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マウントクック-NZ24/02/12

山行期間 2023/12/29-2024/1/8
メンバー NGS SZK DOIA DOIS TKH YSD SUM
山行地域 ニュージーランド
山行スタイル 海外山行


泉州80周年の企画として2020年にチーム結成。コロナで渡航制限で実施できず。2021年、2022年とチームを再編成しながら継続してきたが渡航制限は続いた。「2023年」とうとう渡航制限も緩和。
Team Mount Cook 2003さあ行くぞ!

12/29 晴れ
とうとうその日がやってきた
7時半関空集合 SZKさんが当日朝にギックリ腰に。コルセットを急遽購入。10時キャセイで関空出発。13時半香港着。トランジット時間が充分あるので香港島へ飲茶ツアー。21時香港発。

12/30 曇りのち雨
11時間半のフライト 13時半クライストチャーチ着 レンタカー会社へ全員で移動。7人乗りアルファードに人間と荷物を満載に。

 

市内で数日分の食料とガスを購入してクック村へ向けて出発。約4時間のドライブで22時半頃にUnwin Lodge到着。管理人のSimonさんが起きてくれており4名と3名の部屋を案内してくれた。明日は雨模様でヘリが飛ばないことも見込まれたので遅めの起床と決めて、シャワーを浴びて就寝。

12/31 雨のち曇り
見込み通り、昨夜から雨が降り続いている。遅めの起床であったが他の宿泊者も行動しないようで我々が一番にキッチン入場。

朝食後、SUMとDOI-S/Aさんと公園局に情報収集に向かった。公園局はマウントクック博物館も兼ねており続々と観光客が訪れていた。

 

ここでは毎日、5日先までの天気図を掲示してくれている。明日1日から3日までは好天予報だ。4日の予報は午後には下り坂。5日も芳しくない。帰国を考えると4日にはヘリで下山せざるを得ない。大まかな予定を決めて、マウントクックに登るためのベースキャンプとなるPlateau Hutを予約。今日はヘリは飛ばないが、一応今夜(12/31)から1/4まで予約した。運よくレスキューチームのGeorgeさんから最近のマウントクックの状況を教えてもらう機会にも恵まれた。
Unwin Lodgeに戻り作戦会議。1日は入山・トレーニング・少し偵察、2日はがっつり偵察、3日は本番アタック(アッタクはワンチャンス)と決まった。
その後、全員でクック村へ。マウントクックの情報を提供してもらったAlpine Guides社への挨拶と公園局を再訪した。

1/1  晴れ
6時半起床。
朝食は贅沢にスクランブルエッグとハム、トマト、トースト。
スーパーで卵1つ90円。って驚きませんか?何故こんなに高いのか調べてみました。
ニュージーランドでは鶏にストレスを与えない状況下で養鶏をするための法律が2022年に施行され、日本のようなケージでの養鶏が禁止となり、ケージフリーで産まれた卵のみ販売が許可されることになったそうです。
だからこんなに高いんです…卵。
動物にも優しい国。日本はまだまだですね。
8時にUnwin Lodgeを出発し、車で5分ほどのMount Cook空港へ。
今回お世話になったヘリコプター会社はSouthern Lakes Helicopters。(現地のアルパイン ガイズの国際山岳ガイドの中さんという方のオススメです)
2機×(4+3)人で往復NZ $4,278(1NZ $=92円)でした。
ナイスガイによる搭乗前後の注意点を聞き、予約時間通り(素晴らしい!!)の10時に搭乗開始。
人生初のヘリコプターに乗り込みヘッドホンを装着。テンション上げ上げでハリウッドスターを気取る。言うなればアンジェリーナジョリーだろうか。笑
飛行は15分程度。標高2200mにある山小屋Plateau Hutへひとっ飛びである。
眼下には不思議な水色(濁ったターコイズブルー)をしたタスマン川〜氷河湖が見え、茶色く土砂を被ったニュージーランド最大の氷河、タスマン氷河が続いている。聞いて驚く勿れ、この氷河は全長27km、最大幅4km、氷河の厚み600mというからびっくり仰天。

