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夏合宿 劒岳北方稜線~黒部水平歩道13/08/20

山行期間 2013年8月13日(晩)~17日
メンバー MSD、KNS、EMR、YSK、MTD、NNK、IND
山行地域 北アルプス 劒岳周辺
山行スタイル 岩稜縦走


Mチームの夏山合宿として長次郎谷~剣岳本峰、そして北方稜線の一部を縦走するルートを歩いて来ました。

長丁場のルートを歩き、達成感は多いにありましたが、課題も多い山行となりました。その中でも特に教訓になったのは、

①バリエーションのルート取りの難しさ ②思い込みはしてはいけない ②人とすれ違ったら必要な情報はきちんと得る

などてしょうか…。

 

8/14

扇沢駅6:30発のトロリーバスに乗り黒部ダムへ。

 

 

 

 

 

 

 

ダムの下部へ降りると大迫力の放水を見る事が出来た。

 

 

 

 

 

 

 

ここから今日の目的地である真砂沢キャンプ場を目指す。

 内蔵助谷から内蔵助平を経てハシゴ谷乗越へ。少し下ると遂に剣岳全貌が姿を現す。

 

 

 

 

 

 

 

風も心地よく時間も早いので、ここで大休憩。

 ここから一気に下り、剣沢へ。少し上流に登り真砂沢キャンプ場に到着。

     

すぐに幕営。流石に暑いのでテントの外で食事をし、山行初日が終了。

 

 

 

 

 

 

 

4/15

今日はいよいよ剣岳本峰にアタックし、北方稜線の一部を縦走する長丁場の行程となっている。

 3:30 暗闇の中、真砂沢キャンプ場を出発。

 

 

 

 

 

 

 

一時間程で長次郎谷出会に到着。ここから標高差約1,000mを登る事になる。

 谷に入ると少しずつ明るくなってきた。

 

 

 

 

 

 

 

雪渓の上は生暖かい風と、ひんやりした風が何故か交互に吹いている。

 そして陽が昇るとクラスト気味の雪が溶けだし、アイゼンが効きにくくなってきたので一歩一歩慎重に蹴り込みながら高度を稼ぐ。

  

  

 

 

 

 

 

 

 

熊の岩の下からは、左俣の雪渓の状態が悪いので右俣を選択。熊の岩を越えて左俣に入りコルを目指すが、ここからは勾配が一段と急になり、雪の締まりも悪いので滑落に注意しながら歩き、何とか長次郎のコルに到着。

       

 

ここで荷物をデポし、目の前の本峰を目指す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

去年の春に来た時は、ここの登りはこの様な雪壁になっておりアタックを断念したが…。

 

 

 

 

 

 

 

 (2012/4/29撮影)

 

今回は当然ながら岩盤が露出しておりコルから約30分で本峰に到着。

 

 

 

 

 

 

 

山頂には既に沢山の人がおり、我々も360度の大展望をしばし堪能。

  

 

しかしあまりのんびりもしておれずコルに戻り、荷物を回収し北方稜線に入る。

 

山頂直下から望む長次郎のコル。下にいる人と比べるとスケールの大きさが良くわかる。

 

 

 

 

 

 

 

コルに降りてからの長次郎の頭を超えるルートは、長次郎谷側からのトラバースを選択。

ここはロープを出して頂き、序盤から少し緊張…。

  

続いてのトラバースは残置ロープを使わせて頂く。

  

 チンネが見えて来た。何人かのクライマーがピークに見える。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ここから池ノ谷乗越までの下りは浮石も多く、三点支持で慎重にクライムダウン。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

更に、池ノ谷ガリーは文字通りガレガレで何度か落石をさせてしまい、ここも緊張する下りであった。

 そして三ノ窓に到着。既にB.VしているHSMパーティと会う事が出来た。

情報交換を行い我々もここでB.Vする事にする。

テントの中から外を見ると綺麗な夕日が…。

             

 

 

 

 

 

 

8/16

朝5:30出発。まずは小窓王南壁直下を巻くルートに取り付く。下から見上げるととても越えられそうになかったので躊躇するが、登ってみると案外楽に小窓尾根の稜線に出る。

 

 

 

 

 

 

 

ここから昨日降りて来た池ノ谷ガリーが良く見える、凄い所を降りたものだと感心する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

小窓尾根からは稜線上ではなく、踏み跡のあるトラバースルートで、ここも急な下りとなる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この辺りでトレースが不明瞭になり、少し道に迷う。

ルートを見つけた後は、一箇所雪渓のトラバースがあり、草原や這い松帯を過ぎ尾根を下ると小窓で、ここまでくればひと安心…。

 

 

 

 

 

 

 

ここでは反対方向から歩いて来たNSNパーティと遭遇。お互いの健闘をたたえながら別れる。

 

小窓からはアイゼンを装着し、緩やかな雪渓を下る。

 

 

少し下った所より旧鉱山道に入り尾根をトラバース。ここはかなりの高度感があり緊張した。

 

 

 

 

 

 

 

尾根の反対側に回り、少し下ると奇麗なお花畑の横を通り池の平小屋に到着。

 

こちらから見る八ツ峰も大迫力だ。

  

 

仙人池ヒュッテを経て、何度か雪渓をトラバースしながら仙人温泉小屋に到着。

小屋主の方より色々情報を得て今日はここで宿泊する事にする。ここは露天風呂があり、今迄の疲れをとる事が出来た。

 

 

 

 

 

 

 

 8/17

今日は今回の山行の最終日。黒部水平歩道を歩き、欅平駅まで行く工程となっている。

まずは2007年に開通した「雲切新道」を通るが、峠を過ぎてからの急な下りが足に堪える。

峠を越えると夜明けとなり、後立山連邦の綺麗なシルエットが姿を現す。

 

 

 

 

 

 

 

急坂の締めはこの様な連続梯子で、これを降りると仙人ダムに到着。

 

                                                                       

 

ここから先は何とこの様な建物内が登山道になっている。

 

 

 

 

 

 

 

トンネルに入るとレトロな雰囲気が盛り沢山で、少し不思議な感じさえした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

阿曽原温泉小屋を経て、楽しみにしていた水平歩道に入る。

高い場所では谷底から優に100m以上はあると思われ、流石に緊張するが、途中からは高さが麻痺(?)したのか高度感を楽しみながら歩いている自分が居た。

 

 

 最後は200m位下り、ゴール地点の欅平駅に到着し全行程が終了。

 

 

 

 

 

 

 

ここでメンバー全員と握手を交わし、4日間の健闘を分かち合う。

そしてこれまたレトロ感たっぷりのトロッコ電車に乗り、宇奈月温泉駅までの1時間20分、ハードな合宿の余韻を楽しんだ。

 

 

 

 

 

 

 

  (IND)

 

【行動記録】

8/14  黒部ダム7:00→内蔵助平11:30→ハシゴ谷乗越12:55→真砂沢キャンプ場15:30

8/15  真砂沢キャンプ場3:30→長次郎谷出会4:25→長次郎のコル8:00→剣岳本峰8:35 →三ノ窓15:30

8/16  三ノ窓5:30→小窓7:50→池の平小屋12:00→仙人池ヒュッテ13:30→仙人温泉小屋16:10

8/17  仙人温泉小屋3:30→仙人ダム6:25→阿曽原温泉小屋7:35→大太鼓10:55→欅平駅13:30