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比良山系縦走 武奈ヶ岳5月 04, 2012

山行期間 2012年5月2日夜~4日
メンバー SGY, ITN, MYG, MYI, KMR, SMD, YSK, MTD
山行地域 比良
山行スタイル 縦走

5月2日
人生初の合宿。ドキドキハラハラ。
山行計画作りは登山と同じ位楽しいと聞いてはいましたが、全く楽しむ余裕がないままに、
記念すべき初合宿がとうとう始まりました。
仕事も長引くことなく、無事に三国ヶ丘を出発。
午後10時、和邇公園駐車場着。

5月3日 
午前5時起床。
早朝タクシーを利用する為、朝食は各自で準備しました。
毎度のことながら準備にモタついているあいだにすぐに出発。
朝食を食べ損ねた!と悔んでも後の祭りです。
いかに段取りよく準備するか、段取りが山行にどれだけ影響するかを痛感しながらも、
タクシーに乗って霊仙山登山口へ。

準備体操を万全にして意気込んで出発したのも束の間、珍事件発生。メンバーがヒルに好かれました。
いち早く気付いたのはITNさん。常に周りに目を配って頂いているお父さん的存在です。
リーダーのアドバイスによりたばこでヒル退治。
ヒルの参戦やら天気も気難し屋で、スタートから波乱万丈続きです。

天気はいたって不機嫌なまま。天気が良ければ右手に琵琶湖と素晴らしい景色を満喫出来るはずが、
いつまでたっても四方八方、真っ白な世界が続くのみ。権現山、ホッケ山、小女郎峠、蓬莱山。
真っ白な世界の中で撮影された記念写真はどれも同じに見えるかもしれませんが、
「荒れ狂う風だった」「たくさんのイモリに出会った」など、それぞれに思い出深いものとなりました。

 

とはいえ、景色の素晴らしさで吹き飛ぶはずの疲れはこの状況では吹き飛ばず、延々と続く白い霧と雨の世界。
そんな中、肩に食い込むザックが気になっていましたが、「ザックのフィッティングが合ってないのでは?」と
メンバーにアドバイスをもらい、数人がかりで調整して頂きました。
自分の知識不足は勿論ですが、仲間の大切さを感じたこの経験は、今回の山行で忘れられない事の一つです。

今回は縦走ということで、読図も勉強したいと考えていました。
チェックポイントが多いため、とても勉強になりましたが、やはりどこを見ても真っ白な世界。
あの方向にあの山があるという確認が出来なかったのは非常に残念です。

どこもかしこも真っ白な世界は相変わらず継続中でしたが、気持に晴れをもたらしてくれたのは、
Bチームの植物博士と鉱石博士です。「こんなにイワカガミが群生しているのは滅多にない」、
「大金に化ける原石があるかもしれない」等、疲れで周りを見る余裕が全く無い私にとっては、
歩みを進める以外の事に目を向け、しかも周りに幸せをもたらしてくれるメンバーの凄さに感服するばかりでした。
山に登る事を目標にするのも充分以上に価値ある事だと思いますが、
そこに「+α」があることで気持にゆとりが生まれるだけでなく、
より自然とコミュニケーションしながら歩み続けることが出来るのだ、と気付かせてもらえました。
個性豊かなメンバーに感謝致します。
一人ではこの経験は出来ませんでした。

 

そうこうしているうちに、比良山系の繁華街の一つである金糞峠へ。
名前のイメージと裏腹に確かに賑わっています。
天気も少し回復し、琵琶湖も見えて景色も良好。
久しぶりに感じたその賑わいと景色に元気をもらい、引き続き今日の目的地である八雲ケ原へ。
歩きやすく気持の良い小川沿いの道と、もう少しで今日の目的地という事でテンションも上昇傾向。
しかし、表示板を見つける度に今日のゴールだと期待しては勘違い・・・。
予想に反してまだまだ道のりは長かったです。その分、到着した際の喜びは一入でした。

 

小雨降る中テントを張り、少しの時間思い思いの時間を過ごしました。
そしていよいよお待ちかねの夕食タイム。
美味しさの追求がモットーの料理長こだわりのメニューはトマトシチューにビーフシチュー、
そして、お洒落なフランスパン。
よくぞ担いできてくれた、と思わざるを得ない生野菜や下ごしらえ済みのお肉。
極めつけは料理長のポケットから飛び出たこだわりの調味料。これは美味しいに決まっています。
美味しく楽しく宴会を済ませ、明日にそなえ19時頃就寝。
今まで寝袋ではほとんど眠れなかったのですが、この日ばかりはさすがに熟睡出来ました。

5月4日朝4時起床
こだわりの美味しいサンドイッチを食べ、いざ出発。
しかし、今日も天気は相変わらず不機嫌です。
そして寝起き一発目の急登。さすがにこたえました。

午前7時、滋賀県最高峰の武奈ケ岳に到達。記念撮影は昨日と同じく真っ白な世界。
でもきっと、参加したメンバーの方々にとってはかけがえの無い場所になったと思います。
しかしながら、この雨続きで・・・、ポジティブに考えると「また来いよ」というメッセージなのでしょうか?
予定ではこのまま朽木まで縦走を続ける予定でしたが、悪天候やメンバーの疲労も考え下山することに。
今回の山行で最も辛かったのはここからの1時間以上にも及ぶ下り道でした。
雨で足場が悪かったせいなのか、普段から下りが苦手な私にとって、最後の最後に想像以上に苦しい道のりでした。
今思うと、「この下りが終わればまたしばらく山と離れるなぁ」という、
淋しい思いが重なったからのような気もします。

グルメなメンバーにとっての大きな問題は、今晩予定していたカレーをどうするか。
「もちろん今日のランチにするしかない」と、全員一致で、バスと電車を乗り継ぎ和邇公園に戻ることに。
小雨降る中、公園で遊ぶ家族連れの視線を浴びながらの野外カレー調理開始。
具材も買い足し、生米から炊くという本格豪華カレーが完成。
調理に時間はかかっても食べるのは一瞬。あまりの美味しさにあっという間に皆で平らげました。
いろいろな思いが詰まった絶品のカレーでした。

短い合宿が終わったと思った途端に、皮肉にもだんだんと青空になってきたのですが、
こんなに大きく鮮やかな美しい虹は見たことが無いという程の素晴らしい虹が現れたのでした。
あの虹をみた瞬間、説明し難い、希望に満ち溢れる豊かな気持になれました。
これからも天気が良かったり、悪かったり、自然相手の場合はいろいろなこともあると思いますが、
自然と遊ぶには事故が無いことが最優先。
その為にも知識、技量を身に付けたい、とますます思いました。
初心者である私にとってはとても勉強になった貴重な山行でした。

知り合って2カ月足らずながら、一緒に過ごす時間が多いBチームメンバーの方々との貴重な出会い。
こういった場を提供して下さるリーダーの方々に、本当に感謝の思いで一杯の合宿でした。
(MYI記)

<山行記録>
  5/3 霊仙山登山口6:05→霊仙山7:05→権現山8:10→小女郎池9:20→金糞峠13:50→八雲ヶ原14:50
  5/4 八雲ヶ原6:00→武奈ヶ岳7:00→坊村10:05