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北岳バットレス17/08/02

山行期間 2017年7月21日(夜)~23日
メンバー SKD TYK
山行地域 北岳バットレス第四尾根
山行スタイル アルパインクライミング


もう10年以上も前のこと、日本第二の標高を誇る北岳を目指し一般ルートを登山していた時にはじめて、「北岳バットレス」というものの存在を知った。その当時の私はロープを使って急峻な岩場を登る人達を見て、自分とは別世界の人達だと思っていた。しかし今こうして、自分が北岳バットレスを登る人になっているとは… 当時の私は全く想像もしていなかったはずだ。山岳会に入会していっきに自分の山の世界が広がった。入会して2年目の夏、いよいよあの北岳バットレスに行くこととなった。

今回、入会5年目の先輩であるSKDさんと一緒に行かせてもらうこととなったが、SKDさんがいなければまだまだ私個人の実力では北岳バットレスは手が届くものではない。感謝の一言である。

山行直前の天気予報では22日バットレスを登る日の降水確率は正午以降はずっと40%で推移していた。微妙な降水確率であり、山行中止もかなり覚悟しての出発であった。芦安駐車場を5:15に出発する始発のバスに乗り広河原へ。広河原でトイレを済ませ、歩き始めたのが6:30過ぎ。多くの登山者の列の横をすり抜け目的地へ急ぐ。

バットレス取り付き途中の岩

下部岸壁とりつき雪渓

 

 

 

 

 

 

 

二俣から大樺沢左俣へ、バットレス沢から下部岸壁到着が9:30頃、ここでクライミング道具装着。雲行きは少しづつ怪しくなってきている。

下部登攀中ガスってくる

 

 

 

 

 

 

 

Bガリー大滝:SKDさんのリードで1P目、2P目と進み、終了点から左へ。互いにロープを結んだまま踏み跡をたどりCガリー到着。Cガリーは念のためSKDさんが先を行き、私が確保する形でトラバースした。Cガリーを抜けた後、SKDさんに確保してもらい、私が先に歩き第四尾根主稜取付のテラスを目指した。踏み跡を進んでいき、これ以上先は進めないという地点から上部へ軽い登りがあったためそのまま登り進んだ。ここで自己確保し、SKDさんに合図し、登ってきてもらった。私はここが第四尾根主稜取付テラスになるのだろうと思ったが、目印になる「4」のマーキングが見当たらない。登ってきたSKDさんも「ここどこや?」という感じ。どうやらCガリーを抜けた後に、どこかで間違ってしまったようだ。そこで、ちょうど我々がいる場所から左下方向にクライマーが見えるため現在地の確認をすると、そのクライマーがいる場所はピラミッドフェースであるとのこと。行き過ぎでしまっていたようである(汗)。午後からの天候悪化の予想、そしてこの時間ロスのため撤退の話しもあったが、とりあえず取付まで行こうということになり、間違いを修正し、ようやく第四尾根主稜取付に出たのが午後1:30であった。進むか戻るか話し合った結果、進むことに決断。しかしこれまでよりもスピードアップが必要であること。そして簡単なことろは私がリードで登る予定であったが、それも今回はキャンセルし全てのリードをSKDさんがするということで話は決まった。

第四尾根主稜:現時点でまだ雨は降っていない。「登攀終了までは雨よ降らんといてくれ!その後はどんだけ降っても構わんから頼む!」と心の中で願いつつ登攀開始。素早く準備、リードが登りやすいようにロープもスムーズに出して、トップが登り終わって「ビレイ解除」、「ロープアップ」の合図後すぐにセカンドで登る準備。これまで何度となく練習してきたことを無駄なくスムーズにと心掛けながらやっていく。セカンドでの登攀はA0なんて気にせずどんどん登って行く。「はあはあ」と大きく口で呼吸をしてる自分がいる。緊張している証拠である。良いのか悪いのか天気が悪いせいで、高度感による恐怖心は抑えられている。トップが確保している地点まで登り着くと、すぐに自己確保、回収してきたギアを目の前のスリングにどんどん掛けていく、ロープを受け取り、再びトップの確保のための準備をする。基本的にこれの繰り返しである。

第四尾根のシンボルである5P目の終了点「マッチ箱」で感慨にふけ、その後の懸垂下降を終えて6p目の準備をしている時に、とうとうやって来てしまった。ポツリポツリと雨が降り出してきた。雨具の上着を急いで着用し「あと3p」と声を出す。雨は次第に勢いが増してきた。雨水がスラブ状の岩場をどんどん流れてくる。雨水を含むのかロープが重く、また岩との摩擦力も増すのだろうか、ロープを出していてもトップの身体を引っ張るようになる。トップが登りにくそうである。最後の8p目のスタート部分はさすがのSKDさんも苦戦していた。実際私がセカンドで登ると「は?こんなとこトップで登れるの?」という印象。A0はもちろん、持っているギアをフル活用して、「これが最後や、これで終わりや」と思いながら「うりゃー」と力任せに登って行った。

城塞ハングを目指して雨の中の登攀

登攀終了が午後5:30頃。無事の終了を喜びSKDさんとガッチリ握手した。このあと稜線上まで10数分の登りとのことであるが、先ほどからゴロゴロと結構近い所で雷の音がしている。比較的平らな場所を探し、登攀道具を外して少し離れた場所に置いておき、我々はツェルトを被って雷をやり過ごすことにした。ツェルト内はとても暖かかった。私の身体は雨具を着ていたとはいえ結構濡れている、体力的疲労、精神的疲労も重なりツェルト内ではうつらうつらと眠ってしまう。30分くらい経過したはずだが雷は一向に収まる気配がない。相談の上、肩の小屋へ急ごうということになり荷物をまとめ再び歩き始めた。稜線までの道はかなりのお花畑であり、高山植物好きの登山者が見つけたら大喜びするに違いないほどであった。またライチョウが一羽我々の前を駆け足で逃げて行く。道を逸れて逃げれば良いのに歩きやすい踏み跡のあるところが良いのか少しの間追いかけっこをしていた。そんなことを頭の隅で感じながら、この時の私は疲労のピークであり惰性的に重い足をひたすら前に動かしていた。北岳山頂到着が午後6:20。肩の小屋到着が午後6:45であった。

北岳肩の小屋を望む

 

 

 

 

 

 

 

今回の北岳バットレスは結果的に全ての行程をSKDさんがトップで登り、私がセカンドであった。また天候にも恵まれずバッドレスの高度感を感じることが出来なかった。しかしセカンドであったとしても憧れの北岳バットレスに挑戦できことは私にとってはとても重要なことである。今回が始まりであり、今後の第二回、第三回目のバットレスのために今後もトレーニングに励んでいこうと思う。

富士が顔を見せる