山行期間 | 2019年3月8日(夜)~3月10日 |
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メンバー | SGY・ABE・BAN・SOT・NGC・KSI |
山行地域 | 八ヶ岳 |
山行スタイル | 冬山縦走 |
トレーニング山行の一つとして今回は八ヶ岳縦走に行ってきた。積雪期における稜線、岩稜滞の縦走、アイスクライミングが今回の目的だ。
2月に入ってから暖かい日もあり、さほど雪もなく夏道がちらほら出ているのではとあまり期待せず行ったが、なかなかの積雪量におおっとなる。
2月末に雪が降ってから1週間で一日おきに降雪があったという。さすが八ヶ岳。
予報では9日の天気は晴れ、翌10日は午前中が曇り、午後から崩れていくというので最初の予定を変更して初日に縦走することになった。
美濃戸口~南沢~行者小屋まで快適なスノーハイク。3時間ほどで到着。今夜の幕営はツエルトなので、空いてるテント場を横目に樹林帯に膝ラッセルしながら入っていく。何人かの幕営者たちが怪しげに私達をじっと見ていた。
荷物をデポするため新雪を踏みしめアタック装備の準備に取り掛かる。
地蔵尾根の取り付きに着いたのが10:14.。この時間からスタートかとちょっと笑えたけど、気持ちにはっぱを掛けていざ進む。
樹林帯はもちろん、抜けてもトレースがしっかりあり、雪も程よく締まっていて歩きやすい。
地蔵の頭に向けて少しずつ斜度が上がる。風もなく、八ヶ岳ブルーに向かって歩いていく様は何とも最高に気持ちいい。鎖が何箇所か雪から出ていた。
1時間15分ほどで地蔵の頭に着く。ここから稜線を歩いていく。
風で雪は飛ばされ岩がもっと剥き出しているんだろうなと思っていた。リーダーに聞くと思いのほかの積雪量らしい。気持ちよく歩き進む。
特に難しい場所はなかったが、雪のある岩峰群通過ではトラバースが数箇所あり、通過の際ステップを崩さないよう気をつけて歩いた。崩したら滑り落ちること間違いなしだろう。雪はしっかりしていてアイゼンは効いていた。時には軟いステップもあり慎重に歩く。はしごもある。
斜上トラバースの先にはソロの人がトレースを作ってくれていた。私はその人のステップを使えると思っていたが、ステップの形が残っていなかった。崩れた雪の上から再度作っていく。登りきる手前、2箇所顔を出した程度の岩のガバを使って合間を縫うように抜けようと一歩踏み込むと、踏み抜きが足の根元まであった。雪が締まらず足場固めがうまく決まらない。どうやってここを登りきろうか。思案しているとABEさんが横から先にいってくれ、ロープを出すという。短い距離なので何とか乗り切れないかなとあたりを見渡すと予期せぬ横から人がヒョイと現れる。夏ルートがすぐそこにあった。ロープを出すこともなくちょっと恥ずかしい気持ちで先に進んだ。
さて、そろそろ横岳かと思ったら、鉾岳とわかり愕然となる。
地図ではこんだけしか進んでない。夏なら45分も掛からない道のりを2時間近く掛かっていることになる。
10分ほど歩いて三又峰で休憩、目前にある広い稜線のそのてっぺんが横岳だった。
14:05 横岳山頂。横岳山頂からの下りはいやらしいと現場で情報を得ていたが、積雪のせいかリッジを下る感じで慎重になりながら下る
。降りると東側の岩沿いに鎖があり、そこをさらにクライムダウンを交えて下っていく。通過後、目前には広大な硫黄岳が見えている。
縦走のゴールは見えたと安心したのもつかの間、実は、ここからが一番しんどかった。
風だ。硫黄岳までの緩やかな稜線全てが強風となっていた。風で現れた石をアイゼンで歩きながら強風に身体は踊らされ、なんとも体力を奪っていくのだ。近くに見えて一向に近づかない硫黄岳。バランスを保つためにちょっと立ち止まろうなどとしようものなら、SGYリーダーが『歩け!歩け!立ち止まるな』と追い立ててくる。私は映画の『八甲田山』か、牧羊犬に追い立てられる羊の気分だった。
硫黄岳山頂で一同握手を交わし、リーダーたちに御礼をいい互いを労い合った後、そそくさと赤岩の頭を下っていく。
16:50赤岳鉱泉。明るい時簡に下山出来てまずまずかな。
ここから行者小屋に戻ってツエルトを張らなくては。疲れた身体にツエルト泊の寒さを想像するとテント泊の人が何とも恨めしい。こういう時はそそくさと飲んで食べてさっさと就寝するに限ります。
7時。赤岳鉱泉に向けて出発。今日はアイスクライミングの練習。他のメンバーは例会等でアイス経験がありましたが、私は生まれて初めてのアイスクライミング。めっちゃ楽しみでした。
事前説明を受け、ペツルのリンクスをレンタル(¥500)して皆でシェアしようということに。シングルロープを2本張り、準備OK.。いざ登ってみると、手応え十分。道具がいいとこうも違うのかと実感。。気持ちいい。午前中だけなので1人2本ずつ登って時間となり、美濃戸口へと下山していった。
行動時間 (休含)
八ヶ岳山荘駐車場6:06-美濃戸山荘6:55-行者小屋9:17-地蔵尾根取り付き10:14-地蔵の頭11:32-鉾岳13:29-三叉峰13:39-横岳14:05-硫黄岳15:30-赤岳鉱泉16:50-行者小屋17:50
KSI記