山行期間 | 2025/7/24 |
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メンバー | ICS、ICH |
山行地域 | ヴァリス |
山行スタイル | マルチピッチクライミング |
【スイス登山】
ツェルマットからリッフェルホルン登攀へ
朝のツェルマットと天気の迷い
2024年7月24日(木)9:00、少し遅めの起床。窓の外はどんより。
天気予報は「降るかもしれないし、降らないかもしれない」…そんな微妙な表現。
悩んでいても仕方ないので、思い切って出かけることにしました。
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ゴルナーグラート鉄道 ― 絶景と高額運賃
今回の目的地は、ツェルマットから初めて乗るゴルナーグラート鉄道。
何がすごいって、景色と運賃です。
往復132CHF(約23,760円・当時1CHF=180円)! ハーフフェアカードを使っても11,880円。
でも、この値段で歩かずに絶景が手に入るのだから、高齢者や子どもにも人気です。日本で言えば上高地や室堂のような存在でしょう。
※2日前にはツェルマットから歩いて下見済み(往復7時間)。それを思えば「乗る価値アリ」です。
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ロッテンボーデン駅からリッフェルホルンへ
駅に着くとちょうど発車間際。切符購入に少し手間取りつつも間に合い、座席は満席。
30分ほどでロッテンボーデン駅に到着。駅前にはトイレと絶景。
目の前にはリッフェルホルン、周囲にはゴルナー氷河、その背後にはモンテローザやブライトホルン、そして遠くにマッターホルンが堂々と姿を見せています。
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アプローチとルート選択
登攀は南面から。裏側の直下はゴルナー氷河で、高度感も十分。
北側から左回りに裏へ回り込むと、ガイドパーティーが1組。準備を終えるとあっという間に取り付きへ消えていきました。
私たちも用意をして進むものの、ルート取りが悪く、確保なしでは危険と判断。ピナクルなどを利用しながら慎重に進みます。
予定より時間をかけた末、安定した道へ。ここでやっとルート探し再開。
候補は「Egg(4b)」または「Via Charly(4a)」。
現地グレード感が掴めないため、まずは**Via Charly(4a・7ピッチ)**を選択。
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登攀開始 ― 氷の洗礼
登り始めると、岩質はネット情報通りつるっつる。足をしっかり置いても油断できません。
1ピッチ目は小川山の「レモンルート」を思い出すような形状。
感覚が掴めたところでスピードアップし、5ピッチ目に差しかかった時…空からポツポツ。
「雨か?」と思いきや、白い粒が岩の隙間に溜まっています。
よく見ると氷! 次第に激しく降り出し、岩も服もびしょ濡れ。
それでも残り2ピッチを登り切ると、頂上には先ほどのガイドパーティーが。
ガイドの下山ルートに運良く合流し、1ピッチだけ懸垂下降して安全に下山。
リッフェルホルンを降りた頃には氷も止んでいました。
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下山
帰りは歩きで下山。途中、リッフェルベルグ駅でホットドッグとコーヒーで一息。
さらにマーモット、リス、羊、牛と次々に野生動物に遭遇。
後半は本降りの雨でびしょ濡れになりましたが、予定通り登攀を終えることができました。
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• 標高:リッフェルホルン 約2,900m
• 特徴:天候の急変が多い、岩質は滑らか
• アクセス:ツェルマット駅からゴルナーグラート鉄道で約30分
氷が降る中でのクライミングは初体験でしたが、絶景と達成感は格別。
天気に翻弄されながらも、リッフェルホルンの魅力を存分に味わえた一日でした。