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春合宿―飯豊13/05/26

山行期間 2013年4月26日(夜)~29日
メンバー SGY, KUD, TGA, ITN
山行地域 飯豊連峰
山行スタイル 積雪縦走

新潟、福島、山形の3県にまたがる飯豊連峰。春の締まった堅雪にアイゼンを軽快に効かせて夏山並み(またはそれ以下)のコースタイムで主脈を駆け抜けることを目論んで取り組んだ山行だったのだが…。
4月26日 離阪 雨の北陸自動車道を疾駆するが。あらら、気が付けばガス欠寸前。次のSAまで持ちそうにないのでICを下りて深夜の田舎町でガソリンスタンドを探すもどこも閉店(当然か?)。結局、JAFを呼んで単価の高いガソリンを買う羽目になった。
4月27日 新潟駅着。駅前パーキングに車をデポしてJRで移動のはずが。ここでもアララ、乗車予定の磐越東線は信号故障で不通とのこと。仕方なく、車で予定のJR山都駅(福島県)まで向かった。どうも先行きがよろしくない。
山都駅からはタクシーで最終集落の川入まで移動。♪♪雨が降る降る飯豊の山~~♪♪ 「飯豊の雨」という山の歌があるのだが、その歌の文句の通り、雨のそぼ降る中を川入から出発。御沢キャンプ場まで林道を歩き、登山口からは雪に隠れた夏道を探しつつ登る。イワウチワの花が迎えてくれるが、相変わらずの雨。登るに従って、雨→ミゾレ→雪 となってくる。段々と天候も悪化し、我々の前後にいた数名の登山者は次々と下山していった。
地蔵山(1485m)の直下まで来たが、真冬並みの強風と濃いガスとなる。雨の中を登ってきたので、この状況では低体温症も危惧されるので、少し下って風の弱いところでテントを張ることにした。予定の三国岳小屋には届かなかった。
コースタイム:川入10:45―御沢キャンプ場11:45―地蔵山手前14:50
4月28日
風雪の強い一夜であったが、朝には風が収まってきたので出発する。地蔵山頂には直ぐに到着。相変わらずガスは濃いので、山頂に標布を立てておく。地図を見れば三国岳までは大した距離ではないのだが、先行パーティーはおらず、我々だけで膝ほどのラッセルを進める。ワカンを持って来れば良かった!と後悔しても後の祭り。そもそもこんなラッセルがあるハズのない山行ではなかったのか!!

後ろは地蔵山

尾根の南側へ伸びる雪庇に気を付けながら登っていき、ガイドブック等に「剣ヶ峰」と記されているところは見事なナイフリッジ。昨日の強風下でここの通過は難しかったかも。さらに第一の岩場に到着。でもここは鎖場になっており、難なく通過。第二の岩場には鎖はなかったが、慎重に登れば問題なし。ただ、ここを下るのチト厄介そうだ。
この岩場を過ぎればすぐに三国岳(1644m)とその直下の山小屋に到着。三国小屋では川入から昨日登ってきた2人組と遭遇。彼らはここから先には進まず、下山とのこと。岩場下りのためにしっかりアンザイレンしていた。
下山時はこの右を巻いた

三国小屋は避難小屋だが、東北の山によくある立派な小屋。しかも建て直したようで、広い!きれい!!無料!!!の3拍子がそろっている。

さてここから、どうするか?この先も我々だけのラッセルになりそうだが、雪は深い。当初の目論みは全く狂って、ここまでで夏山の2倍以上のコースタイムとなっている。この先の飯豊本山方面の稜線も険悪そうな雪庇のルート。
さらに、天気予報によれば、明後日の悪天は必至。主脈に突っ込んでから悪天になった場合に下山可能か?思案中のSGYリーダーをよそに、他のメンバーは小屋でくつろぎまくっている。
思案の結果、今日のところはこれにて行動終了。きれいな小屋の2階を独占して小屋の中にテントを張って濡れものを乾かした。明日の夕食を今日の昼食として料理するなどして時間をつぶす。それでも時間はたっぷりだ。
午後になって3人組が到着し、彼女達は小屋の1階を独占。それ以外にはだれも来なかった。盛夏時や紅葉時を除けば東北の山に人影は少ない。
午後からはお天気も回復してきた。
しかし、天気図によれば沿海州方面には低気圧が3つもあるので明日夕方頃にはこれらが東北地方にやって来そうだ。
地蔵山手前6:05―地蔵山6:20―剣ヶ峰8:45―三国岳避難小屋9:45

4月29日

好天ではあるが、荒天になるまえに早々に下山開始。
昨日の岩場を懸垂下降しようとしたが、持参した20mザイルでは長さが不足。岩場の左を巻いて下ったのだが、この斜面は雪の状態や通過時刻次第では当然雪崩るリス

クあり。凍っていれば滑落の危険もある。

あとはラッセルもなく穏やかな天気の元を下っていく。谷の奥からはツツドリ(カッコウの仲間で、春に南方から飛来する渡り鳥)の声も聞こえてすっかり春気分。一昨日の冬山はどこへ行ったのでしょうか??
「飯豊の雨」の最終番の歌詞は♪ヒドイもんだよ飯豊の雨、帰る日だけでも晴れてくれ♪ということであるから、マア、良かったのでしょうか??
川入集落では携帯は圏外。ITNさんがとある民家にお願いして電話を借りてタクシーを呼ぶ。タクシーが来るまでそのお宅のお茶と漬物を御馳走になった(ありがとうございます)。東北の人情にITNさんは感心しきり。
やって来たタクシーの運転手さんは色々と話をしてくれるのだが、これがバリバリの会津弁。KUDさんには○△▲×□●…としか聞こえなかったそうな。7割ほどは聞き取れるTGAがおつきあい。おいしい蕎麦屋を紹介してもらって昼食として帰阪した。
三国岳避難小屋6:15―地蔵山手前幕営地7:15―御沢キャンプ場10:40―川入11:40

結局のところ、2日間かけて主脈の一端に這い上がっただけで終わってしまった。地元の方々のお話では

例年にない積雪量の多さとのことであり、当初の目論みはそれほど外れていたわけではないのだろう。しかし、やっぱりマダマダというところでもあろうか?