山行期間 | 2018/8/12-16 |
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メンバー | WDZ(L), ABE, ASI, DTE |
山行地域 | ヨーロッパアルプス MontBlanc massif |
山行スタイル | 海外登山 氷河 |
8月10日 晴れ
金曜日の仕事を終えて関空に集合→めざすはモンブランの山頂です。
8月11日 晴れ
午後にジュネーブ空港に到着。15時半頃シャモニのスキーステーションに到着。
ここがわが会の定宿らしい。ブレヴァンのリフトのすぐ横で、とってもかわいいレトロなゲストハウスでした。
荷物を置いてすぐ観光協会とガイド協会に情報収集に出かけました。
猛暑によりグーテルートの「グランクロワール」のコンディションが非常に悪く、落石の危険が高まっているという事前情報があったため、ルート変更も視野に入れていました。
観光協会のベルナデッドさんにクロワールの情報を聞いて、クロワールがこの数日ほどの気温低下で通行できそうということ、早朝にクロワールを通過すべきということで、翌朝12日テートルース小屋まで上がり、一泊して13日早朝にグーテ小屋に上がる計画としました。その足でガイド協会へ行き、クロワールの状況を再度聞いて登山届けを提出し、共同装備の買出し。翌朝から山に入るので、レストランで夕食を食べて帰りました。
観光客向けのお店でしたが、ムール・フリットとチーズフォンデュを食べてフランスに来た!という感じがしました。
ムール貝の底なし鍋にバターを入れて、ポテトフライをひたして食べるのが大好きです。
何回もフランス語でdu beurre バターをお願いしましたが、3回目くらいでやっと通じてバターが出てきました。
8月12日 晴れ
シャモニバスでレズッシュまで行って、ベルビューのゴンドラに乗り、モンブラントラムに乗り換えて登山開始です。
テートルース小屋(3,270m)に到着。
ビオナセ氷河の大きさに驚愕。
この日はグーテ側の雪渓で訓練して、ゆっくり高度順応しました。
8月13日 晴れのち嵐
午後から天気が下り坂の予報。クロワールの状況を考えても、なるべく早く出発したいところ。
ヘッドランプで出発し、核心のトラバースにとりかかるころ夜が明けてきました。
フィックスのワイヤーが下のほうにずれて使えなかったので、こわごわフリーで渡る。ここが全ルート中一番こわかったです。
あとは剱岳の別山尾根のような感じの岩場の登りです。
今回はクロワールの状況を考えてテートルースに一泊したので楽ちん。
2~3時間でグーテ小屋(3,835m)に到着。
外は吹雪いてきました。朝からトランプをして夕食(18時半)までねばりました。寝てはいけない。
さて、翌14日はアタック候補日1日目。午前中まで吹雪くが、午後回復する可能性がある。
夕食後小屋のご主人に天候の最終確認。やっぱり良くない。でも2日しかないチャンスの一日なので行ってみようと思うというと、「もちろん良いと思う」と言ってくれました。カタコトのフランス語に親切に応じてくださいました。
8月14日 風雪
真っ暗な中をグーテドーム目指して出発。
ポワントベイユーの岩を左にみてセラックを右に越えて行くルートを取りたいが、広い氷河の中でクレバスに注意しながらルートを探すのはかなり難しい。
ABEさんとWDZさんで先導してもらい、セラックを左に避けるルートでドームのピーク左に達しました。
二人ともすごいです。ここから広大なグーテのコルに降りると、上にバロの避難小屋が見えるはずですが、視界が全く効きません。ここを今日のピークとし、引き返しました。
小屋に戻ると、単独で出発したフランス人の若者も引き返していました
この日の登頂者は全ルートで7名だったそうです。
翌日はいよいよ最終チャンス。天気予報は晴れ!!です。
翌日の晴天を狙ってどんどん人が小屋に上がってきて、イメージどおり大盛況のグーテ小屋に様変わりしました。
8月15日 晴れ
小屋の朝ごはんは2時、準備をして3時出発です。
作戦はゆっくりのぼって休憩しない。
バロの避難小屋で夜が明けました。
ボス稜を登って行きます。
ここからです。
快適な新雪の稜線
9時45分 全員無事に登頂できました。モンブラン(4,810m)
8月16日 晴れのち曇り
グーテ小屋の店主さんが親切で、3泊目も同じベッドを確保してくれて早朝下山の手筈。
ところが登頂時から体調不良だったメンバー一名が翌朝、高度障害が重くなったためグーテ小屋から病院へヘリ搬送されることになりました。
登攀中に救助要請することにならなかったのは幸いでしたが、
高度順応に対してはかなりシビアな自己管理が要求されるということを実感しました。
残りの三人も、早々に名残惜しいグーテを出発。
下りのクロワールはやはり少し落石が見えましたが、例のトラバースは通行者が増えたた通りやすくなっていて、走って通過しました。
帰りのトラムは満員でしたが、小屋で仲良くなったガイドのロロさんがガイド用の予約チケットを譲ってくれて、すぐ乗ることができました。
そしてスキーステーションまで車で送ってもらいました。
ガイドお願いしてないのに、みなさんに本当に親切にしていただき、有難かったです。
最後に、われわれにはものめずらしかった小屋食シリーズです。
前菜チーズ、スープ、メインにパスタかポテトかお米、でかいデザートが必ず出てきます。
これだけの栄養をつけて、ふかふかのベッドで3泊もしたらそりゃ登頂できるだろという感じです。
でも、4800mとはいえ高度は絶対に侮れません。
山岳会に入るとき入会シートの目標に書いたモンブランでした。
一緒にトレーニングを行ってくれたメンバー、クレバスレスキューやルートの指導をしていただいた先輩、会の皆さまのおかげです。
御殿場ルートでの20kgの歩荷は、今までいちばんめげてしまいました。
トレーニングでは十分な負荷を、本番では細心の管理を。
DTE記