 
地球温暖化の影響で氷河がとけて減少しているそう。STOP温暖化!!です。
左手に(案外地味な)Mt. Cookが見え、あっという間に真っ白な雪に映える赤い建物Plateau Hutの横に着陸。
Plateau Hutは4部屋(定員30名)あり、私たちは入って左側の部屋を使わせてもらった。
荷物棚、ベッド(マットレスのみ)があり快適である。大きな窓からは外の美しい景色がよく見える。
建物の奥にはダイニングキッチン。お鍋、食器、カトラリー、ガスコンロ(プロパン)がある。シンク(流し台)もあるが流石に水道は通っておらず排水のみ。水は外に大きなタンクが2つあり、天水である。
電気もつく。多分太陽光かな。
トイレは小屋から15m離れたところに2つある。日本の山トイレのような臭いが一切無くてとても不思議だった。


身支度を整えて12時から雪上訓練。
昨夜降った新雪は20cmほど。
本番通り2パーティーに分かれて60mロープ/15m間隔でアンザイレンする。(①SUM→NGS→YSD→TKH/②DOIA→DOIS→SZK)
トレースをつけながらの歩行。
グランドプラトーでクレバスレスキュー(声出し、手順)を最終確認。
私たちのチーム②は3人ということもあり、早々に終了。もう少し先まで偵察ついでに歩き進めることにした。クレバスを避け、ジグザグに進んでいく。想像以上のクレバス、デブリの多さにびっくりした。トレーニング中にもゴォーっという雪崩、またはセラックが崩れる音、ガラガラという岩崩れの音がひっきりなしに響いていた。
4時間ほどトレーニングとプチ偵察を行い終了。

 
18時夕食。メニューは野菜とソーセージ入りラーメンとアルファ米で作った塩おにぎり。質素だけど美味しかった。

1/2 晴れ
2時半起床。
パン、ハム、トマトの簡単な朝食を済ませ4時から偵察。
なるべく先まで偵察しておきたいが明日(今日の23時発)のアタックに備え、睡眠をしっかりとるためにお昼頃Plateau Hut 着を目標とした。
4時ではまだ暗く、空を見上げると満天の星が降り注いでいた。
日本では決して見ることができない南十字星を探すも星が多すぎてわからなかった。
5時頃になると空も少し明るくなり始めヘッデンを消した。


クレバスに行き詰まっては戻るの繰り返し。なかなか思うようには前に進ませてもらえない。
陽が上がっていくにつれ気温も上がり、雪が腐ってきた。
往きは締まってアックスが効いたところも戻りでは緩み、ロープで確保してクライムダウンやトラバースをする場面もあり、全員が通過するのにかなりの時間を要した。
核心となった場面での支点構築はスノーバーよりもアイススクリューが有効だった。
Plateau Hutに戻ったのは13時半。
14時半に夕食。昨日、大鍋に作っておいた野菜スープにショートパスタを入れたものと塩おにぎり。
17時頃、SUMさんがHutから100mほど離れた電波が届く開けた場所からヘリ会社に電話。4日のピックアップを11時から9時に早めるよう依頼。
お腹いっぱいになって明日(今日)のアタックにワクワクしながら早々と就寝。

1/3 晴れ
いよいよアタックだ。1/2の21:30起床。まだ日が沈んでいなく明るい。これから、日が沈むのだ。不思議な感じ。23:00頂上に向けて出発。


暗い中、前日につけたトレースに従ってグランドプラトーを進んでいく。
トレースに添っているので少しペースアップしたいところではあったがゆっくり進む。
昨日、苦労した雪壁はアックスがきいて、難なく突破。
小屋で一緒だったナイスガイ2人組のヘッドランプの灯りが近づいてくるのが見えた。
間もなく追いつくかと思っていたが、いつの間にか撤退していました・・・
昨日の偵察終了点を過ぎてトレースが無くなるころには少し明るくなってきた。
これからはまたルートファインディングをしながらだが、クレバスだらけで進めるところを探すのが大変。

出来るだけまっすぐな最短ルートをと思い、雪壁を目指す。
しかし、岩と雪交じりの壁で登れても下りが無理だと判断して、岩壁を大きく巻くことに進路変更。
10mくらい先に登ってしまった私は下る為に確保してもらうことになり、大きく時間を食ってしまった。(すいません)
かすかに残っているブリッジを探しながら氷河帯を左右に大きくジグザグ。
進んだ先のブリッジが繋がっていない!ということが何度かあり、なかなか進みません!!

