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前鬼川9月 13, 2025

山行期間 2025/8/23(夜)~8/24
メンバー OOS(CL),TCH(SL),YSZ(SL),AKS,OOM,KNI,YSD
山行地域 大峰山系
山行スタイル 沢登り


Bチーム第3ステージ最後の山行は前鬼川の沢登り。
そもそも沢登りで難易度の高い場所に行きたいとの理由から山岳会に入る検討をし始めたOOM的にはとても楽しみだった山行。
23日(土)は前泊だったのですが、午前中に海釣りに行こうか悩んだ結果、沢に備える為行かないと決意。
緊張感のある前日を過ごす。
前泊場所に向かう車の中では鉄人AKSさんの普段のトレーニング等の話題に。
日課で20km走っていたりとか(最近はそこまで走っていないとの事ですが、AKSさんの「そこまで走っていない」は当てにならない。)
大阪から九州まで走って行った事があるとか。
今でも自分の聞き間違いでは無いかと疑っている。
そんなAKSさんは、休息日とかはとらないんですか?との質問に、「僕にとったら明日が休息日みたいなもんですから」と....。
山行舐めるなとMチームの方には叱っていただきたい。
緊張して山行に臨んでいるOOMやKNIさんの気持ちを少しは考えて欲しい。
YSDさんも河内長野から日本海まで自転車で行くとかいう訳の分からないスケールの話はやめて欲しいので同罪です。(Bチームの年長者2人が体力おばけ過ぎで怖いです。)
AKSさんは前回の夏合宿でKNIさんが体調を崩した際に、先行してテン場まで行き、登ってきた道を戻り、KNIさんの荷物を担いでまたテン場まで行くという仲間想いのナイスガイなのですが(笑)
あまりに話がそれ過ぎました。
閑話休題。


前泊場所は道の駅 吉野路上北山。
川沿いに降りてテントが張れるという事でOOM・KNIさんの2人は個人テント。
AKSさん・YSDさんは川沿いに直接マットを敷きワイルド野宿。
リーダー陣は車中泊。
前回の沢山行時にOOS会長はその辺で寝ると言っていたのでてっきりワイルドに野宿するのかと思って、どこで寝るんですか?と聞くと車中泊。
「虫が多いからね~」と....。
話が違う気がする....。
OOS会長はもちろん頼れるリーダーなのだが、どこか飄々としており面白い。
夜の宴会時に「熊に襲われた時の話はしたかな?」等と軽々しく恐ろしい話を語る。
腐った木の棒を手に持ち戦う覚悟を決め振りかざすと、立ち去ったとの事。
熊は目が悪いらしく、大きく見えたのかもと言う話は学びになりました。
夜も老け、各々就寝。
テント内はフライをかけていると暑く、少し寝苦しかったものの、途中フライを開け空気が通る様にすると川のせせらぎが心地よく、朝までぐっすり寝れました。
朝YSDさんに野宿は気持ちよく寝れたか聞いてみると、川の音がうるさくてあまり寝れなかったと。
真逆の感性。
それに、この人はいつも「寝れていない」と言いながら誰よりぐっすり寝ているので、あまり信用はできない。
そんなチャーミングさに、年齢を重ねるならこうありたいと思わされる。
またまた話がそれました。


という事で8月24日の朝、5時半起床。
天気が悪くなっていく予報だったので、期待はせずにそそくさと準備→出発。
前鬼川駐車場まで車で1時間弱。
日が昇り明るくなるにつれて青い空が見えてくる。
否応無しに期待感が高まる。
駐車場に到着し、装備を整えていざ入渓。
沢に足を入れると冷たい。
木々の間から射し込む光が美しい。
これぞ沢。
絶好の沢日和。
黙々と進むとついに見えてくる「前鬼ブルー」
嬉しくて心が弾む。
TCHさんの先導でずんずん進む。
小滝の連続と美しいナメ。
時折腰まで冷たい水に浸かる。
ほとんど難しいところはなく、快適に遡行。

