山行期間 | 10/23~24 |
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メンバー | TGA・SOM・KSI |
山行地域 | 大峰山系 |
山行スタイル | 縦走 |
大普賢岳に向かう途中、指弾ノ窟・朝日ノ窟・笙ノ窟・鷲ノ窟という自然洞窟があります。密教僧の日蔵上人が修験道として行われた行場。
その上の尾根筋が笙ノ窟尾根バリエーション。このルートの資料は1993年に書かれた物と、インターネットで見つけた2008年、2009年の記録だけ。
現在の情報が少ない中、行って見たいという思いで3人で決行してきました。
道の駅杉の湯で前泊。24日起床時は曇り。昼頃から回復の予定。
和左又フュッテが取り壊れ、キャンプ場も使用出来ないので、林道途中にある駐車場に止める。キャンプ場のトイレは使用出来ます。
和左又のコルから進むと指弾ノ窟の手前に尾根筋が現れる。ここに降りてくる予定だ。
実は前夜、大普賢岳には3人とも登っているので行きたいかというと、「別に・・」との声が。当日リーダーに相談、メインを楽しもうとを端折らせて頂きました。
日本岳のコルで装備の準備。大普賢への登山者から珍しそうに見られる。
コルに倒れている巨木の裏に道がある。石の鼻への道を見送り斜上して左を行く。
歩きによってはいつでも足元が崩れそうなトラバース。ピンクテープがある岩壁を登り、立ち木につかまり進んでいく。
日本岳まではテープがあるので迷いはない。尾根に出てからピークは少し先にあった。
ここからテープも踏み後もない尾根を東に進む。人の入ってない感じが濃い苔生した枯れ木をまたぎ、時には抜けそうな腐葉土の道を注意しながら進んでいく。
根が張り出した岩稜に行き着いた。降りれるか見てみるが、あまりにも悪い。思っていたよりも早い段階での最初の懸垂下降を行う。
今日は朝から気温が上がらないようで(確か予報では1500Mで4℃)朝露で濡れた手袋している手が痛い。
さらに進むと左手に降りる年代物の残置ロープがある。ここもまた足場が悪い。ロープを頼らず先に降り出したSOMさんが触った40~50センチ四方の岩がぐらっと動き驚く。降りている間にも落ちてきたら一溜まりも無い。幸いこの下にルートはない。ここは人工的に落石とした。いつまでも鳴り響く落石音に正直ぞっとした。3人とも慎重に降りる。
この先で2回目の懸垂下降。1歩めの足場がなく、不安定さゆえ最初のバランスに少し苦労する。枝が多いのでロープを上から繰り出しながら懸垂をする。なだらかなコルを歩くと、次はナイフリッジだ。書物では、「高度感があれば八つ峰のCフェース剣稜会ルート上部を思い描かせる」とある。期待大。
ナイフリッジは最初周りに木々があるので怖さはさほど感じないが、抜けたところから眼下をみると下腹がきゅっとなった。右側は切り立った崖、残置ロープもあるがもちろん触らない。岩の固さを確認しながらリッジを登る。ここが3級くらいか。晴れていてよかった。登った先から見た景色は紅葉が何とも綺麗。
P1505で写真を撮り、さらに下っていくと滑り台のような岩が出てきた。地図では終着点の少し手前ぐらい。ここで50Mロープを2本繋いで3度目の懸垂下降となった。
降り切ってさらに崩れやすい斜面を下ると、そこから一般道がすぐ見て捉えられ合流することが出来た。そこは指弾ノ窟のすぐ横であり、最初ここに出ると言っていた尾根筋との間だった。
記録 (KSI記)
和左又フュッテ跡地7:46-日本岳コル9:00-日本岳9:35-1回目懸垂下降9:25-2回目懸垂下降10:00-ナイフリッジ取り付き10:40-3回目懸垂下降11:08-終着点11:38-和左又ヒュッテ跡地12:10
ルートグレードは今回のように下降した場合はⅢ級-~Ⅲ級。登路とした場合はⅢ級~Ⅲ級+。この尾根を登路とする場合は今回は懸垂下降した箇所を登ること(最高ピッチグレード:Ⅲ級+)に加え、核心部のナイフリッジは下りになるので、下降よりもやや難度が上る。下降、登行、いずれの場合であっても2ピッチ以上の登攀はなく、1ピッチのみ。狭い尾根通しであるために、ルートファインディングはさほど困難ではないが、実戦力が問われるルートと言える。