山行期間 | 2015年5月2日~5月6日 |
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メンバー | KTY ARN OSM NGS NKT UET TKD |
山行地域 | 北アルプス 鹿島槍ヶ岳 |
山行スタイル | 雪稜登攀 雪上訓練 |
【合宿計画】
A班;CL.KTY ARN NGS
5月2日 大谷原→天狗尾根→天狗の鼻BV
5月3日 BV点→最低コル→ピークリッジ→天狗尾根を下降→西俣出合
B班;CL.TKH YDA YMG
5月2日 駐車場⇒柏原新道登山口~出合⇒爺ヶ岳南尾根⇒冷池山荘BV
5月3日 ⇒BV地点⇒布引山⇒鹿島槍ヶ岳往復⇒BV地点
5月4日 BV地点⇒扇沢駐車場⇒帰阪 5月5日 予備日(最終下山連絡日時;15時)
C班;CL.ARN NKT
5月4日 大谷原→西俣出合→東尾根→第2岩峰付近BV
5月5日 BV点→鹿島槍北峰→(五竜岳往復)→冷池BV
D班; CL.OSM KTY NGS UET TKD
5月4日 大谷原→西俣出合→鎌尾根→八峰BV(※または、冷池BV)
5月5日 BV点→五竜岳往復→冷池BV
全体
5月6日 早朝、赤岩尾根を下山開始 途中から西俣へ入り、適地で雪上訓練および確保技術研修を実施
午後、大谷原へ下山
5月7日 予備日
2015年春合宿は、当初各班それぞれの登攀ルートで残雪期の鹿島槍ヶ岳に臨む計画であったが、諸般の事情により計画を変更し、D班に合流のうえ「大谷原~鎌尾根」ルートで鹿島槍ヶ岳を目指すこととなった。
5月4日(月)大谷原ゲートで先発隊と合流。気温は暖かいものの、事前の天気予報のとおり薄曇りの朝を迎える。午前5時、大谷原ゲートを出発、林道を進む。約1時間程で、西俣出合に到着。一息入れる。
ほどなく、鎌尾根の取り付き付近に到着。どのあたりから尾根線に乗るか判断が難しい。この季節明確なルートがあるわけでないため、状況に応じトラバースと直登等を取り混ぜ高度を稼ぐ。地図やコンパス、周りの景色から、進行方向を適宜確認し、臨機応変にルートを変える。これが積雪期登攀の醍醐味か。
徐々に傾斜がきつくなりアイゼン装着。切れ落ちた斜面のトラバースにはロープで確保しながら安全確実に歩を進める。パラついていた雨は、時に強さを増す。雪面は、雨と高い気温から緩んでおり気を抜く暇がない。ミスの出来ない張りつめた緊張感と悪雪による歩行困難から疲労を増していく。要所要所で、実践的かつ的確なアドバイスを受けながら、集中力を落とさない様、必死に登攀を続ける。午後3時半、ようやく稜線に到達。ここまで約10時間。肉体的にも辛かったがよく頑張れたと思う。短い休憩のあと、鹿島槍ヶ岳のピストンをキャンセルし布引山経由で、冷池山荘近辺のビバークポイントへ移動。雪面を整地しツェルトを設営、翌日の行動を控え早々に就寝。
5月5日(火)午前2時半起床。4時出発、うっすらと白み始めた稜線を赤岩尾根分岐に向けて歩き始める。稜線上はほとんど雪がなく夏道がでている。降下ポイントから、立山連峰、後立山北部等絶景の朝焼けを目に焼けつける。しばらく景色を楽しんだ後、気を引き締めて下降開始。稜線上の登山道とは一転し赤岩尾根は積雪も豊富で、昨日の雨と明け方の冷え込みもあり表面がクラストしている。アイゼンはしっかりと効くものの奥には雪の柔らかい弱層があり、下降も同様に気は抜けない。2300m付近で赤岩尾根を離れ、西沢上部の雪渓に入る。ここで再び急斜面の下り方・アイゼンワーク等技術的なレクチャーを受ける。一瞬の油断や判断ミスが重大な事態を招くことを頭に叩き込み、慎重に歩く。下ること約1時間、傾斜の緩んだ1600m付近で小休止。
ここで、今回の山行の目的でもある雪上訓練を始める。雪上訓練は、自然物やデッドマン・土嚢等を利用した支点の構築、スタンディングアックスビレイ等確保技術の実技等、現場でしかできないことを約3時間じっくりと取り組むことができた。まだまだ、覚える必要のある技術は枚挙に遑がないが、また次の機会に取り組みこととし、大谷原に向かう。
今回自分が参加したC班の合宿行程は、Bチームを卒業し雪稜登攀経験の少ない我々のために組んでいただいた山行と理解している。雪稜登攀は、登山の基本となる要素を余すことなく盛り込まれており、読図、ルートファインディング、雪上歩行、危険回避措置、確保技術、ツェルトによるBV等、経験することができた。雪稜登攀技術をマスターした訳ではないが、このような合宿を通じ、今後も経験を重ねていきたい。
余談
大谷原に到着直前、この山の主のようなカモシカがこちらを見ていた。
「またおいで」と言っているように感じたのは、自分だけでしょうか・・・。