山行期間 | 2013年1月18日(晩)~2013年1月20日 |
---|---|
メンバー | HND、EMR、SGY、MNO、TGA、IND |
山行地域 | 大山 |
山行スタイル | 冬山遭難対策訓練 |
毎年恒例となった冬山遭難対策訓練が大山の麓で行われ、冬山が大好きなMチーム一年目のINDは興味深々で参加して来ました。
1/19(1日目)
麓の駐車場をいざ出発。
大山寺を過ぎてからは、トレースは有るものの膝上ラッセルになり、交代で先頭を歩きます。
元谷避難小屋に到着、少し休憩して早速訓練開始。
① 弱層テスト。
〈その1〉ハンドテスト
まず直径30㎝・高さ70㎝程の円柱を作ります。
そして上部に手をかざし、軽く手首を振ると…。
表面から15㎝位の処に弱層があり、綺麗に崩れました。
〈その2〉シャベルテスト
今度はシャベルの面積より少し大きい角柱を作ります、そしてシャベルを上にかざし、手で軽く叩くと…。
写真では解り難いですが、シャベルからはみ出した雪が弱層のある処で崩れます。
個人的には少し判断が難しい感じがしました。
② ビーコン探索訓練。
埋没者が発生した場合、ビーコンを「サーチモード」にし、表示している矢印と距離に従って探します。
位置が断定出来たら、プロ―ブを差し込み、埋没者を探し…。
手ごたえがあればその場所を掘り起こします。
ここで少し休憩、午後からは③搬送訓練。
まず手持ちのテントもしくはツエルトを敷きます。(今回は訓練の為ブルーシートを使用しています)
その上にザック、銀マットを敷き…。
搬送者を寝かせます。
そしてカナビナとロープで固定して完成。
明日は実際にこの状態で搬送をしてみます。
③ 確保技術。
まずは「スタンデイングアックスビレイ」
支点を「谷足側」にするか「山足側」にする議論になりましたが、(写真は谷足)その時の状況で使い分けるのが良い様です。
次に「スノーバー」「デッドマン」と呼ばれる物を使用して支点作り。
どうもスノーバーは柔らかい雪では効きにくい様です…。
④ 雪胴堀り。
写真は斜面や大木を利用した「半雪洞」と呼ばれる物ですが、一時的な休憩には十分風をしのげるで使えると思います。
そして小屋に戻りHNDさんが用意してくれたキムチ鍋を囲み1日目が終了。
1/20(2日目)
訓練2日目は雪崩に巻き込まれた事を想定し、埋没者の掘り起こし~搬送を行いました。
小屋から稜線までを少し登りますが途中ではラッセルの練習を兼ねて雪壁状の処を登ります、これが中々大変でした…。
そして昨日予習したビーコン探索訓練を行いながら、埋没者を掘り起こします。
埋没者を掘り起こした時に、すぐに体温保護を行う必要があるので、あらかじめツエルトを用意しています、その隣では別の人間が同時に搬送の準備をしています。
人数がいる場合はこの様に手分けをしながら作業を行います。
続いて搬送に移りますが、今日はこの原稿を投稿しているINDが搬送者の体験をしてみました。
昨日の要領で搬送準備を行い…。
体温保護の為、ダウンジャケットを身にまとい、更にビニール水筒に湯を入れ「湯たんぽ」代わりにしています。
搬送準備が完了すると周りの立木でビレイをとりながら移動させますが、引っ張る側はかなり体力が要る様です。
実際に搬送された感想ですが…。
・十分な体温保護対策が必要である。
搬送開始後すぐに足が冷たくなって来ました(当然保温材入りのレザーブーツを履いています)、そして15分位で上半身に寒さを感じる様になりました。
・周りが見えない為に不安を感じる。
当然ながらシートに巻かれている為、外部の状況が解らず結構不安になります、この場合は搬送している者とされる者とが定期的に会話を交わす事で(意識があればですが)多少の安心感が得られると思います。
・ブッシュの上などを通過するときに身体が痛い。
これは出来るだけその様な場所を避けて通るしか仕方ないでしょうか…。
以上の訓練を行い、充実した2日間が終了しました。
皆さんお疲れ様でした。
今後もこの様な訓練には積極的に参加したいと思います。
(IND)