山行期間 | 2023/7/14〜7/18 |
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メンバー | ICH.S HYS |
山行地域 | 立山 |
山行スタイル | アルパイン |
今年は雪が少なく、8月の八ツ峰・チンネは長次郎谷の雪渓の状態が悪くなる事を予想し私達の夏合宿を7月にすることにした
見事に予想は的中し雪渓の状態は1〜2ヶ月早まっているとの情報だった。
3泊4日前半の天気は雨と風が強い予報。どうなるか不安な気持ちで7/14離阪した
7/15
始発のロープウエイが取れず7時のロープウエイで室堂からスタート
剱御膳小屋では強風にふかれ、トイレの中で休憩。寒い
しばらく進むと風は落ち着き長い雪渓歩きが始まる。
アイゼン、ピッケルで長次郎谷へ。
2021年の同じ時期にもここに来たが明らかに雪渓が少ない。
早い段階で左岸の岩を巻きながら進む。
SUMパーティが同じ日程で八ツ峰に挑戦するために熊の岩を目指していた。
SUMパーティの後を追う
無事に熊の岩に到着。
熊の岩には合計7つのテントが並び賑わっていた。
7/16
早朝から雨が降ったり止んだり。
3時起床4時出発の予定で、Cフェイスと八ツ峰上半部の予定だったが、雨で待機する。
しばらく待つと雨は止んだが、また12時ごろから雨予報。
7時20分。岩は濡れているだろうが、様子を見に行ってみることにした
5、6のコルの雪渓の様子を見にいく。
かなり雪渓は少ないが6峰の岩の基部は問題なく通過できる事を確認し、Cフェイスへ。
Cフェイスは当然ながら雨で濡れ濡れだった。
遠くからCフェイスを見るとかなり岩が寝ているように見えるが、実際登ってみるとそうでもない。
濡れ濡れだが、1.2ピッチ登ってみることにした。
1P I C H S:スラブからバンド。濡れてはいるが2〜3級とグレードは低く。手もあり濡れてはいるがフリクションも悪くない
2PH Y S:凹角からフェースハイマツまじり 2級
ここも濡れてはいるが問題なく行けそうと2人で相談しこのまま登ることにした
3P:I C H,Sすっきりしたスラブ状フェイスを左上しリッジ右側を登る
一見右の方が登り易そうに見えたが、トポに従い左上する。
4P:HYSリッジをトラバース
ここが一番の映える写真スポットだがガスの為何も見えず。写真すら撮らなかった。
5P:I C H、S優しいリッジを歩きCフェイスの頭へ
さてこれからどうする?
ガスがかなり濃くなってきており、12時からは雨の予報。
八ツ峰上半部縦走の計画だったが視界不良と雨を懸念し6峰から5、6のコルへ懸垂することにした。
AフェイスとBフェイスの境目で懸垂ポイントを探すが、いろんな所にされらしい懸垂ポイントがある。
Aフェイスを登っている人に聞いてみるともう少し下かと言われる
もう少し巻きながら降りてみると。ハイマツに何重にも捨て縄が巻かれた支点があった。
距離的にもここで間違い無いだろう。
無事に5.6のコルまで1ピッチで降りることが出来た。
テントに戻ると雨が。雨の前にテントに戻れて良かった。
7/17
早出をするつもりだったが、暗すぎて迷って時間をロスした話を聞き。
4時20分スタートとした。
すでに少し前を2パーテイが歩いていた。先を越されたが仕方ない
右俣の雪渓は2ヶ所切れており、右端から岩に降りたり雪渓に戻ったりしながら1時間で池の谷乗越に着いた。
3年前と比べるとかなり雪が少ないと感じた。
落石の池の谷ガリーへ
すぐ前を別のパーティが歩いている為、落石を起こさないように距離をあけ慎重に降りた。
雪渓に乗り移る部分が今にも落ちそうなスノーブリッジになっており一番緊張した
なんとか無事にスノーブリッジを超えチンネの取り付きに
ここも雪渓は少なかった。
前回は雪渓から飛び移ったが、かなり間が開いており飛び移れそうな雪渓はなく、下の方から周わりこみ取り付きに。
この日1番乗りのパーティーが出発するところだった。
私たちは3番目となった。
前回と違うピッチをリードするべく奇数ピッチをH Y Sが行くとこにした。
1P:H Y S :Ⅳ級フェース(トポでは2P目)細かいホールドを探しながら登る
2P:I C H、S:Ⅲ級フェースからバンド〜ルンゼ
前回は間違えルンゼに入らず難しいフェースを登ったが、今回は間違えずルンゼの階段をいく
3P:H Y Sフェース:Ⅲ+出出しのフェースが少し登りにくい
4P~6P:Ⅱ〜Ⅲ級:1番目のパーティーのロープが60mらしく。前パーティが切った場所によってこちらもピッチを切ったりしながら、ツルベで進む。
7P:I C H S ピナクルの連立するリッジⅣ級:ここも難しくはない
8P:H Y S Ⅴ級チンネ核心のチンネの鼻:カンテからハングの乗越。
高度感が抜群。ビレイだが見ていて緊張。なんと核心部には残置のシュリンゲが
ありがた迷惑?もちろんゴリゴリH Y Sは無視して進む。
9P:I C H S:クラックからフェースⅢ+:クラック苦手なのでフェースで登ろうとするとなんだか登りにくい。
10~12P: Ⅱ〜Ⅲ+リッジ〜ナイフエッジ:ツルベで進む
6時半に登攀開始し、12時半に登攀を終了した。
前のパーティを少しまったりする事があったので余計な時間がかかったが、一番に取り付けなかったのでしかたがない。
最後は2P懸垂して池の谷ガリーへ。
1P懸垂した場所には2ヶ所の懸垂支点がある。岩かげから初めロープを引いたが、岩角に当たり下りてこなくなった。
まつすぐ降りてきた場所に移動しロープを引っ張ると降りてきたが、後で聞くと後続パーティが引っかかったのを外してくれたらしい
あとは、ガレガレの池の谷ガリーを登り返し。又右俣の雪渓を下る
結構な斜度があり慎重に岩に降りたり雪渓に戻ったりしながら降りる。
15時に無事に熊の岩に到着。
この日熊の岩からチンネに出発した3パーティ全員無事に戻り皆で喜び合う。
7/18
3時起床
4時20分熊の岩を出発
長い下山が始まる。
食料が減り少しだけ軽くなったザックを背負いひたすら歩く。
長次郎谷出合までの雪渓も悪かったため、行きと同じように途中から左岸の岩を進む。
長次郎谷出合の雪渓は3日前より明らかに悪くスノーブリッジになっていた。
1人ずつ進む
雪渓こんなに長かったっけ?
行きと帰りではこんなに感じ方が違うのか?やたら長く感じた
7時40分 劔沢
11時に室堂に着いた。
今年は雪が少なく私たちの夏合宿を1ヶ月早めた。それでも雪渓の状態は悪かったが、それほど難儀することなく進むことができた。
日程も3泊としたことで、天候も回復し、快晴の元チンネに登ることができ、予定のルートを無事に全て登ることが出来た。
最高の夏合宿となった。