山行期間 | 2017/8/11-14 |
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メンバー | WDZ, ABE, DTE |
山行地域 | 槍ヶ岳 |
山行スタイル | アルパインクライミング |
今夏は秋の計画に向け同じトレーニングに参加している3名で夏合宿を組みました。
内容は合宿には少しミーハー?天上沢を下り北鎌尾根と、小槍〜大槍の組み合わせ。
本来なら湯股から渡渉して尾根に取り付くのがクラシックルートだが、渡渉のトレーニングができなかったので今回は槍沢から水俣乗越まで登り、天上沢を下って北鎌沢に入ることにした。
これが一番人気ルートのようで、午後2時半頃天上沢と間ノ沢出合いに着いた時点では先行1パーティが見えるだけだったが、その後夕方にかけて続々と後続がやってこられ、結局10パーティくらい北鎌尾根に入っていた様子。
われわれは北鎌沢の取り付きから15分ほど上流に泊まったが、取り付き付近に偵察に行くとまるでテント場のように賑わっていた。
8月12日 晴れたり曇ったり時々雨
日本海の弱い低気圧の影響で、あまり好天は見込めないが、降水量は少ない見込み。
4時半に北鎌沢出合いを出発。
右股の出合いで水を各自3リットル確保する。稜線上のビバーク用も含めて。
しかし結局、北鎌のコルのかなり近くまで、水が出ていた。
コルは近くに見えてなかなか着かず、2時間半かかって7時到着。
コルからハイマツ帯の尾根の急登、この辺りまで踏み跡はかなり明瞭。
独標が見えてきて稜線に出てからは小さなピークが続き、直登やトラバースの踏み跡があちこちにあり、途中で消えていたりでルート取りに苦労しだす。
独標のトラバースが一番難儀して、支尾根に入りこんだ際主稜線側に渡るのにロープを出した。
その後独標先の主稜線に登る際もロープを出し、11時となった。
主稜線上でも踏み跡が拡散していて、慎重にルートを選び、修正しながら進んで、北鎌平に着いたら14時半になっていた。
北鎌尾根から見る雲がかかった槍ヶ岳は、幻想的で日本ではないみたいだった。
小槍を盛り込んでいるので登攀具がかさばっているにしても、予定よりだいぶ時間がかかって、やっと穂先の基部に15時。
途中、単独の人や沢靴のまま湯股から来た人、色んなスタイルの人に会った。
穂先への最後の登りは、ロープを出して、祠の後ろに出たのが16時半。
当然肩の小屋のテント場は満席、殺生ヒュッテまで降りる。
殺生ヒュッテでは北アルプス横断中のUETさんと出会い、ヘトヘトのわれわれにお茶を沸かしていただいたりして歓談。
昨年の夏合宿で、わらじ等で湯股から渡渉し、午前中に北鎌尾根を踏破しその後2泊で西穂まで縦走されたHSOさんパーティのすごさを思い知る。
やはり一に体力、二に体力だと痛感。
8月13日 晴れ時々曇り
小槍〜大槍登攀のため5時半に殺生ヒュッテを出発。肩の小屋まで30分、大混雑の穂先往復を終えたUETさんと再会し、記念撮影。
小槍のアプローチは昨年、WDZさんが調べられていたおかげで、迷わず取り付けた。
アプローチは一般道左側のガレ場をトラバースしバンドまで登ってバンドを下る。
小槍のコルには先行パーティがいて、コル下でリードの登山靴をフォローに分担してクライミングシューズに履き替えて、順番待ち。
コルにはロープなしで登り、WDZさんリード開始。1P、Ⅲ〜Ⅳ級?3000メートルの雲の上、小槍のクライミングは西鎌尾根〜後立山連峰のパノラマを前に最高に気持ちいいもので、やみつきになりそうでした。
※懸垂は左側の下降ルートから。
下降地点は谷側に落ち込んでいるので、下り過ぎないようにコル側に着地する。
曾孫槍。ABEさんリード。ここが聞いていた通り地獄のような危険地帯で、ぜんぶガバだがほとんどが剥がれる岩という。
曾孫槍から大テラスまで歩き、孫槍。WDZさんリード。ここも同じく落石の危険地帯。
ピークからWDZ ビレーのままクライムダウンし、いよいよ大槍の登り。WDZさんリード。
一般道が横に見えたよ〜とWDZさんの声。
ピーク手前でロープいっぱいでピッチを切る。最後だけ、ほぼ歩きルートをリードさせてもらう。
12時半、再び祠の後ろに出ると、これまでの人生で一番くらいの賞賛を浴び、諸事情により肩の小屋まで急いでいると下りはしごの順番待ちまで譲っていただいた。
曾孫槍での足の打撲が災いし、時間的にも当日中の上高地下山は難しくなる。ババ平まで下山し、下山連絡先に予備日を使う旨を伝え、もう一泊となる。
8月14日 曇り
3時起床、ヘッドランプで4時に下山開始し、足の痛みもましになって8時半に無事上高地着。
北鎌尾根、小槍と完登できましたが悪夢のような落石地帯を経験して、落石には本当に細心の注意を払わないといけないと痛感しました。
やっぱり最後まで集中力を保つ体力だな、と思いました。
DTE記