山行期間 | 2024年12月13日夜~15日 |
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メンバー | SGY, NGS, DIA, ABE, SZK, YSZ, DIS, TKH, TKD, KBO, TNK, NKN, HJR |
山行地域 | 北アルプス |
山行スタイル | 積雪期登山 |
12月14日
8:30とおみ駅出発。ゴンドラからリフトに乗り継ぎ、9:00に地蔵の頭の下部に到着。地蔵の頭を迂回するルートはあるが、ワカンを装着し、ラッセル練習のため斜面を登った。
Bチームの私は、初めてのラッセルとワカン歩行で歩き方が分からず、斜面でもがいていた。どんどん先輩の姿が小さくなっていき、気持ちばかりが焦った。先輩が見兼ねて隣で指導してくださり、結局、先輩のトレースを使ってやっとの思いで登ることができた。基本ではあるが、雪山での斜面の登り方を練習しないといけないと思った。
地蔵の頭を目指し進んでいくが、雪は絶えず降っている。トレースがないため先頭を交代しながらラッセルし進んでいった。雪は、膝上程度の高さまで積もっていた。
10:00スキー場上部の樹林帯に到着。テントを張る。テントの大きさ程度の雪面ができるように、スコップで雪を堀る。テントの床部分が平坦になるように、雪面をスコップでならしたり、踏み固めたりして整地した。テントを組み立て、竹ペグをテントの細引きと結び、竹ペグを雪に埋め、雪を被せて踏み固めた。
その後、個装袋に不要な物を詰めてテントにデポし、アタック装備で大遠見山を目指す。コンパスを合わせて進む方角を確認した。雪は相変わらず降っており、進む毎に風も強くなり、ラッセルが続く。
13:10小遠見山到着。ここで、再度コンパスを合わせ、進む方向を確認した。最終前進時間を14時と決めて前進した。
14時になり、休憩後テント場に戻るために引き返すと、降り続く雪でトレースが消えていた。雪山での経験がほとんどない私は怖さを感じたが、先輩は全く動じず、これが経験なのかと感心した。
15:00テント場到着。ワカンを外し、トイレを作り、土嚢袋に雪を詰め、タワシで雪を落としテントに入った。集めた雪でお湯を沸かす。鍋に大量に入れた雪が少しの水にしかならないことに驚いた。先輩に準備してくれた鍋をおなかいっぱい食べながら、先輩方の雪山での経験を聞かせていただいた。ラッセルやワカン、雪上テント、水づくりなど、何をとっても初めてで、とても良い経験になった。
(NKN記)
12月15日
初めての雪中テントの朝。想像していたよりは暖かいが、やっぱり寒い。寝袋から這い出て、朝の準備を始める。昨日の鍋の残りにうどんを入れて食べると、体が内側から温まってきた。一生テントで過ごせるんじゃないかと思うほどの幸福感をテントに置き去りにして撤収を始めた。出た瞬間手足が冷えてくる。テントの温もりがもう懐かしい。けど体を動かすうちに少しずつ寒さに慣れていった。
テントの撤収を終えると、まずは弱層テストのやり方を教えてもらった。表層雪崩が起きる原因となる弱層の雪がどれだけ積もっているかを確認するテストで、雪の柱を作るように深く掘っていく。削り出した雪柱を指でつんつんしたり、両手で抱えて引いてみたり、スコップで叩いてみたりして弱層を探す。「雪見ちゃん」と呼ばれる雪観察セットをリーダーに見せてもらった。本当に色んな弱層テストが考案されているんだなぁと素直に驚いた。
お次はビーコン捜索の練習。事前に埋めてもらったビーコンを探しにいく。普段は受信モードになっているビーコンを送信モードに切り替えて、ビーコンが指し示す方向へ急いで向かう。近くまできたら、十字をきるようにビーコンを動かして発信源を見定める。ついあせって早く動かしてしまうのだが、ゆっくり動かさないと正確に発見できないと指摘を受けた。焦る気持ちを抑えようと、一呼吸置いて少しずつ進んでいく。
ここだっ!という場所まできてスコップで掘り出していくのだが、なかなか出てこない。ゾンデ棒で刺して確認してみるが、それがビーコンの入った袋なのか木なのか雪なのか判断できない。もう少し掘るべきか?もうちょっと右じゃないか?もしかしてずれてる?疑心暗鬼になりながら、発信源周囲を掘り出してようやく掘り当てた。
その後2、3回練習したが、ビーコン捜索の難しさを身に染みて感じることになった。慣れていないこともあり、掘り当てるまで時間がかかってしまうし、掘る場所が適切なのか不安になった。実際の救助場面でも素早く冷静に行動できるように、これからも練習していきたい。
ほぼ初めての雪山はとにかく寒かったが、想像以上に楽しいものだった。早く次の雪山に向かいたいなと思える充実した山行でした。引き続きBチームの山行も頑張ります。
(HJR記)