山行期間 | 平成24年10月20日 |
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メンバー | KSM、HND |
山行地域 | 大台ケ原 |
山行スタイル | マルチピッチフリークライミング |
先月サマコレを登った我々は、次はサンダーボルトにも行ってみたいね、と話していました。
直前になって二人の都合が合い、急きょ登攀を計画しました。
二人の力を考えると、何とか全ピッチオンサイトを狙える、ぎりぎりのグレーディングと思われ、挑戦しがいがあります。
前夜の作戦会議で、奇数ピッチをKSMさん、偶数ピッチをHNDがリードすることに決め、オンサイトを誓い合ったのでした。
天気は良く、岩のコンディションも良さそうです。
今回はKSMさんのリードで登攀開始。
以後、つるべで。
70~80°位の緩いフェースを登る。
ウォーミングアップにちょうど良い。
朝一の緊張するクライミングですが、落ち着いて登ってくれました。
9P目までの全てのビレイ点は、写真のようなリングがかかっていました。
25m以上のピッチでは、中間にも同様の下降点があり、50mシングルロープでの登攀を前提にルートを作成してありました。
開拓者に感謝です。
70~80°の緩いフェースを登る。
1P目よりは少し難しい印象。
適度に支点があり、安心して登ることができました。
ビレイ点の少し下を、左に大きくトラバース。
ラペルステーションが出てきたら、そこから左上。
はがれそうなフレークが有り、要注意。
ここまではまだ余裕の表情?
出だしの小ハングを越え、やや傾斜の立ってきたフェイスを直上する。
最終ピンをとってから抜ける所が核心。
細かいカチを頼りに一気に足を上げたら、奥の方にガバがありました。
一旦右へ出てからフェイスを登って、左へトラバースし、最後に小ハングを越える。
ビレイ点からはサンダー2の支点が目立つので、間違いやすいと思われ、注意が必要。
写真の位置が浸み出しで濡れていた。
ハングの部分も細かく、難しい。
この直後に、涙のフォール。
濡れている所でのスリップだった。
トラバースの部分は、フォローでも怖かったです。
簡単なスラブを左上したあと、草付き伝いに登る。
草付きでのスリップに注意。
核心の4~5P目のあとなので、易しく感じます。
クラックから右のフェース。
最終ピンから右のフェースがもろく、ビレイ点の真上になるので、落石に注意。
途中から、不調のKSMさんに代わって、HNDがリード。
ジャミングを使わなくても登れます。
最後のフェースは少し左から逃げてしまいました。
本来のルートから外れてしまったかな?
コーナーからフェイス。
コーナーの中の木が邪魔。
コーナーを抜けた後のフェイスも、破砕帯の岩に触らないように注意が必要。
ビレイ点から見上げると、威圧感のある垂壁に一瞬ひるみましたが、コーナーをうまく使えば傾斜を殺すことができます。
木が邪魔で分かりにくいですが、コーナーの中はホールドも豊富です。
ビレイ点右のフェイスを少し直上した後、トラバース気味に右上。
終了点が分かりにくいが、捨て縄のある木まで登るのが正解。
特に難しい所はないものの、ここまでの疲労がそろそろ出てきます。
ハングを越え、次のハングを左から回り込む。
出だしのハングが核心で、ボルダームーブになる。
ハングを越えたら簡単。
百日紅の木まで。
立木を使ってプレクリップしたら、安心して核心にトライできる。
このハング越えのムーブが面白かったが、リーチがないと少し苦労するかも?
少しミスもあり、10ピッチ全てをオンサイト!とはいかず、悔しさが残りましたが、サマコレをオンサイトできたらぜひ登ってほしいルートです。
ただし、もろい部分が何か所か出てくるので、初心者にはお奨めできません。
グレーディングについては、私個人的には甘めかな?と感じましたが、全てのピッチが油断できないという点で、サマコレよりも精神的、肉体的なタフさが要求されると感じました。
サンダー2や、最終ピッチの右ルートにも後ろ髪をひかれながら、千石嵓をあとにしました。