尾根/チンネ左稜線 |
山行スタイル | アルパインクライミング |
○アプローチ
●初日は池ノ谷二俣までしか行けない為、08:00ゆっくり馬場島を出発。タカノスワリを高巻きし、雷岩にて渡渉。水量は少なく、深いところでも膝下程度。
【馬場島より高巻きへの砂利道】 【高巻き入口にて】
【高巻き道にて】 【雷岩の渡渉】
●白萩川左岸からは踏跡を頼りに小窓尾根乗越まで急登を登る。想定していた程、ブヨはいなかった。
【小窓尾根乗越までは急登が続く】 【小窓尾根乗越にて剱尾根が見える】
●池ノ谷(約1,500m)に降りると、HSMパーティーが既に到着していた。雪渓が多く、池ノ谷二俣周辺で幕営できないとのことである。最低限の装備を持って、二俣と翌日の取付R10の偵察に向かう。一時間程雪渓を詰めると、二俣に到着。確かに雪渓が多く、平坦な場所も水場も無い。翌日の行程を考えると、少しでも高度を上げてツェルトを設営したいが、致し方ない。事前情報ではR10の取付がややこしいとのことであったため、そのまま、池ノ谷左俣を詰める。
【池ノ谷を詰める】 【池ノ谷左俣を詰める】
●池ノ谷二俣から約一時間。所見でもこれぞR10(約2,180m)とわかる程、顕著なルンゼでかろうじてコルEが見えていた。翌日は早朝出発の為、急いで、池ノ谷(約1,500m)まで戻り、就寝とした。
【R10取付にて】 【池ノ谷まで下降】
○剱尾根下部
●02:00起き03:10出発。各自3Lの水を担ぎ、R10を目指す。R10取付で一抹の不安を覚え、0.5Lだけ雪渓の雪を追加することにした。
【R10を目指す】 【雪渓からR10へ移る】
●R10のルンゼはガレ場で落石に注意しながら登る。コルEは1,2人がかろうじて立てる程のスペースしかなく、幕営不可である。なお、右俣側に踏跡があったため下降したが、こちらのルートは間違いで、痩せた尾根をほぼ尾根通しに登る。踏跡を頼りにハイマツの藪漕ぎの急登が続くが、重いザックが苦しい。
【R10のルンゼにて】 【ハイマツの藪漕ぎ】
●コルDから20m程、3級程度のフェースが現れ、初めてザイルを出す。その後もハイマツの急登と数箇所の岩を突破し、コルCに到着。岩と岩に挟まれた小さなコルで2,3人が立てる程のスペースしかないが、右俣側に一段降りたところに一張り程度のスペースがあった。時刻は既に12:00。取付より6時間30分もかかっている。
【コルDより上部岩壁を望む】 【藪漕ぎが続く】
【『門』が近づいてきた】 【Ⅱ峰周辺にて】
●コルCでクライミングシューズに履き替え、第一の核心部、アブミトラバースの岩壁を本田氏リードで登攀。ガスが立ち込めたかと思うと急に雨が降り始め、嫌らしいクライミングとなった。
【コルCにて】 【アブミトラバース岩壁をリードする】
●その後120m程ハイマツ混じりの尾根を登るとテン場適地があり、剱尾根最大の核心部、『門』が姿を現す。時刻は既に14:30になろうかというところであった。
ここで大きな決断をすることにした。
・時刻から見て、このまま前進すると明るい内に北方稜線に立つことはできない。
・雨の後の濡れた壁を登攀することになる。
・昼の暑い時間帯に行動し、無駄に水を消費する恐れもある。
・コルBにテン場適地があるかもしれないが、コルCの状況からするとあまり快適なテン場であるとは考えられない。
・幸いにも水は各自2.5L残っている。
・本日の実績から考えると、最低でも1Lあれば、翌日の行動は可能で、朝夕の食事の水を考慮しても沈殿は可能。
・また、予想天気図から考えても、翌日の天候は安定しており、行動可能。
時刻的にはまだ、早いが不確定要素の多い前進より沈殿という選択をし、早々に就寝とした。
【R6のコル手前でB.V】
○剱尾根上部
●ツェルト内で明るくなるのを待ち、04:50テン場を出発した。『門』のルートは3通りあるが、真ん中の左上に伸びるクラックラインを選択し、小門リードで登攀。
【奇岩の『門』】 【クラックラインをリードする】
●最初の数mだけ、アブミを掛けて直上すると、後は3級程度の簡単なルートを左上する。終了点よりスラブとルンゼを抜けるとドームに到着。
【『門』終了点より】 【スラブ】
●ドームから下降するとコルBに到着。こちらもコルC同様、岩と岩に挟まれた1,2人がかろうじて立てる程のスペースしかない。一段下りたところが幕営可能であるが、上からの落石が気持ち悪い。
【ドーム手前にて小窓の王を望む】 【ドームにて剱尾根上半部を望む】
●コルBからは3級程度の岩壁であるので、ビブラムで登攀するが途中、ルートを見失い、フラットソールに履き替える。トラバースの後のチムニーは寺西氏リードで突破する。
【コルBより】 【チムニーをリードする】
【チムニーを越えて】 【剱尾根の頭手前の岩稜帯】
●ハイマツ混じりの岩稜をところどころビレーしながら行くと剱尾根の頭に到着。コルまでのトラバースも微妙に嫌らしくビレーしながら突破。
【剱尾根の頭】 【最後のトラバース】
●長次郎の頭に着くと念願の北方稜線が見え、雪渓の雪でキンキンに冷えた水を流し込む。あとは三ノ窓まで下降するだけだ。
【北方稜線にてⅥ峰フェースを望む】 【冷水を流し込む】
