山行期間 | 2024/10/7〜10/8 |
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メンバー | SOT HYS TKD |
山行地域 | 北アルプス 穂高連峰 |
山行スタイル | アルパインクライミング |
10/6(日) 晴れ
アプローチをどうすべきか直前まで迷っていた。翌日が雨予報のため、できれば初日に中央稜登攀を終えたい。ワンデイできるとしたら白出沢ルートしかない。参考コースタイムは長時間だし、体力面についての不安もあったが、色々な山行記録を参照するとそれほど時間がかかっていないものも多く、いけると踏んだ。
本当は新穂高ロープウェイの無料駐車場に停めたかったが満車。仕方なく鍋平に駐車し、3:20真っ暗ななかスタート。まずは林道を黙々と歩き5:15白出沢口まで。ここから林道を離れて登山道となるが、破線ルートではあるものの一般道なので、道はちゃんと踏まれていてわかりやすい。樹林帯のなかを歩いているうちに徐々に夜が明け、6:15重太郎橋に到着。増水時には流されてしまうらしいが、想像していたよりも立派な、しっかりとした橋で、不安なく渡ることができた。長いハシゴや鎖場を経て、7:10荷継小屋跡へ。ここからはひたすらガレ沢を詰める。
下調べでは浮石だらけで簡単に岩雪崩を起こす、みたいに書いている記録もあったが、実際はそれほどでもなく、例えば天狗沢のほうがもっとガレていると考えていいと思う。
楽しみにしていた「スベル アビナイヨ」の岩を生で見られて満足するころには標高もだいぶ上がり、自分は明らかにペースダウン。空気が薄くて息があがり、喘ぎながら登る。穂高岳山荘の石垣は見えてるのに、なかなか着かない。ヒマラヤ数千メートルの高峰を登るがごとくスーパースローな動きで、ようやく白出のコル(穂高岳山荘)へ。嬉しいことに想定より早い9:30に到着していた。
これはドーム中央稜ワンデイ行けるぞ!本当にできるのか不安だったものが一気に現実的になり、パーティの士気も上がる。
10:00北穂への縦走路を進むが、涸沢岳へ登るだけでもゼェゼェいう始末で、高所に弱い自分は頻繁に足を止めながらとなって情けない限り。それでも11:45ドームの頭直前、取り付きへの下降路分岐までやってきた。
ここで登攀装備を身につけ、アタック装備以外はデポ。
気持ちよく晴れているが稜線の滝谷側は常に風が吹いて、けっこう寒い。日のあるうちに登攀を終えたいため、さっそく取り付き目指して踏み跡を降りていく。踏み跡は明瞭で途中までは順調だったが、最後の懸垂支点を見つけられず。目印のピナクルというのがハッキリせず、30分くらいは行ったり来たりでタイムロスしたが、見つかった時は心底ホッとした。
50mロープ折り返して1本で懸垂下降。ほんとうに図ったようにちょうど降りられた。というわけで無事にドーム中央稜取り付きに到着でき、13:30クライミング開始!
1P目 Ⅴ− 40m HYSさんリード
少し緊張してスタートしていったが、サクサク進み、上部から「楽しい!」の声が。フォローはチムニーでザックが邪魔になり、意外と苦しい。
2P目 Ⅳ 40m HYSさんリード
リッジからカンテ、最後はスラブ。ハーケン連打あり。難なく登っていった。
3P目 コンテで歩き(SOTさんリード)
4P目 Ⅳ 40m TKDリード
息が苦しすぎてリードできるか不安だったが、意外と登れた。チョックストーンは潜るらしいが、間違って上から乗越してしまった。
5P目 Ⅳ 40m TKDリード
凹角からハングを右から越える、とトポにあるが、最後はクラックがあるのでハンドジャムを効かせて左から乗越した。
16:00トップアウト。ドームの頭へ。終盤は残念ながらガスが上がってきたが、3P目くらいまでは絶景のなか充実のクライミングが行えた。
荷物を回収し、最後の力を振り絞って16:30北穂高岳まで辿り着き、達成感のうちに行動を終えることができた。
10/7(月) 雨
天気予報は見事に当たった。3:00起床して間も無く雨が降りだし、すぐに本降りとなった。往路を戻るのは危険だったので、上高地へ下山することに。早く下りたかったので5:00前には下山開始し、たった1時間くらいで北穂南稜を下りて涸沢まで。その後もガンガン歩を進め、結局10:30に上高地着。ヤバい、早すぎ。代償として足腰がガタガタになったが、速攻作戦で有名な滝谷を体験でき、感無量の山行となった。
SOTさん、HYSさん、ありがとうございました!