山行期間 | 1月7日~8日 |
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メンバー | HND,HSO |
山行地域 | 八ヶ岳 |
山行スタイル | アルパインクライミング |
1月の三連休で中央アルプスに行く予定にしていましたが、都合が悪くなり急遽八ヶ岳西面に変更していただいた。
まだまだ経験が浅い自分には、八ヶ岳は絶好の修行の場。
張り切ってクライミング!
7日 赤岳ショルダー右リッジ
以前から気になっていた赤岳尾根シリーズ。メジャールートとは桁違いに入山者が少なく登山大系にも三行広告の如く、情報に乏しい。
それ故、想像を掻き立て未知の冒険に対する期待が高まる。これこそが登山の醍醐味だ。
美濃戸の駐車場からヘッデン出発し、行者小屋にBCを張る。アタック装備を準備しいざ出発!
取りつきは赤岳主稜へ向かうトレースから赤岳沢へ向かって下降し、赤岳沢を登った左手がショルダー右リッジの取りつき。
赤岳沢登降はとても急なので、しっかりとアックスアイゼンを効かせながら慎重に行動する。
下方からみるに正面の凹角が気持ちよさそう。
左の雪面を登れば簡単であろうが、やはりここは岩のルートをチョイス!
ちょうど開始点にはペツルの残骸が残っていた。
ハーケンを打ちビレイ点を作る。自分は今年からクォークを導入したが、スカ振りはかなり多いが頑張ればハーケンもしっかり打てる。
1P HNDリード
HSOの作戦通り奇数が難しくなるから任せる作戦だ。思っていた以上に悪く右往左往。あまりにも悪くて手袋をはずして突破。うーん、フォローでもいやだなぁ。。。
下部を乗り越すと今度は上部は細いクラック。ここも手袋をはずして突破。フォローのHSOは落ちる心配もないので快適にピックをひっかけドライで突破!気持ちいい!がトップは絶対無理だなぁ~
2P HSOリード
悩みながらもHSOリード。簡単なトラバースからリッジに出るが雪の付き方がやらしく怖い。とりあえず、支点をとれたので勢いよく上部へ抜ける。
雪の少ない雪陵を進むも第2岩峰に届かず途中で切る。
2.5P HNDリード
3Pへのつなぎを残り10mほどを伸ばす。
3P HNDリード
かるくルンゼ状になった岩壁。斜度はそれほど立っていないが、ところどころのベルグラと微妙についた雪がやらしい。
ランニングをあまり取らないまま一気にロープを伸ばしていく、HNDさんは普通に行っていたが、自分はランニングを取らずにこのやらしさは登れない。腕も足もプルプルなっていただろう。。ピッチ順番の作戦成功だ。
上部は雪をかきながら登るが、落雪と岩の落下が多い。
ビレイしていると対面する赤岳主稜を登るコールが聞こえる。「ビレイ解除」、「ロープアップ」
「ロープッ!」と聞こえた瞬間、頭上をブゥーンとこぶし以上ある岩が落ちて行った。そのコールはHNDさんの「ラーク」の声だった。
油断禁物である。
4P HSOリード
いよいよ乗り気がしないが順番なので仕方なくHSOリード。Ⅲ級の簡単な岩だが雪の付き方がやらしい。少し乗った雪で足場が前傾し、アックスを振っても草つきだか岩だかわからない。必死の覚悟で乗った足場もアックスを振って体制維持を試みるがことごとく岩ではじかれ冷や水だらだら。支点乱打で弾切れ終了。
5P HNDリード
残りを処理してもらい、リッジを越していく。フォローは気持ちいい。
6P HNDリード
時間もかなり厳しくなってきた。装備がそのまま残っていたのでHNDさんリード
雪面をトラバースし時間を稼ぐ作戦。灌木を集めて終了。
7P HSOリード
バスッ、バスッ 振りかぶったアックスがばっちり効いて気持ちがいい。灌木があるか~と気軽にロープを伸ばしいっぱいになったところで灌木を掘る、、、がほ、細い。。そのまま穴を掘り進めてスノーボラードとピッケルを埋める。体重はささえられるけど、墜落荷重にたえられるか・・?ひやひや
8P HNDリード
ギアの受け忘れをするのを忘れて途中で気付くがそのまま雪面を進む。周りはどんどん暗くなりいよいよヘッデン登攀に。
ルンゼ状の岩場を少ないギアで乗り切り終了。少ないギアでさすがHNDさん。
終了点は稜上で風が厳しい。
9P HSOリード
短いリッジを抜けて雪面を登り、やっと見えた登山道!ロープもかなり屈曲し暴風で声も聞こえない。
どうやらロープが片方手繰り切れておらず、そのままビレイしていた。陵上のトラバースだったのであまり引きすぎてもバランスを崩すと思い、ロープを緩めに引いていたため、意思疎通に時間がかかった。暴風の中時間がかかってしまい、すみませんでした。
赤岳登山道~文三朗尾根下山
登山道にでてひとまず握手を交わし、お互いの拳闘をたたえる。前日の短い仮眠にヘッデン登攀。
さすが八ヶ岳は修行の場。こういうことができるのも慣れ親しんだ八ヶ岳の魅力だろう。
夜7時に業者小屋に到着。
8日 阿弥陀岳北西陵
去年までのトレーニングでグレード感はここに及ぶかな?といった北西陵
核心ピッチは同様にHNDさんにお願いすることにして、いざクライミング!
取りつきは行者小屋を少し下ったところから北西陵が見えるのでそこから林内を進んでいく。さすがにメジャールートだけあって、トレースはばっちりある。前日のクライミングから時間間隔もシビアに思えたが、一般道かとおもうくらいのトレースにさくさく進むこと、一時間ほどで小ピークに到着。
下部のリッジは雪も少なくトレースもあるので、フリーでどんどん進み、第1岩壁まで。
1P HSOリード
草付フェースはHSOの大好物なので気持ち良くリード。
バスッバスッ!振りかざすアックスが気持ちいい。
2P HNDリード
昨日のグレード感とはうって変わってトポ通りの岩場が気持ちがいい。ロープは思っていたより多めに出た。
3P HSOリード
細い雪面バンドを回り込み核心の岩場下へ。Ⅳ級のグレード表記なのにトラバースのみで終了点も。
ここでおわりか?と思ったが目の前には気持ちのよさそうな岩。たまらず登ってしまうも、やはり最終ピッチに入ってしまったようで途中のハーケンを集めて終了。結果核心部を間近でみれるポイントで結果オーライ?
4P HNDリード
以前はスラブのやらしい岩壁だったのかもしれないが、アイゼンの跡がでており、割と足はおける。手も手袋なければカチもちできそうだ。
見事なムーブで綺麗に突破。フォローのHSOはカラビナが回収できずあえなくテンション。残念。
あっという間に終了点で終了。
人気ルートはやっぱり人気ルートの理由がある。景色も良く気持ちがいい。
阿弥陀のピークに立ち、休憩をして中岳沢を下降し、山行を終えた。
7日 美濃戸0615~行者小屋0815-0920~文三朗尾根取りつき1000~ショルダー右リッジ取りつき1030~赤岳1750~行者小屋1915
8日 行者小屋0525~北西陵取りつき0720~終了点0920~阿弥陀ピークー0945~行者小屋1025~美濃戸1245