●池ノ谷乗越周辺でNSNパーティーに会う。今日中に長次郎のコルまで行くとのこと。池ノ谷ガリーはいつものごとく落石の巣窟で上からの落石と足場の崩壊に気を付けながら下降する。三ノ窓に到着し、各自、ツェルト設営や水の補給、翌日の偵察を行う。翌日の晴天を祈り、早々に就寝とした。
【NSNパーティー】 【池ノ谷ガリーを下る】
○チンネ左稜線
●アタック装備でまだ暗い内に出発し、左稜線取付まで雪渓をトラバースぎみに下降する。アイゼンのみでも可能であるが、取付周辺は少し傾斜があるため、ハンマーのみの小門はアンザイレンし、コンテで下降する。取付点は偵察で確認した雪渓がつながった箇所より壁に移る。
【雪渓を下降する】 【1ピッチ目取付にて】
●1ピッチ目の左側凹角ラインをノーザイルで登るとテラスに到着。ここでアンザイレンし、寺西氏リードで登攀。
【テラスより】 【2ピッチ目中間地点】
【2ピッチ目中間地点より三ノ窓を望む】 【3ピッチ目をリードする】
●原則、寺西氏でリードの予定であったが、後続より2party上がってきたため、ピナクル手前で本田氏に切替える。
【5ピッチ目リッジより上部を望む】 【6ピッチ目をリードする】
【空へと伸びる左稜線上部】 【すぐ左にはクレオパトラ・ニードルの優美】
●核心部のT5のⅤ級小ハングまで本田氏リードで突破し、最終4ピッチは小門と寺西氏でリード。空へと伸びる左稜線は最高であった。
【9ピッチ目核心部をリードする】 【11ピッチ目をリードする】 【高度感も抜群】
【最終ピッチをリードする】 【八ッ峰ⅤⅥのコルへのショートカットルート】
【チンネの頭にて記念撮影】 【チンネの頭にて『すじ雲』が美しい】
●下降はチンネの頭と三ノ窓の頭のコルまで徒歩でクライムダウンすると、池ノ谷ガリー側に懸垂の支点があった。懸垂は全2ピッチであるが、触れると落石しそうな1mはあろうかという岩が散らばっているガレ場を慎重に下降する。次の支点は落石が起きても、当たらない箇所にあったが、後続partyが待機しているので、気が気でない。また、ザイルダウンする時も、途中で回収不能にならぬ様、兎に角、祈った。後続partyは私がザイルを回収してから2分後に下降すると約束していたので、最速でザイルを回収し、すぐさま、安全地帯に逃げ込んだ。
【池ノ谷ガリー側へ懸垂】 【安全地帯まで急ぐ】
●この時点で12:40である。この時刻であれば、本峰経由で早月の小屋まで行ける。重たいガチャ類を池ノ谷ガリーの懸垂地点周辺にデポし、急いで、三ノ窓まで戻る。三ノ窓で装備を回収すると、また、池ノ谷ガリーの懸垂地点周辺まで引き返した。デポしたガチャ類を回収し、取りあえずの安全地帯、池ノ谷乗越に到着。雪をポリタンに詰め、本峰に向け北方稜線を南下した。
【懸垂したガレ場を望む】 【北方稜線を南下】
●16:15剱岳に到着。今回の合宿もなかなかハードであった。後は一般道をひた走り、19:15早月小屋に到着。
【剱岳本峰にて】 【一般道をひた走る】
○下山
●温泉の営業時間に合わせて、早月小屋を出発。北アルプス三大急登のひとつ早月尾根を下山。頭の中は「すし玉」の寿司だけだ。
【早月小屋を出発】 【北アルプス三大急登を下降】
●『試練と憧れ』の石碑前で記念撮影し、馬場島を後にした。
【試練と憧れ】
(小門 記)
08/13 | 南海三国ヶ丘駅集合 離阪(/21:00) |
08/14 | 馬場島(/08:00)→雷岩右岸(10:00/)→渡渉→雷岩左岸(/10:50)→小窓尾根乗越1,600m(12:20/12:30)→池ノ谷1,500m B.V(13:00/)→偵察(13:30/17:00) |
08/15 | 池ノ谷1,500m(/03:10)→池ノ谷二俣過ぎ1,880m(04:20/04:30)→R10取付(05:30/05:35)→コルE(06:30/07:00)→コルD(07:55/08:10)→Ⅱ峰手前(09:40/10:00)→コルC(12:00/12:30)→トラバース岩壁終了点(14:00/)→R6のコル手前2,585m B.V(14:30/) |
08/16 | R6のコル手前2,585m(/04:50)→『門』取付(05:00/05:30)→『門』終了点(06:30/)→2,650m(07:00/07:30)→ドーム(07:40/)→コルB(08:00/08:15)→チムニー終了点付近(10:45/11:10)→剱尾根の頭と長次郎の頭のコル(13:10/13:30)→三ノ窓B.V(15:15/)→偵察 |
08/17 | 三ノ窓(/04:30)→左稜線取付(04:45/05:00)→チンネの頭(10:30/11:20)→チンネの頭と三ノ窓の頭のコル(11:25/11:40)→懸垂→池ノ谷ガリー(12:40/12:50)→三ノ窓(13:15/13:30)→池ノ谷乗越(14:30/14:45)→剱岳(16:15/16:45)→早月小屋B.V(19:15/) |
08/18 | 早月小屋(/06:15)→馬場島(09:15/) |
山行期間 | 2013.8.10~8.12 |
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メンバー | KTM,NGS,NKZ |
山行地域 | 劔岳 |
山行スタイル | アルパインクライミング |