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~春合宿~蒼天の奥大日岳・立山13/05/10

山行期間 2013年5月2日夜出発~2013年5月5日帰阪
メンバー MSD,NSN,KNS,ARK,MYG,YSK,KMR,SMD,NNK,MYI
山行地域 北アルプス
山行スタイル 残雪期縦走

春合宿に向け、先輩方の熱く、時に厳しく、

思いやり溢れるご指導の元、トレーニングに励んだ忙しい4月が瞬く間に過ぎ

いよいよ待ちに待った奥大日岳・立山での春合宿となりました。

今回の春合宿は新人の72期生6名と先輩方4名の総勢10名です。

トレーニングの成果を発揮して、みんなでピークを踏めますように★

 

■5月2日

仕事終わりの22時に集合し、夜明け近くに立山到着。駐車場はすでに満車です。

しばしの睡眠zzz・・・

 

■5月3日

目覚めると青空が!!

今回の山行、期待できそうです。

立山よりロープウェイ、バスを乗り継ぎ、室堂へ。

いつかは見たいと思っていた「雪の大谷」を体験でき、ちょっとした観光気分♪

これから始まる春合宿へ想いを馳せ、さらに心ときめきます。

 

 

 

 

 

 

 

室堂に到着!

目に映るのは

「空の青」と「雪の白」

たった2色だけの世界にすっかり心奪われました。

 

歩みを進めると。。。眼下には色とりどりのテントが立ち並ぶ雷鳥沢が見えてきました。

と同時に。。。雪山がまだまだ不慣れな新人には恐るべし斜面が登場。

何度も練習したキックステップを思い出し、恐々と雪面にアイゼンの爪を突き刺します。

「もっと力をこめて雪面に爪を突き刺せ~!!」とリーダー陣からの叱咤激励。

案の定、アイゼンの爪は雪に突き刺さらず、転げ落ちたり。

頭ではわかっていても実際の雪面でのキックステップは難しい。。。

 

ここで滑落停止訓練開始!

リーダー陣のご指導のもと、ごろごろ転がりながらピッケルを雪面に突き刺します。が・・・

まだまだ力が足りず。。。身体が停止するまでに時間がかかりすぎました。

「気合い!!」「ストレス発散!」と力強く雪面にピッケルを突き刺し

即座に滑落停止されるリーダー陣のお姿は華麗すぎました。

自分の身を守る為にも滑落停止技術はこれからの大きな課題です。

 

好天のもと、訓練に励んだ為、汗びっしょり。  ヤッケを脱ぎ捨て、大はしゃぎ!で雪山満喫。

雪山を満喫した後は今日、明日のベースキャンプとなる剣沢BCへ向かいます。

地図上で見るとそこまで長距離では無さそうだったのですが。。。。

新雪に足を取られながらの急登が延々と続きます。

頼れるものは自分の足とピッケルのみ。 気合いで登ろうにも、息は絶え絶え、足は悲鳴。

すぐそこに見えているのにいつまでも辿りつけない剣御前小屋は幻なのでしょうか。。。

やっとの思いで剣御前に登りついたとき、そこには想像以上の素晴らしい眺望が待っていてくれました。

苦しい中、登りとおせたという言い表せない思いでさらにこみ上げるものがあります。

 

剣御前から剣沢BCまでは、なだらかな下りです。

そして剣沢BCが近づいてくるにつれて姿を現したのは

そう、夢にまで見た剱岳。

まさかここまで剣岳の麓にテント場があるとは思ってもみませんでした。

剣岳の懐に包まれて幸せな2日間を過ごせそうです。

寝不足もあり、明日を夢見て19時には就寝zzz。

 

■5月4日 4時起床

今日は奥大日岳に向かいます。

昨日、NSNリーダーが天気図を書いて下さったところ、今日の天気は荒れ模様。

現時点では青空が広がっていますが、強風が吹き付け、体感温度は低く、先が思いやられます。

NSNリーダーの天気予報通り、だんだんと雲が出始めています。

新雪に足を取られ、なかなかの苦しい道のりが延々と続きました。

そしてとうとう、「奥大日岳のピークを踏んだ!」

と思いきや、どこからともなく「??」「???」「????」

リーダー陣の読図でそこは似非ピークと判明したのでした。

似非ピークを奥大日岳と思って、帰っていったパーティも沢山いたようです。

今回はピーク往復だったので、地図を見誤ったとしても「ピークを踏めず残念。。。」で終わりますが

本来であれば読み間違い=遭難です。読図力の重要さをあらためて感じました。

本当の奥大日岳山頂で記念撮影!!

