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遭難対策訓練 in 八方尾根19/02/17

78期メンバーにとっては初めての冬の遭難対策訓練です。行先の候補が大山と八方の2か所出ていましたが積雪量を見込んで、今回は後立山連峰の八方尾根に決まりました。雪崩講習、雪洞、ビバーク体験というとても密度の濃い山行です。個人山行では中々勉強出来ない事を、泉州山岳会では学ばせて頂けます。

 

1/25(金)夜 天王寺組と三国ヶ丘組に分かれ離阪。

安曇野ICを降りて松川に向かうまでの路面は少し凍結している箇所も。

4時頃 道の駅 安曇野松川に到着後、車中泊にて仮眠。

 

1/26(土)

5時30分起床。車中で朝食を済ませ、八方尾根スキー場へ向け出発。

白馬に向かうにつれてどんどんと積雪量が増えて行きます。

 

7時頃 八方第2駐車場に到着。各々準備に取り掛かります。

ここで、Bのメンバーの一人が靴を忘れるというまさかのアクシデント。

いつも冷静なKSUさんもこの事態には少々動揺していたみたいです(笑)

他のメンバーから一通り愛のあるイジリを受けた後(笑)

急いでレンタルショップでスキー靴を借りゴンドラ乗り場へと向かいます。

 

8時半頃 八方尾根スキー場ゴンドラ乗り場へ。

ゴンドラとリフトを乗り継ぎ、9時頃八方池山荘へ。

 

ビーコンチェックを済ませ、Mチームの間にBチームが入る形で先頭を交代しながら八方池に向けて進みます。本格的な雪山登山の経験があまり無い私にとって殆ど初めてのラッセル体験。

深い所では膝当たりの雪の中、所々踏み抜いてしまったりと中々上手く歩けません。登山道が埋まっている状態でのルートの取り方も難しく、後ろを行く先輩に教えてもらいながら進みました。

 

 

 

 

 

 

八方池周辺に到着後、OBのARNGさん指導の下、簡易イグルーを作ります。

ザックを3つ程まとめて置き、ツェルトでザックの下部まで覆う様に包みます。

四方から雪を被せ、叩きながら厚くして行き、横穴を掘って下からザックとツェルトを引き出します。

イグルーの下部に潜り込みながら雪を掘り出す作業は中々難しく、ザックを下部から引き出すのも初心者のわたしにとっては大変な作業でした。完成後のイグルー内はとても快適でした。風も遮られ、外と比べてとても暖かかったです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

11時頃 天候の悪化を考慮して先に寝床を作ろうということで、各パーティーに分かれて雪洞作りに取り掛かります。ゾンテ棒で斜面の縦と横の深さを確認し、雪洞を作るのに十分な積雪量の場所を探します。

私たちのチームは先に一人が入口の幅で奥へと掘り進めそして、ある程度掘り進めた所で横へと拡張していく形を取りました。掘り始めは、狭い空間の中で雪洞を広げて行く必要があるので、柄の短いスコップの方が取り回しが良く感じました。ブロック状に雪を切り出す事はとても難しく初心者の私はとても効率の悪い掘り方になってしまいました。

 

13時45分頃 なんとか雪洞作りを終える事が出来ました。雪洞内に入りお湯を沸かして暖かい飲み物を飲み少し休憩。

 

 

 

 

 

 

14時30分頃からビーコン捜索訓練をしました。この頃には風も強まり、雪も降っている状態で徐々に天候が崩れている様子。リーダーに教えて頂きながらビーコンの操作方法を学びます。画面上に表示されている数字と矢印を頼りに慣れないながら埋められたビーコンを探します。埋没者のビーコンが発する電波は磁力線のように(埋没者を中心に8の字を描くように??)曲線的に発せられるようで埋没者まで楕円を描くような起動で誘導されるみたいです。これが中々難しい。訳も分からず、ただただビーコンに表示される矢印と数字を頼りに足を進めなんとか発見。またもや効率の悪い動き。経験が必要だと感じました。

天候も悪化している様でしたので、スノーバーを使用して支点の構築を簡単に教えて頂き、雪洞内に戻ります。

 

16時 Bチームメンバーは天気図を作成。この日の為に、何度か練習をしてきました。聞き取ることはだいぶ慣れてきましたが等圧線を結ぶ作業はまだまだ苦手です。「だいたいはOKやな」とのリーダーからのお言葉(笑)

 

17時頃 夕食はMTUさんのお手製ニョッキスープ!!乾燥したしめじ、ピーマン、にんにくで出汁をとり、トマトベースのスープに沢山のお豆とコンビーフ。ニョッキはモチモチでチリペッパーも効いてとても美味しい夕食をいただくことが出来ました!!美味しくて3杯くらい食べちゃいました(笑)

 

19時頃 お腹パンパンになり、就寝!SKTリーダーからはシュラフカバーだけで寝てみてください。との指示でしたが私は早々にギブアップ(笑)MTUリーダーにお願いしマットとシュラフの使用を許可して頂きました。すいません!!マットとシュラフカバーを使用すると快適で朝までぐっすりと眠ることが出来ました。

