山行期間 | 2017年1月20日夜~22日 |
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メンバー | HND(L)、HSO |
山行地域 | 鈴鹿 御在所山 |
山行スタイル | アルパインクライミング |
去年もこの時期にお世話になった藤内小屋。年に一度くらいは小屋の御主人に挨拶に行こうと、今年も軟弱小屋泊まり山行を計画した。小屋の御主人は、いつも親切にしてくださるが、今回も我が家のように寛がせていただいた。小屋泊まりで幕営の煩わしさが無い代わり、登攀ルートはあくまでもハードに。がっつり登攀して、夜はゆっくり休ませてもらおうという作戦だ。しかし夜の小屋では、昨年一緒に泊まった東海のクライマーと今年もたまたま一緒になり、夜は大宴会になってしまった。朝食は我々だけ極端に早くしてもらうわけにはいかないので(と言い訳をしつつ)、日曜の朝ものんびりスタートとなったが、たまには(?)こんなのも良い。
帰りに挨拶をすると、この山行の無事を喜んでくれた。また来ますと約束して下山。次回は手土産に、酒とつまみぐらいは歩荷して行こうか…。
〈登攀記録〉
1月21日 雪のちくもり(風強し)
中尾根
御在所では近年まれにみる大雪。昨夜降っていた雨は明け方にはやむと予想していたが、起床時はまだみぞれ。濡れるのが嫌で、出発は少しのんびりしてしまった。
アプローチは、前尾根の取り付きまでは先行パーティーがあった。ここから先はノートレース。藤内沢の中心近くは腰まで沈む。途中沢をトラバースする地点は雪崩が怖いので、通常のルートを避けて、樹林帯の尾根筋を詰めた。取り付きまでは激しいラッセルで、最後の崩壊した部分のトラバースはロープを出して慎重に進む。時間はどんどん過ぎ、中尾根の登攀を開始できたのはお昼を過ぎていた。でも、今日はラッセルだけで登攀できないかもしれないと心配していたので、少しでも登攀できて満足した。
登攀開始!
P4 1P目
チムニーに入り込む箇所が核心。今回も残置無視で登るつもりだったが、途中残置ハーケンを1本使用してしまった。以前来た時と違って、雪が多くてホールドやプロテクションをきめる節理を見つけるのに苦労して、うまくランナーを取れなかったのが原因。修行が足りません。
P4 2P目
出だしが核心。落ちたらグラウンドフォールだが、ガバなので思い切っていく。そのあとは快適な内面登攀。
次はP3だが、ここで登攀終了の予定時刻に近くなったので、同ルートを懸垂下降した。
前回苦労したP3、もう一度登りたかった反面、怖い目に合わずに済むと思うと正直ほっとした。
P2、P1はまだトライできていない。次こそはP1まで狙いたい。
使用ギヤ:ダブルロープ50m×2、キャメロット#0.3~4 1セット、ナッツ1セット、アルパインヌンチャク6本程度(P3まで行く場合は、10本程度は必要)
1月22日 くもりのち雪
1ルンゼ(中俣)
今日もゆっくりスタート。天気が崩れる前に下りたいので、今日は中俣一本だけに絞る。昨日行ったパーティーによると、状態が悪くて恐ろしかったと。大丈夫かな?
登攀開始!
1P目
バットレス寄りの雪壁から取り付き、岩を左へトラバース。簡単だがモナカ雪、ベルグラなので、支点は取れない。トラバースの途中に支点があったので、ロープの流れを考えて短いがここで切った。
2P目
さらに左にトラバースしたあと、3m位の凹角状のベルグラを登る。バランスが悪くて気持ち悪い。その後は比較的快適にロープを伸ばし、大きな木まで。
3P目
快適なピッチ。氷が薄いところが多いが、場所を選べば16㎝のスクリューが決まる。雪田の倒木まで。
4P目
最終ピッチ。上部は今回はオーソドックスと思われる左から。が、これが失敗。スクリューは効かず、最後の2mは、氷は表面の5㎝だけで、アックスを振ると穴が開いて崩れた。穴の開いた氷にピックとアイゼンを引っ掛けて、そーっと体重を掛ける。気持ち悪い。ごまかしながらじわじわ高度を上げ、最後は必死の思いで木につかまり、這い上がった。
氷結状態は、元々期待できるエリアではないので、中俣としてはこんなものなのではないかと思う。純粋なアイスではなく、岩あり雪壁ありで楽しませてくれた。最終ピッチ上部は、真ん中の氷柱を登った方が良かったかな。
使用ギア:ダブルロープ50m×2、ワートホッグ×2、アイススクリュー16㎝×5、13㎝×2、10㎝×1、アルパインヌンチャク×8本程度
二日間、短い時間ながらも、良いトレーニングができたと思う。大阪からも近く、日帰りでも十分楽しむことができるので、もう少し通っても面白いかもしれない。