途中、巻道で少し危険な部分でOOS会長がお助け紐を出してくれて、肩絡みでの引き上げを実際に見させてもらえました。
この部分も下から見ると、簡単に上がれるだろうとタカをくくっていたが、登ってみると意外と危ないのが理解でき、下から見て初心者を連れてきている際の適切な判断ができる様にならなければと感じました。
同様に先導のTCHさんの判断で巻いた部分も多数あり、自分的に登れると思ったところはチャレンジしてみたりもしましたが、結局登れなかったり、登れても自分の体格だから登れるといった部分もあったりで、自分がどこまで登れるかの把握と、立場が変わればリーダー・先導者としてどう判断すべきかという事は勉強になりました。
一般登山道と違い、行く道は自分で選ぶという沢特有のルートファインディングが難しさもあり楽しさもあるなと思いました。
そして、突然始まる懸垂下降。
Dボルで練習して以来の約1ヶ月ぶり。
2025年4月5日に初めてロープを触ったぐらいのクライミング超初心者にとって1ヶ月の空きは中々のもの。
ですが、練習とMチームの方々の指導の成果もあり問題なくセットし懸垂下降でき、自分の成長を感じる事ができました。

リーダー陣にとってはロープを出さなくても降りれる部分だったとは思いますが、経験の為と安全への配慮をして下さってありがとうございます。
無事、誰も怪我する事なく垢離取場に到着。
先行パーティーを追い抜かして到着したので、独占状態のプライベートビーチ。
静かに美しく青く透き通る淵。
荷物を下ろし、泳ぐ。
AKSさんはゴーグルを装着し、本格的。
日頃の垢離(身についた罪・穢れ)を取るべくYSDさんにも入水を促すが、あまりに垢離が多い様で「濁る」からやめておくとの事(笑)
暫し休憩し脱渓。


沢靴を脱ぎ登山靴に。
ここから下山するわけですが、下山と言いつついきなりの急登。
事前に地図で確認済でしたが、足が重い。
涼しかった沢が恋しい。
全身水で濡れて寒いぐらいだったのに汗をかくぐらい。
おまけに先導のTCHさんがかなりのハイペース。
2番手にAKSさんがぴったり付いているので、おそらくAKSプレッシャーを感じてペースが上がっているのでしょう。
TCHさんは山行自体がかなりの久しぶりだったそうですがそんな風には見えない。


急登を一気に登り切り、閼伽坂峠へ到着。
ここから小仲坊へは緩やかに下っていく。
小仲坊で小休止。
山道はここで終わり、舗装路を歩き駐車地迄。

沢終わりの不快な状態で上北山温泉 薬師湯へ移動。
オープンまで30分程時間があったので昼食→温泉。
汗を流しさっぱり気分でゆっくりしながら外を見ると突然の大雨....。
遡行中に遭遇していたら危険なレベル。
雨足が少し弱まったのを見計らって車へダッシュ。
せっかくさっぱりしたのに、雨に打たれる。

そんなこんなで帰りの車内。
印象深い話題を2つ程。
【喫茶〇鳥の話】
春合宿帰りに立ち寄った喫茶店は、注文できるメニューがほとんどなく、コントのようだった。
店内は良く言えばレトロ。
しゅうまい定食は用意できるがしゅうまいの数が少なくなる。
結局食べれる物が無かったので店を後にしたが、次回こそ気になる「冷奴定食」に挑戦するのか否か。
【味覚の話】
AKSさんは味覚ゼロ。(失礼w)
とにかく量が食べられればそれで良い。
何でも美味しく食べられる方が「勝ち」だと宣っておられましたが、帰ってから考えてみると中々深い話だなと。
何をもって勝ちとする価値観なのか。
何でも文句を言わず美味しく食べられた方がストレスを感じにくいし、出された物を何でも美味しそうに食べるので作り手からの印象も良いのかもしれない。
食べられるだけで満足という価値観はシンプルで幸せ。
一方、食に拘りを持っている方が人生は豊かでは無いか。
美味しい物に出会った時の喜びが大きく、人生に彩りが生まれる。
作り手からしても、拘りのある人と無い人の「美味い」は全く違う価値になるのではないか。
味に妥協できないストレスは抱えるかもしれない。
ただ、僕自身は拘りはあるものの、好きな物に関してはストライクゾーンが広めになる傾向にあるので、ストレスまではいかない。(カレーは好きで拘りがあるが、カレーを食べたい時はレトルトでも良いと思えるレベル)

大きな喜びを少しだけ味わうのか。
小さな満足を広く味わうのか。
どうせなら大きな喜びをたくさん味わいたい。もはや山岳会のブログに書くような話では無いのでそろそろやめにしようと思います。

簡単に言うなら「綺麗だった」「気持ちよかった」だけで済ませられる山行。
けれど、そこに至るまでの人とのやりとりや、学び、笑いこそが記憶を豊かにしてくれる。
前鬼ブルーの鮮烈な水の色とともに、仲間と過ごした時間をきっと長く忘れないだろう。
という事でご容赦ください。
長文駄文失礼しました。 

(記:OOM)