 

1/27(日)5時起床

目を覚ましてビックリ。天井が手の届く範囲まで下がって来ていました。中心は座ることも出来ないくらいの高さまで・・・。作成時点での高さが充分では無かったみたいです。壁に背中をひっつける形でなんとか雪洞内に3人座ります。外は吹雪の様子。雪洞内にも外からの風の音が聞こえます。MTUリーダーが入口の除雪のために一度外へ出て下さいます。天候は相当荒れている様で、出発はこの状態では出来ないだろうとの事。とりあえず、朝食の準備をしながら、出発の準備も少しずつ進めていました。

 

昨夜は一度もトイレに出ていなかったので私はトイレに行くことに。MTUリーダーからは危険だから遠くへは行かないようにとの指示。外に出ると体験したことの無い吹雪と風に一気に恐怖心が沸いて来ました。トイレを済ませ、ズボンを上げようとしても上手く上げることが出来ません。、速く戻らないと!!いう焦りで左手のオーバー手袋を外してしまいました。オーバー手袋が風に持っていかれそのまま紛失。そこでパニックになった私は雪洞入口の右側に手をかけてしまいそのまま雪洞内に落下!

 

雪洞は崩壊し、雪洞内部には容赦なく吹雪が。私は動揺してしまい少しの間動くことが出来ませんでした。その間にMTUリーダーとNKJさんが入口をツェルトで塞ぐよう努めて下さりますが、崩壊部分が大きく風も強かったのでそのままツェルトを被れというリーダーからの指示。

そして、ツェルトを被りながらとりあえずパッキングをしろという声が。崩壊した雪洞内で雪に埋もれたギアを掘りながらザックにパッキングしていきます。私は左手のオーバー手袋と厚手のウール手袋を無くし薄手のインナー手袋だけだったので、ザックから替えの手袋を出し左手にはめる事から始めました。なるべく左手は使わないようにし、ギアをかき集めザックの中に押し込んでいきます。徐々にあらゆるものが凍りはじめザックのバックルやベルトが凍結し、閉まらなかったり伸びなかったり。。崩壊してから何分ほど経過していたか分かりませんが、この時間はとても長く感じました。

 

なんとかパッキングをし終えた頃にUZUさんが様子を見に来てくださいました。パッキングし終えていた私からUZUさんチームの雪洞に。中に入るとDTEさんが優しく迎えて下さいました。MRJさんも優しくお声掛けしてくださり徐々に気持ちも落ち着いていきました。暖かい飲み物を頂き、UZUさんは自分の予備の手袋を差し出して下さります。自分のための予備の手袋を、私に。DTEさんMRJさんもコンロを出して手を温めて下さったりと、本当にありがとうございました。

 

暫くして、MTUリーダーとNKJさんも雪洞内に。私が崩壊させたにも関わらず、MTUリーダーとNKJさんは吹雪の中、身を挺して様々な事をして下さいました。その間の私はというと、恐怖のあまり何も出来る事無く、座り込んでしまいました。本当に情けないです。MTUリーダーと同期のNKJさんにはとても申し訳なく、そして感謝の気持ちでいっぱいです。

 

そして、わざわざ様子を見に来て下さり、何度も私たちの雪洞と自分の雪洞を往復して下さったUZUさん、自分たちの雪洞に迎え入れ、優しく対応して下さったDTEさんMRJさん本当にありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

8時頃出発の指示が出たので、それまで雪洞内で待機して下山準備。

下山の時点では吹雪もありましたが時折綺麗な景色を眺める事も出来ました。

その景色に感動する余裕は無かったですけど(笑)

 

 

 

 

 

 

八方池山荘あたりまで下りてくると風も落ち着き、下からは数名のスキーヤーが登って来ていました。

今回の山行では自分の不注意で迷惑を掛けてしまうことになり、本当に申し訳ございませんでした。

いかなる時でも冷静である事がいかに重要であるかということを学べた山行でした。

そして、オーバーミトンを付けた状態での作業がいかに難しいか。

これは自宅でも練習が可能なので、時間を見つけて訓練していこうと思います。

 

今回は、イグルー作製、雪洞、ビーコン操作、BV体験と本当にたくさんの事を教えて頂きました。

個人山行では中々勉強出来ないような事も、泉州山岳会では教えて頂くことが出来ます。

教えて頂いたことを、次に繋げて行けるように少しづつ経験を積み、努力していきたいと思います。

 

わざわざ参加して下さったOBのARNGさんありがとうございました。ARNGさんのお言葉は1つ1つとても参考になることばかりで効き洩らさないようにしっかりと耳に焼き付けました。リーダーの方々、諸先輩も本当にありがとうございました。

 

そして1年間共に頑張ってきた同期のメンバー。本当にありがとう。Bの活動もあと少し。

本当に78期のメンバーであれたことをうれしく思います。   HYS記