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夏合宿 滝谷ドーム中央稜22/08/17

山行期間 2022/8/12~15
メンバー ABE(CL)、ICH(SL)、YMZ
山行地域 北アルプス 北穂高岳滝谷
山行スタイル アルパインクライミング

6月頃に、フリークライミングへいつも行く3人で、お盆休みどこに行こうかと相談していた。その時、今回リーダーのABEさんより「滝谷へ行きませんか?」と話がでた。 涼しい場所でクライミングが出来たらと考えていたので、丁度良い提案だと思った。 ICHさんも「良いですよ」と快諾された様子だった。

今回は、「ドーム中央稜」と「クラック尾根」を目標にした。涸沢にベースを張って南稜を上がる作戦。予備案として、北穂東稜、奥穂高縦走とした。

その後、個人での歩荷や歩きのトレーニング、3人での登攀の練習、遭難対策訓練を行った。まだまだ未熟な私に先輩2人は親切、丁寧に指導して下さった。ありがとうございました。

12日21:30に三国ヶ丘駅集合予定であったが、直前まで行くか全員で悩んでいた。台風も発生し、天気が良くない予報だったからである。21時の予報で最終判断。一番慎重なICHさんが「行ってみますか」とグループラインに流れた。ABEさんも私も行くつもりで送ったと思ったが、「行ってみますか?どうしますか?」のつもりだったらしい。

13日、あかんだな駐車場で2時間程度仮眠してバスに乗って上高地へ。台風や天気もパッとしないせいか、車も少なくバスの乗車率も半分程度だった。

上高地に到着。ここから涸沢まで6時間歩く。横尾まで平坦な道を歩き、本谷橋から急登を上がっていく。途中、小雨が降り雨具を着るが、すぐに止んだので脱いだ。その後、涸沢ヒュッテまで雨が降ることはなかった。天気図では翌日も良くない様子。 ICHさんがトイレからの帰りに救助隊の予報を見てきてくれた。14日午前、晴れ/霧雨。午後は雨。15日も雨予報。ため息が出たが、とりあえず1時起床で、天気を見て判断することにして就寝。

1時起床するも、テントを雨が打ち付ける。夜も降ったり止んだりを繰り返していた。日の出前の4時に起床して最終判断をすることに。

3時にABEさんが、「起床して雨も止んで岩も乾いてきている。」と起こしてくれた。4時出発でとりあえず滝谷へ向かう。南稜を登っている途中、日の出も見ることができた。何とか岩が乾いているように、登攀中雨が降らないことを祈りながら、南稜を登って行く。

北穂と奥穂の分岐点に。北穂側へ行くとクラック尾根、奥穂側へ行くとドーム中央稜。今回は、午後から天候が悪くなる予報だったのでドーム中央稜へ行くことにする。縦走路を歩いているとドームが見えてきた。

ドームへの取付きまでは、奥穂への縦走路を歩いて、ドームを過ぎた最初のコルを右側へ降りて行く。草付きで、踏み跡も明瞭。途中岩や草が濡れていたので、滑らないように注意して下降していく。途中、慎重にクライムダウンする箇所が1か所あった。

 

 

 

 

 

その後、踏み跡を辿っていくと、綺麗なハンガーボルトの懸垂点があった。ここで登攀具を身につける。「50mロープ1本での懸垂で下まで届く」となっていたがギリギリであった。懸垂で降りた所から、ルンゼ状地形を踏み跡を辿ってトラバースするとドーム中央稜1Pの取付きに到着。ロープを結び、クライミングシューズに履き替える。

今回は、1~3PをYMZがリード、4~5PをABEさんがリード。そしてリードが空荷で登攀する。

1P(Ⅴ-)                                                     前半はどこからでも登っていけるイメージ。チムニー内、フェースともに濡れていた。フェースも結構濡れていたので、今回はチムニーを登ることにした。空荷の状態では問題なかったが、ABEさんのザックが大きかったので挟まって登れなかった。ザックのみを上げてから登る。少し時間が掛かってしまった。ICHさんは、私のアタックザックだったので担いだまま登ることができた。

2P(Ⅳ)                                                      左側のカンテを少し登るとバンドに出る。後続に女性二人組が来ていたのが見えたので、バンドで一旦ピッチを切る。そしてスラブを登る。ここも濡れていたので気持ち悪いが、足も手も良く見るとしっかりある。滑らないように慎重に登る。

3P(Ⅲ)                                                     ロープを伸ばして歩いたが、途中ランニングを掛けるとかなり屈曲して重く苦労して登った。コンテ行けると感じた。この辺りからガスがかなり上がってきて視界も悪くなる。この辺りから風も強く、寒さも感じてくる。

4P(Ⅳ)                                                     ここでABEさんにリードを交代。また、後続の女性二人に先頭を譲った。ザックから解放され、気持ち良さそうに登っていくABEさん。スイスイとロープが伸びていく。40mとなっているが、実際は30m程度だと思う。

5P(Ⅳ)                                                      ここが最終ピッチ。「ハングを右側から越える。」と言って登っていった。下の凹は快適に登っていった。ハングの所で悩んでいた様子だが、上手く登れたようで「ビレイ解除」のコールが聞こえた。私も最終ピッチ楽しんで登ろうと思い、「登ります!」とコールして登りだす。下部は濡れてはいるが、それなりに登れる程度だった。ハングの所で左側にランニングを取っていた。右側も濡れていて、気持ち悪く左側から抜けたらしい。ICHさんは予定通り右側から抜けたとのこと。私はヌンチャクを回収に左側から登る。ザックの重さで体が上がりにくい。ハンドジャムが効いていたので、何とか足掛かりを見つけて登ることができた。

みんなで笑顔で声を掛け合ったが、天候が悪くなることを考えて、写真を撮ることもなく急いでロープを片付けて靴を履き替え下山することに。展望も真っ白で何も見えなかった。

ドームの頭から縦走路に出るまで、今回のように視界が悪い時は注意が必要かもしれない。踏み跡は、アプローチほど明瞭ではない印象。視界が悪いと、方向感覚がなくなってしまうので注意が必要。縦走路に出た時は一安心だった。

南稜を降りていると、雨も降り出して雨具の下も着ることになる。翌日15日も雨予報だったので、横尾まで降りることにした。

そして、横尾に到着した時には、靴の中も浸水しており気持ち悪く、全身濡れた状態だった。テント内に入り、夕食を食べて、明日の予定を確認して就寝する。この日の行動時間は、13時間となった。

15日4時起床。6時横尾出発。出発時は雨も止んでいたが、途中から土砂降りに。最後まで雨に打たれて上高地到着。それまでは、そんなに疲れていなかったが、あかんだなに着いてバスから降りた瞬間、足腰の疲れを感じた。

今回は、ドーム中央稜のみの登攀となり残念な気持ちもあるが、機会があればクラック尾根も登攀したいと思う。ドーム中央稜の印象だが、滝谷の中では岩自体は安定しているのだと感じた。乾いた岩ではフリクションは効くが、今回のように濡れていることが多い場合は注意した方が良い。そして、手足のホールドのチェックは怠らず。大きな岩も動くこともあったので。

8/13(土)8:08上高地発~8:50明神館~9:55徳沢~11:00横尾~12:18本谷橋~14:00涸沢(幕営)

8/14(日)4:05~涸沢~6:10北穂高稜線分岐~7:55ドーム中央稜登攀開始~  11:40ドームの頭(登攀終了)~14:00涸沢(テント撤収)~16:50横尾(幕営)

8/15(月)5:35横尾~徳沢~明神館~8:13上高地