 

強風吹きすさぶ奥大日岳頂上ではビバーク訓練をしました。

チェルトをひっかぶり、暖をとり、お湯まで沸かす、贅沢休憩です。

普段とは違う休憩方法に、はしゃぎながらも普段からのこういった訓練が身を救うと強く感じます。

でもビバークせざるをえない状況は勘弁です。

身体もすっかり温まり、心いくまで絶景を楽しみました。

天気はますます酷くなり、前後左右はガスが立ち込め、距離感が全く掴めません。

昨日、苦戦した剣御前までの延々と続く急登の苦しさは覚悟していましたが

強風と距離感覚を失い始めた状況下で体力も精神も相当に追い込まれ

剣沢BCに帰りついた時には早朝の青空が嘘のように完全にガスに覆われています。

テントで大量の水を作りながら、果てることない山話に花を咲かせて19時30分就寝。

NSNリーダーの天気図予報によると明日は快晴。

どうか予報通りになりますように★

 

■5月5日 3時30分起床

テントを一歩でると

そこには雲一つなく、果てない空が広がっています。

昨日は姿を見せてくれなかった剱岳が悠然とそびえていました。

今日は立山三山縦走。

昨日の天気が悪かった分、今日の快晴にさらに気持ちを高まります。

東から太陽が昇ってきました。

太陽の位置も地図読みの大きな目印となるとNSNリーダーより読図講習をして頂きます。

剣御前まで行き、別山へ向かうと思っていたのですが

なんとこの雪壁を登って別山に向かうとNSNリーダーより発表がありました。

今回の合宿で一番の核心部が立ちはだかり, 心穏やかではありません。

「もっと雪しぶきがあがる位に力をいれてアイゼンを突き刺すように!」

「中途半端な力で歩くと滑落するぞ!」とリーダー陣の声が響きわたり、緊張の中、力を振り絞ります。

だんだんと体力も失われ、ますますアイゼンを突き刺す力も弱まっていきます。

そんな中、MSDリーダーより「雪山は楽しいなあ~」とのお声。

新人を励ます想いを感じ、緊張と体力不足で行き詰る皆の雰囲気が一瞬、柔らかくなりました。

「この壁の向こうにはどんな世界が待っているのだろう? 」

その想いとリーダー陣のご指導と励ましを受け、登り続けます。

最後には四つん這いになって全身で雪壁に張り付きました。

雪壁の向こうには

360度 北アルプスをはじめとする、神々しい光景が広がっていました。

 

今回の核心部を乗り越えた、という想いと360度の雄大な光景に誰もが思わずガッツポーズ。

 

まだまだ蒼天の立山縦走は続きます。

岩場と雪が入り混じる登りと下りが続き、技術が必要な箇所も多くありながらも

リーダー陣に根気強く、丁寧にご指導頂いたお陰で無事、春合宿を終える事が出来ました。

今回の春合宿が成功できたのもリーダー陣のご指導のおかげです。

アイゼンワーク、雪山の危険回避術、軽量化、最短時間での準備、など

経験豊富なリーダーとご一緒させていただくことで多くの課題にも気付く事が出来ました。

壮大な山を楽しめた、と同時にこれからも山を楽しむ為に

技術の必要性をあらためて感じた貴重な山行となりました。

 

【行動記録】

5月3日 立山→室堂→雷鳥沢→剣御前→剣沢BC

5月4日 剣沢BC→剣御前小屋→室堂乗超→奥大日岳→剣沢BC

5月5日 剣沢BC→真砂岳→大汝山→雄山→一の越→室堂