山行期間 | 2014年10月11日~13日 |
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メンバー | HND・SDW |
山行地域 | 唐沢岳 |
山行スタイル | アルパインクライミング |
10月の三連休を使って、行きたかった唐沢岳「幕岩」へ行くことに、この計画は、夏ぐらいから計画していたので、すごく楽しみでした。
しかし・・・!!!ちょうど台風が発生して、三連休のどこかに直撃ルートを通るという予報でした・・・
とりあえず出発日まで台風のルートと天気予報とにらめっこして、月曜日には天気が崩れる予定ですが、土曜日&日曜日は天気がよく登攀できそうなので、山行中止メールがたくさん届く中、予定通り出発しました。
七倉ダムの駐車場について、車中泊しました。
睡眠は2時間の予定でしたが、ゲートが開いていないようなので、もう一時間ゆっくりしてから出発することに・・・
二人とも所見の所なので、取り付きなどをきちんと覚えるように注意して行きます!!
一日目(土曜日)・・・
取り付きにアルミ梯子が・・・登ってみると間違っていました!!
沢に戻り、唐沢を順調につめていきました。
沢筋はぬめっている所も多く、転倒しないように慎重に歩いていきました。
アルミ梯子を登ります。増水していたら靴を脱がないといけないかも・・・
フィックスロープがあるのですが、落石で切れているロープや、切れかかっているロープがほとんどで、残置ロープに体重をかけるのは、すごく怖かったです・・・
金時の滝から唐沢に降りるクライムダウン!木を使って降りました。
この降りた場所をきちんと確認したつもりだったのですが・・・
金時の滝から30分ほどで、やっとはっきり幕岩が見えてきました。
このまま唐沢をつめていき、B沢の分岐あたりから、大町の宿に到着する予定でしたが、B沢をつめすぎてしまい、左方ルンゼの方まで行ってしまいました・・・
ちょうど畠山ルートを登攀予定でしたので、取り付きなどを確認して、大町の宿に向かいます。
大町の宿に行くにも少し迷ってしまい、予定時間よりオーバーして到着しました。
大町の宿は快適な岩小屋です。今回は大き目のテントを持っていたのですが、全然余裕で張れました!
この日に、大凹角を試登予定でしたが、時間がないので、大凹角ルートの取り付きの偵察に行きました。
大町の宿から20分ほどで右稜のコルに到着して、そこから左に少し登り気味のトラバースで大凹角の取り付きです。
取り付きには、ビレイ点がリングボルト3本ほどで構築されていました。
取り付きを確認して大町の宿に戻り、今後の予定を立てました。
台風で川が増水することも考えられますので、当初予定していた畠山ルートは中止にして、大凹角を登攀して、その日のうちに下山することにしました。
土曜日は明日の行動時間が長くなるので、早めに就寝しました。
二日目(日曜日)・・・
AM4:00に起床して、朝食を終わってもまだ夜明けまで少し時間があるようでしたので、少しゆっくりしてから
大凹角の取り付きに出発。
前日に下見をしているので、スムーズに取り付きに行くことができました。
登攀準備をしていると、明るくなってきて、ちょうど良い時間になりましたので、さっそく1P目
草付きを直登して、凹角をA1で登ります。
A1はそれほど傾斜がなく登りやすかったです。濡れていなければフリーでも行けそうですが、フリーは緊張しそうです。
それほど難しくないようですが、コケがついていてホールドがほとんどありません。
フットホールドも気持ち悪かったです。Ⅳ級くらいのフェイスにはほとんど支点がなく、NPを使えそうなクラックなどもありません。失敗することはできません・・・
簡単な登りです、上部に見えている上部城壁の大凹角に向かって登っていきます。
すこし左側に行き過ぎてしまい、右側にトラバースするのに草付きにアイアンクローしながらトラバースしました・・・
大凹角の取り付きは濡れていてすごく気持ち悪かったです・・・
たぶん乾くようなことはないかもしれないほどの凹角なので、常に濡れていると思います。
最終ピッチは垂直以上のフェイスをA1で直登し2歩ぐらいトラバースすると傾斜が落ちます。
終了点までは、細かい落石に気を付けて登れば終了です。
終了点からはすばらしい絶景が見えました。
登攀具をしまって懸垂下降のとりかかります。
右稜ルンゼを下降するとは以前の記録などからわかってはいたのですが、懸垂下降の始まりが分かりません。
懸垂1P目は恐怖の空中懸垂とありますが、空中懸垂ではなく、藪漕ぎ懸垂になってしまいました。
間違っているようですが、登り返す訳にはいけないので、右稜のコルを目指して藪漕ぎ懸垂を10Pほど繰り返し降りました。
予定より大幅に時間がかかってしまい、右稜のコルについたころにはヘッドランプ装着時間です。
すぐにデポを回収して下山します。
真っ暗の中フィックスロープの下降や、闇の渡渉などを繰り返し降りましたが、金時の滝への巻き道が分かりません。
かなり探しましたが、これ以上は危険ということで河原でBVすることに。
次の日には、雨予報ですので、雨が降ったらすぐに撤収して下山しないと増水して降りれないことが考えられます。
朝方に雨音で目が覚めました。
すぐに出発準備をして、少し明るくなるまで待って出発しました。
金時の滝の巻道は、思った以上に下流にあり、そこまでの滝を懸垂で降りたりして、無事に金時の滝のルンゼまで来れました。
古いフィックスは信用できなかったので、懸垂2Pでガレ場を下ります。
ここを過ぎれば核心部は終了です。
唐沢を忠実に降りていきました。
無事に唐沢出合まで来たらホッとしました。
七倉の駐車場まで、1時間ほど歩きます。
途中には親方が迎えてくれました。
今回二人ともが所見ということで、迷ったりして予定通りにはいきませんでしたが、ルートやアプローチはしっかり覚えることができました。
あまり慣れない道で、暗い中の下山は危険ですね・・・
二人とも大きな怪我なく下山できてよかったです。
温泉では、二人とも戦いの傷がありました・・・(笑)