山行期間 | 2016年12月22日(木)夜~25日(日) |
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メンバー | TGA(L)、SZK、ABE |
山行地域 | 八ヶ岳 |
山行スタイル | 冬山、アルパインクライミング |
12月22日(木)夜~25日(日)で、冬合宿・八ヶ岳に行った。
12月22日(木)夜9時過ぎ、雨の中大阪駅を出発する。今週は暖かい日が続いて、車で美濃戸口から美濃戸
へ行く道も、雪は11月末に偵察で行ったときより少ない。今回も車で美濃戸の駐車場まで行けてよかった。
駐車場に着いても雨が降り続いているので、車の中で仮眠する。
12月23日(金)
4時に起床したが、まだ雨が降っている。CLは、雨は上がると判断。更に1時間仮眠し5時、目覚ましが鳴る。
CLが「雨が止んでいる!」と叫んだ。よかった。
6時40分 駐車場出発。
行者小屋までの登山道も11月末より、雪が少ない。ただ、登っていくと登山道が凍結していて滑る。
危ないので、アイゼンをつける。10時過ぎ、行者小屋着。
10時45分。テントを設営してアタック装備で阿弥陀北稜を目指す。
中岳沢にトレースが続いている。11月末の偵察では夏道を進んだが、中岳沢沿いの方が
トレースがしっかりついている。中岳沢から阿弥陀北稜に行くトレースを期待しながらが、
中岳沢を登って行ったが、だいぶん上まで行ってしまい。「Aさん、登り過ぎじゃないの?」
とTさんがトップを替わってくれた。
ここから中岳沢を外れ、北稜に合流するよう右寄りに登って行く。雪面表面は固く、
その下に柔らかい層がある。
雪面に足をのせると、表面がサクッと割れて、柔らかい層にズボッと埋まっていく。
Sさん、「雪崩がおきそう。」
更に登ると、岩稜が出てきて、ザイルを出さないとこの先は進めない。12時30分。
このまま前進するとベースに戻る時間が気になるので、引き返す。
後ろを振り返ると、今まで登ってきた雪面の斜度がきついことに驚く。慎重に猿回しで
下っていく。
中岳沢に戻り、阿弥陀北稜への分岐を探しながら下って行くと、Sさんが「ここでは?登った跡があるような。」
標布は付いていないが、踏み跡をたどって、阿弥陀への支尾根へ登っていくと、樹林帯の中をトレースが阿弥陀北稜
へと続いているようだ。取りつきへのアプローチも確認できたので、ここから夏道をたどって下る。夏道の方が雪に潜る。
13時50分 行者小屋着
この日は、阿弥陀北稜の取りつきへ行けなかったが、急斜面のラッセルや猿回しができ、良いトレーニングに
なった。
16時まで待って、夕食の鍋を楽しむ。
12月24日(土)
5時起床。6時40分 行者小屋 出発。
昨日のアプローチからトレースをたどり、阿弥陀北稜へ向かう。
7時40分 ジャンクションピーク手前で、ハーネスを付ける。
展望の良い雪面からちょっといやらしい急斜面を慎重に登り、更に進むと、岩稜が見えてきた。前の前のパーティ
のセカンドが岩稜を登っていた。前のパーティは寒さに震えながら順番を待っていた。ここが第二岩稜だった。
第一岩稜はトレースをたどっているうちにいつの間にか登ってしまっていた。
続いて前のパーティのトップが登り始めたが、苦労しているようだった。
CLのTさんが「このパーティの後に岩稜を登るか、1ピッチ目を巻いて途中から岩稜に入るか、ルンゼ状を阿弥陀
頂上まで行くか?」
寒さに震えながらこのパーティが登るのを待つのはつらいので、1ピッチ目は巻くことにする。
Tさんが左のルンゼ状を登り、右寄りに登って2ピッチ目の取りつきに合流。
2ピッチ目の取りつきで登攀の準備をしていると、前のパーティはトップとセカンドを交代して登ってきた。
Aがリードで登る。岩稜を登ると、ナイフリッジ。トレースはしっかりついているが、緊張しがら進む。
木でビレイ。ここまで来ると、阿弥陀岳の頂上は目の前。
