山行期間 | 2022年1月7日(夜)~9日 |
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メンバー | TGA、ABE、DI-S |
山行地域 | 八が岳 |
山行スタイル | 冬期登攀 |
八が岳でメジャーな西面ではなく、静かな東面を登ってきた。
1/8 サンメドウズスキー場の始発リフトで高度を稼いで1900 mへ。リフト降り口左手の登山道を登ったが、途中では大きなカモシカが先導してくれた。牛首山~扇山を経由して2500 m付近にテント設営。東稜の登り口まで偵察して帰幕。今回は2日間ともに先行のバッチリトレースを活用した。
1/9 6:00テント発-標高2550m 付近から右手に折れて大門沢左俣上部をトラバースする(今回の山行で大門沢へ向かう折れ口に赤標布をつけてきました)。東稜に上がって、少し尾根通しに登ると最初の岩場に突き当たる。
岩場を左に回り込んで大きなダケカンバのある所からトップDI-Sでスタート。ルンゼ状を左上し、岩の基部を左トラバースして後にチムニー状の露岩を直上してピッチを切る。Ⅲ+級、45 m、途中に残置支点なし(古い残置シュリンゲの掛かった木が1本あり)。岩の基部の左トラバースはブッシュとのバランスが悪いうえに、声が全く通らずトップとビレイヤーの意思疎通に苦労した。チムニー状の露岩の登りは5~6 m 程度だが、岩の脆さもあって少し緊張する。
このピッチの記録には右からと左からとの両方があるが、登攀後の観察では右から登るか、我々の取りつきから右上する小さなルンゼを登るかのいずれかの方法でさっさと稜線上に上がるのが正解のようだ。稜線上は雪稜でラッセルとなろうが、岩場の基部をトラバースするよりも面倒でないようだ。
その後、Ⅱ級の雪稜をロープ無しで250 mほど登行すると第2の岩場。難しい雪稜ではないが、横風が強い場合はやっかいだろう。
岩場の基部からABEトップで登行。これも左へトラバース気味に45m登って灌木でピッチを切る。Ⅲ級、途中に残置無し。次にTGAトップで草付きを7~8 m左上してから左のルンゼを上ってダケカンバの灌木帯に入り、これを直上する。Ⅲ+級、45 m、途中残置支点無し。
第2の岩場は2ピッチで完了だが、稜線に出る直下でピッチを切ったため、あとわずかではあるが最終ピッチとしてロープを延ばす。ラストで登ってきたABEがそのままトップ。5 mほど右上して稜線に上がる。ここでピッチ終了としてあとはフリーで登っても良かったのだが、稜線の東面をブッシュとハイマツに足を取られながらロープをつけて登り、最後は掘り出したハイマツでビレー、Ⅱ級、40 m。あとは岩の混じる稜線をフリーで竜頭峰。ここにザックを置いて赤岳を往復。
竜頭峰から稜線を辿って、真教寺尾根を下降。鎖場もあり、注意しながら下降。15:30にテントに到着。衆議一決で下降、帰阪とした。途中からヘッドランプの長時間残業となり、19:45にスキー場の車に到着。大阪には朝帰り。
今回は1日早く下山したが、3日間の日程であれば1日目:2500m付近にテント設営、2日目:東稜から赤岳を踏んで西面の行者小屋泊、3日目:赤岳西面(赤岳主稜など)登攀~真教寺尾根下降も可能であり、より充実した山行となるだろう。