 
回り込んだ先でやっとリンダ氷河の上部全体の状態が見渡せた。
クレバスは大きく開き、ズタズタ。いたるところにデブリの跡・・・  
3日前に登頂した記録があるので、どこかに進路はあるのではないか。何度も見渡したがこの先は進めそうなところはなかった。この数日で氷河の状態が激変したようだ。
あー終わった。あっけない幕切れだった。
サミットロック、頂上ははっきり見える。だけど、遠かった。
なごり惜しく写真撮影。


帰りも、行きとまた状況がかわっており、慎重に下る。
近くのルンゼで、気温が上がってきたせいかアイスフォールが頻繁に起き、落石が飛んできた。恐ろしい・・・
今日も快晴で、半端なく紫外線がきつく、日焼けした肌に突き刺さった。
小屋に戻って、持ってきたワインと小屋に置き去りになっていたビールで残念会。
そして、本日は熟睡でした。

色々な意味でとても簡単には出来そうにないが、チャンスと気持ちが合えば再チャレンジしたい(かな)。

1/4 朝方晴れのち雨
5時起床。簡単な朝食を摂り、居室・キッチンを完璧に掃除。そしてイギリス人に頼まれたゴミも積んで9時にヘリで下山。再びお世話になるアンウィンロッジに荷物を置かせてもらった。その後1時間離れたTwizelのスーパーへ買い出しに。
12時頃にレストランで外食。食事後クック村まで戻りフッカーバレイトレイルを歩く。強風になり時折飛ばされてそうな風が吹く。大きな吊り橋を3回渡ると折り返し地点の氷河湖で記念撮影をして早々に戻った。見えるはずのマウントクックは厚い雲の中で、改めて早めに下山して良かったと思った。帰路に慰霊碑に立ち寄った。山で亡くなった人の名前が入ったプレートが30枚程張りつけてあった。若くして亡くなった方が多そうで心の中でお参りをして帰った。


その日の夕食は一番豪華な食事となった。アルコールも進み夜更かしした。

1/5
この日はアンウィンロッジから2時間程南下してワナカの街に向かった。街の先に進みロイズピークのトレッキングを楽しむ。トレッキングを楽しむ人も多くルート上からはワナカの街やワナカ湖が美しい。3時間程ハイキングをしてワナカの街に移動して昼食を摂った。
食事の後は自由時間で各自ウインドウショッピング。リゾート地を堪能。
アンウィンロッジに戻り今夜も夕食は豪華に。
翌日は早朝出発するので、お世話になった小屋主のサイモンにお別れの挨拶。

 

1/6
4時に起床。朝食を済ませクライストチャーチに向かう。クライストチャーチには昼前に着いて、カードボード大聖堂やニューリージェントストリート等を観光。夜は外食で済ましNZの最後の晩餐を楽しんだ。

1/7
ついに日本に帰る日だ。クライストチャーチのホテルに別れを告げて空港へ。帰りは国内線でクライストチャーチからオークランドまで移動。オークランドからは後ろ髪を引かれながらNZを出国。11時間のフライト後香港には21時頃到着。トランジットは短いので空港で休憩。日付が変わってから香港発

1/8
約4時間のフライトで関西空港に朝6時すぎに到着。お疲れさまでした 

ちなみに、費用は個人負担(個人払い分除く)約41万円(内航空券23万円)であった。

(記  12/29-31:SUM, 1/1-2:DOIA, 1/3:NGS, 1/4-8:SUM)