山行期間 | 2018年9月21日(夜)〜24日 |
---|---|
メンバー | SGY YSZ |
山行地域 | 北岳バットレス第四尾根 |
山行スタイル | アルパインクライミング |
春から北岳バットレス第四尾根を目指しHNDさんを中心としたリーダー陣とM1〜3年目でマルチピッチトレーニングを重ねてきた。
今年の夏は、台風の当たり年で、週末になると天候不順となり天気に悩ませれることになる。
8月後半に第1班、9月前半の三連休に第2班、後半の三連休に第3班の予定になる。第1班は、悪天候が重なり、本チャン、予備日共、山行中止となり、第2班は取り付きまで行くも雨のため登攀断念という結果となりました。
第1班のメンバーのほとんどが、仕事の関係で9月の週末に休みが取れず、今年のバットレス挑戦をあきらめなくてはならなくなる。
第3班、SGYリーダーに私ともう一名参加し3人パーティとなるが、その一名も仕事の都合で急遽参加できなくなり、結局SGYリーダーと私の2名パーティとなる。
先輩方の過去のブログやネットでの山行記録など情報収集する、下部岩壁までのアプローチや目印、第四尾根までのルート、バットレスの様子、行動時間等々調べ、YouTubeで第四尾根の映像を見てイメージする。そして自己脱出を復習し当日を迎えた。
過去の三連休は、人出が多くバットレスに取り付いても渋滞のため途中敗退になっているパーティが多く見られ、今回の三連休は久し振りの晴れ予報、激混みが予想される。そこで早め早めに行動する作戦にする。
1日目 小雨
藤井寺を8時集合
2時に芦安駐車場に到着、第一駐車場は満車。4時起床で乗合タクシーへ向かう、すでに列ができている、3台目に乗車成功。
予報では曇りのち晴れのはずが、朝から小雨、結局、終日雨模様。
白根御池小屋へ到着、テン場はガラガラ。幕営し嗜好品を飲んで一息つく、冷えた体に染み渡りほっとする。
偵察出発、二俣から沢沿いのザレた道をバットレス沢出合の目印となるボルダーを目指す、bガリー大滝基部への右岸側の踏み跡を迷いながら見つけ、草の根を掴みながら急登を登っていく、足場が悪い上に雨のため滑りやすく、ほぼ間違い無いと確信した時点で下見終了し、テント場へ引き返すことにする。丁度2人パーティが登ってくる、今日は上でビバーグし明日アタックするらしい。
テント場に戻ると、ぎっしりのテント、明日の準備をし、周りはまだ騒がしいが早々に就寝する。
2日目 晴天 無風
前日冷えた足先が冷たく、あまり眠れず朝を迎える。
SGYリーダー、起きてすぐテントから空を見上げ「星でてる、今日は晴れます」。やったー!
朝食と嗜好品をたらふく取り、トイレに向かう、幾つかのテントにも明かりがつき行動開始している様子。暗闇の中、すでに2つのヘッテンが歩いてるのが見える。急いでテント場を出発し速足でbガリーを目指す。昨日下見をしていたお陰で迷わずbガリー大滝前に一番に到着する。が、取り付きを一瞬悩んでいる間に高身長のザ.アルパインな2人パーティに先を越され2番目スタートと成る。しかしこれが結果的に良かった。お2人は山岳部の上級指導員で第四尾根は3、4度目の方達だった。お陰で下部岩壁2Pを登った後、踏み跡を辿りCガリーをトラバース、抜け道を先行パーティにくっついていき二俣に出る、左手に行くと迷うらしい、右手を登りスムーズに第四尾根取り付きに出た。到着した時には誰もいなかった。
第四尾根取り付きで小休止、富士山が綺麗に見え、先行Pと写真を撮りあう、そこへ後続の3人パーティも到着、しばしみんなで談笑。後続Pも山岳会の方たちで、リーダーの方は毎年登っていて、Dガリーからも登ったことがあるが、やはりbーガリーが早いと聞く。
今回は全てSGYリーダーのリードで登る、私にできる事はロープワークを早くし、テキパキと行動し渋滞を作らないこと。
いよいよ第四尾根1P目 第一核心部のクラック、緊張する。出だしをフットジャムとAOして登る。その後、夢中で登り全力のスピードでロープをさばくを繰り返す、周りの景色など見ず、ひたすらこれを繰り返す、2P目 草付きの階段状、3P目 白い岩、4P目と常に集中し、気が抜けません、夢中で登り、気づけば目の前が三角垂壁でした。
5P目 第二核心部の三角垂壁、SGYリーダーも登りにくそう、私は無理せずAOしてリッジへ抜ける。
懸垂下降したあたりで少し疲れてきていた頃、後続Pの方に「先行Pと3パーティでいいテンポで来てますよ、この調子で一緒に今日中に下山しましょう」と声をかけてもらい、元気になる、そしてまた全力のスピードで集中するを繰り返す。後続Pに時々「楽しんでいきましょう」など色々と声を掛けてもらい、アドバイスもしてもらう、ありがたかった。今回は前後のパーティの方達がいい人たちで安心感がありました。
7P目 左手のルンゼから枯れ木のテラスへ、枯れ木で支点を取りビレイをするが、枯れ木は挟まっているだけで全体重をかけれず足元も悪く不安定な姿勢でいやらしかった。この時初めてロープをさばき直すことになるが、ロープが枝に絡まり時間がかかってしまう、焦る。
トラバース、崩落した箇所を掴みながらトラバースする、手がかりもしっかり有り、足もあったが、かなりの高度感というのが皮膚で感じる、スパッと切り立った崩落側は不安になるので覗かなかった。いや覗けなかった。
最終P 城塞チムニー 第三核心部、SGYリーダー少し苦労する、簡易アブミで通過。ビレイ側から見ると足場があるように見えるが実際はハングになっているらしい、私は迷わずAOで突破。無事に終了点に到着する。SGYリーダーが会心の笑みで迎えてくれ、ハイタッチし喜び合う。。。終わった。ついに終わった。。。。少し登ったところで腰を下ろしゆっくり休憩する。綺麗に見える富士山を眺めながら達成感を味わう。幸せな時間だった。
一般道へ向け登り出すが、急に足が重い、ここで気を抜いてはいけない、無事下山するまでが登山だ、慎重にゆっくり登り山頂に到着。素晴らしい眺望に充実感はひとしおだった、記念撮影し、疲れた体をカクカクさせながら下山、おしゃべりしながらテント場へ向かった。
3日目 晴天
始発のバスに間に合うように下山する。バス停の手前から北岳バットレスがくっきりと綺麗に見え、また記念撮影をする。「お疲れ様でした」。
アルパインは、クライミング力だけでなく、スピード、アプローチまでの体力、登攀後の下山する体力など様々な総合力の登山と感じました。次回登る時は、リードが出来るようになっていたいと思う。
今回ご一緒してくれたSGYリーダーには感謝の気持ちでいっぱいです。そして、春からずっと一緒にトレーニングをしてくれたメンバーの皆様のお陰で完登することができました、ありがとうございました。来年、メンバーが天候に恵まれ登攀成功することを願っています。