山行期間 | 2013年12月30日~2014年1月1日 |
---|---|
メンバー | 本田、寺西、有永、湯淺升夫、前本、脇本、松浦、 稲田 |
山行地域 | 北アルプス |
山行スタイル | 雪山登山 |
即日参加表明をし、すぐに自主トレを開始。
11月から開始した厳しい合同トレも終了し、いよいよ本番を迎えた。
やるべき事はすべてやった、という感じだったが…。
◆12月29日
午後5時に離阪、12時前に現地到着後某所で仮眠。
何時の山行なら、せいぜい1~2時間程度しか仮眠が取れないが、今回は十分睡眠時間があった。
◆12月30日
午前5時起床、起点の新穂高温泉に移動し6時半出発。
そして合宿1日目の宿泊地である槍平を目指す。
雪は膝上から多い所で腰下位積もっているが、はっきりしたトレースがあった(ありがとうございます!)ので、順調で進む事が出来た。
穂高平小屋を経て、滝谷避難小屋へ。少し通り過ぎた場所で藤木九三さんにご挨拶。
出発後6時間程で、槍平小屋に到着。
冬季小屋内は既に2パーティーが入っておられた。8人の寝るスペースがあり、雪崩の懸念も少なからずあったので、今日は小屋の中で泊まる事にした。
しかも小屋のすぐそばに沢が流れていたので、水作りが不要となり、その分のんびりと時間を過ごす事が出来た。
午後4時に取った天気図で「明日の天気はまずまず」、「明後日の午後から荒れる」、と読んだので、明日は当初予定の「標高2,300~2500m付近で幕営」を変更し、一気に槍の肩まで登る事にする。
今日の夕食は脇本さん考案の「マーボー扶」。これが中々の好評で、身体の芯から温まる事が出来た。
◆12月31日
午前4時起床、5時半行動開始。小屋の外に出ると結構雪が降っている。
昨日から30㎝位は更に積もっているか?
トレースは辛うじて残っているが、その上に積もったサラサラの新雪が行く手を阻む。
後ろから2名のパーティーが追い付いて来たが、あっさりと抜いて行かれた。
その後はその2名の後を追う様に、先頭を交代しなから暗闇の急坂を登っていくが、徐々に明るくなっていく。
同時に17kgの荷物が背中にのしかかる。
しかもこれだけの急勾配では滑落は致命的。
出発後、2時間程で何とか稜線に出る。その頃にはすっかり周囲は明るくなっていた。
稜線に出ても積雪量は多く、先行者のトレースはあるものの、2時間の激登りが響いた?のかパーティー全体のスピードが徐々に落ちて来る。
途中で幾つかのパーティーとすれ違い、話を聞くが、「雪が多くて…」「天気が悪いから…」と返ってくる返事はは同じものばかり。(結局「山頂まで行った」という話は一件も無かった)
天候も目まぐるしく変化する。サッと陽がさした、と思うと急に吹雪になったり…。
正午になった時点で、標高2,500m付近。目的地の槍の肩はまだまだ先だ。
このまま前進しても時間切れになると判断し、撤退を決意。
当然ながら凄く残念だが、今回は何故か、その事実を素直に受け止める事が出来た。
振り返ると、今歩いて来た中崎尾根が微かに見える…。
そうと決まれば、後は降りるだけ。
全員でのんびりと記念写真を撮りながら、しばし余韻にふける。
本当はあそこから降りるはずだったんだ、と向かいの尾根を…。
下山は飛騨沢までをショートカットして降りる事にした。
トレースがあったが、トレーニングも兼ねて、各自トレースを描きながら降りて行く…。
15時過ぎ槍平小屋に到着。
今日も小屋内は空いており、2013年最後の夜は小屋の中で年越し蕎麦を食べながら過ごした。
◆1月1日
午前4時起床。
2014年の新年は雑煮を食べて、少しばかりの正月気分を味わう。
5時半行動開始。
天候は悪化しており、雪も強く降っている。
途中何か所かトレースが消えていたが、10時半麓に到着、そして「新穂高登山指導センター」に下山報告をし、無念な冬合宿が終了した。
(稲田 記)
【行動記録】
・12/30 駐車場6:45~穂高平8:40/9:05~白出沢10:10/10:35~滝谷避難小屋12:00/12:20~槍平13:30
・12/31 槍平5:30~丸山分岐7:30/7:50~2500m付近12:00/12:15~槍平15:15
・ 1 / 1 槍平5:30~滝谷避難小屋6:35/7:00~白出沢8:00/8:35~穂高平9:15~駐車場10:30