Sさんが「もう、終わったの?」と物足りなさそうだった。
心配していた阿弥陀岳の下りも、多くの人が登ったり下りたりしていて、
階段状になっている。
10時05分 中岳のコルで休憩。
休憩していると、阿弥陀から下って来た人が中岳沢を下っていく。中岳沢のトレースは阿弥陀岳に行く人が
つけたようだ。
ここから中岳を通って文三郎尾根から赤岳主稜の取りつきまで行くことにする。
赤岳主稜を登っているパーティが3パーティくらいいた。
11時30分。赤岳主稜の取りつきに行くと。トップはすでに1P目を登っていて、2人が取り付きで待機中だった。
Tさんが「カム持って来てたら、こらから登るんだけど。」
「明日は、赤岳主稜!」と決めてテント場に戻る。
12時30分 行者小屋着。
今晩の晩御飯は、ミートスパゲティとポタージュスープ。
12月25日(日)
4時起床。5時40分 行者小屋 出発。
一番乗りと思いきや、文三郎尾根から取りつきを見ると、既にトップは1ピッチ目の登攀途中で、2人が取り付きに
いた。
1P 取りつきのビレイピンから、スタート。前のパーティも苦労していたチムニーをTさんが登り、雪面を進み、回り込んで姿が消えた。
しばらくすると、「ビレイ解除」の声が聞こえた。「ザイルアップ!」と叫ぶが、なかなか
ザイルがアップしない。
Sさんが高音の良く透る声で叫んでくれた。ザイルも黄色と赤の長さが数メートル違うので、
2本まとめてたぐるとぐちゃぐちゃになってしまう。待っていると寒い。手足が凍える。
2P ビレイピンの左側の階段状のところから登る。後ろの2人パーティが追いついてきた。
前のパーティは前の前のパーティを追い越して行ったそうだ。
岩稜の上に出ると、Tさんが岩にシュリンゲをひっかけてビレイしてくれていた。
3P 雪稜を登る。ザイルを伸ばせるだけ伸ばして、カムでビレイしていた。
後ろのパーティが私たちを追い越して行ってしまった。
4P ハーケンが打ってある岩を登り、更に進む。
5P 雪面をアックスを刺して登る。
6P 岩を一登りし、凹状壁。岩の間を抜けると、急に展望が開けてきた。明るい。
人気ルートなので、順番待ちを心配していたが、私達の前のパーティも後ろのパーティも
先に行ってしまった。こんなに良い天気なのに、私達の後ろからは誰も登って来ない。
主稜を登っているのは私達だけのようだった。声がする方向を見ると、文三郎尾根を
登っている人たちだった。私たちも昨日は文三郎尾根からこのルートを見ていた。
7P だいぶん上まで来た。雪面を登り岩の間でビレイしていた。
8P ビレイポイントに3人集まれないので、Sさんが登ってから、Aが登り、トップの
Tさんの横を通って更に先にザイルを伸ばすと、縦走路に出た。岩にシュリンゲを引っかけて
ビレイ。(上記のピッチ数は何ピッチか飛ばしているかもしれません。)
セカンドのときは震えながら待っていたが、トップは登るとセカンドのビレイ、セカンドが
到着するとリード。トップの大変さが良くわかった。
13時10分 赤岳頂上。Tさんが「時間がかかりすぎるのが課題。」
文三郎尾根を下山して、14時15分 行者小屋着。
テントを撤収して、14時50分 行者小屋出発
16時30分 駐車場着。何とか日が暮れる前に駐車場に着くことができた。
12/23(金)
6:40 駐車場出発 → 10:00過ぎ 行者小屋着
10:45 行者小屋出発 → 12:30 引き返す → 13:50 行者小屋着
12/24(土)
5:00起床 → 6:40 行者小屋 出発 →7:40 ジャンクションピーク手前
→9:35 阿弥陀岳 → 10:05 中岳のコル →11:30 赤岳主稜の取りつき(下見)
→12:30 行者小屋
12/25(日)
4:00起床 →5:40 行者小屋 出発 →7:15 赤岳主稜 登攀開始 →13:10 赤岳頂上
→ 14:15 行者小屋着 →14:50 行者小屋 出発 →16:30 駐車場着