山行期間 | 2022/12/20 |
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メンバー | SOT TKD |
山行地域 | 中央アルプス |
山行スタイル | 積雪期アルパインクライミング |
冬季登攀の経験を積むため、宝剣岳のサギダル尾根を登ってきました。張り切って始発のロープウェイに乗り、千畳敷へ。
山行2日前に寒波がきていたため天気の悪い日が続き、気温も低下傾向でしたが、我々の入山日は運良く快晴。風は強いとの予報でしたが、登山開始時は無風でした。
9:50「なんという幸運!」と喜び勇んで神社の裏手からサギダル尾根を目指しますが、ここ数日で一気に積雪量が増えていたようで、思いっきりズボります。想定外の鬼ラッセルを強いられる事に。一番乗りを目指したのが裏目に出たのか、それなりの急斜面を延々ラッセルとなりました。少し別のルート(尾根筋)からサギダル尾根の取付に登ってくる他の登山者がおり、どうも取付に効率良く辿り着くにはそちらの方が良さそうなのですが、植生の上を歩いているようでもあり、よくわかりませんでした。そんなこんなで結局、別のルートから来た単独の方(フリーソロで登っていった)が一番乗りで、我々は待ち時間無しの2番乗りで取付に到着できました。
特に休憩もとらず、顕著なピナクルに支点構築して登攀開始。
1P目:TKDリード
すぐそばにワイヤーがFIXされている岩尾根を登ります。登りはじめは易しく、ピナクルや立木でランナーをとります。中盤あたりが核心。そこには残地ハーケンが3つありました。浅いクラックもあるのでキャメロット#0.5も使いました。使わなくても良いけど。フットホールドが気持ち悪くて緊張します。ちょっとしたボルダームーブで解決し、ロープ半分出たあたりで終了。横向きに張られたワイヤーでビレイ点を作りました。
2P目:SOTさんリード
一転して雪稜登攀になります。立木も多く、中間支点をとるのに困ることはありません。それらも使いながらスルスルと上がっていき、もう少しだけ上がればサギタルの頭という所でピッチを切ります。上がりすぎると平坦な場所となり、支点構築が難しくなります。
というわけで登攀終了。2P目終了点から少し上がるだけで安定して立てる平坦な場所になり、もうロープも必要ありません。
1P目を登り出した頃から風が出てきて、どんどん強まっていきました。登攀中はかなり寒かったです。サギダルの頭でロープを片付けましたが、常に強風が吹きつけてきて、寒すぎてとてもじゃないけど休憩などできませんでした。
さてあとは宝剣岳への縦走だ、と思ったのですが、時計を確認するとなんと13:30。取付で時間を確認しなかったけれど、どうも序盤のラッセルで思った以上に時間を使っていたらしく、登攀開始時点で12:00ぐらいになっていたようでした。
宝剣岳へ行く事を楽しみにしていたのですが、最終ロープウェイの時間が気になるため断念し、極楽平から降りてしまうことに決定。
あとはトレースを踏んで帰るだけと思っていたのに、うまくトレースを見つけられず、ちょっと変なところを適当に降りてしまった結果行き詰まり、1回懸垂下降しました。登りで極楽平方面に行く人がいたので、すぐにトレースを見つけられるだろうと思っていたのが甘かった。どうも極楽平よりももっと右、サギタル尾根寄りのところにトレースが付いているのが、下から見て確認できました。その後は無事にトレースに乗って、千畳敷ロープウェイ駅に帰着したのでした。