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夏合宿 白山縦走 静かな雨修行20/08/21

山行期間 2020年8月11-13日
メンバー NGS SUM
山行地域 白山
山行スタイル 縦走

今年の夏は、以前から温めていた白山縦走と決めていたが距離が長い。誰か興味を示してくれるかな?と思案していたところ、昨年長距離縦走(室堂~上高地)で一緒に歩いたNGSさんに打診してみた。快諾していただけたので実施の運びとなった。。

1日目:午前中を費やして公共交通機関で登山口まで移動するのだが、まず美濃太田で集合。SUMは新幹線を使って。NGSさんは在来線を乗り継いで偉大なる小旅行! ここから長良川鉄道でのんびり美濃白鳥へ。思わず演歌を口ずさみそうな風情。美濃白鳥からはオンデマンドバス(申し込みがある時だけ運行される)に乗車。13時すぎにやっと白山中居神社前到着。安全祈願していざ出発。

 

 

(白山中居神社)

約7kmの林道歩きでウンザリしかけた1時間過ぎに登山口着。ふ~っ。

 

 

(石徹白登山口)

 

さあ登山道へ入るぞ、とその時、「ウ~、ウ~」と救急車、レスキュー車が到着。どうも救援要請があったようだ。山中で見かけることがあれば報告する心づもりで出発。
ここからは、ひたすら上りが続く。思ったほどの急登もなく、先を急いでいたところ、ヘリの音が聞こえてきた。谷筋や稜線を丁寧に探索しているが、どうも見つからないようだ。視界の開けたところで、ヘリから「要救者を見かけましたか?」と問いかけがあったが、「X」の合図を出して残念ながら見かけていないことを伝えた。
16時過ぎ神鳩ノ宮避難小屋着。ラッキーなことに貸し切りだ。
(ちなみにトイレは携帯トイレ用です。携帯トイレそのものも備え付けてあり、用済みのモノは石徹白登山口に回収箱があるそうです)

 

 

(神鳩ノ宮避難小屋)

 

18時頃、まったりとしていると外が騒がしい。こんな時間に誰か泊まるのかな? するとガラガラと入り口が開き「郡上市消防本部です。要救者を見かけませんでしたか?」「見かけていません。ヘリにもそう答えました」 レスキュー5名は夕暮れの中、下山していった。
夜中に外がピカピカ光り始めた。やがて大粒の雨が避難小屋の屋根を叩く。かなりの量だ。この雨が残り2日間の雨修行のプロローグであった。

2日目:午前4時出発。出発直前に小降りになって喜んだのも束の間、出発時にはしっかり降っていた。
午前6時過ぎ三ノ峰避難小屋を通過したころ、またヘリの音が聞こえた。視界が悪いようで早めに聞こえなくなった。要救者の方の無事を祈るのみ。
この辺りから木々の背丈が低くなり視界が開けて行く先をすべて見渡せるはずなのだが、ガスガスだ。雨天を嘆きながら歩を進めた。但し高山植物が豊富になってきて、この先、”お花の癒し”が歩みの原動力になってくれた。
別山を過ぎると、ところどころ崩落地のやせ尾根も出てきた。雨の中で気を緩められない。

 

 

(別山神社)

 

このころ本日初の(結局最後の)縦走者に出会った。(白山室堂除く)
白山に近付いた頃、油坂の下りの洗礼を受けた。今回の縦走では”きついなあ”という上りは殆どなかったが、数か所”あ~しんど”という下りがあったのが印象的であった。(逆に歩けば”きつい上り”になるのだが)
南竜山荘を過ぎ、トンビ岩コースを経て白山室堂に到着。あたりは真っ白。さすがにここでは少しの登山者を見かけた。そして驚き。室堂ビジターセンターには温水洗浄便座完備のトイレが出来ていた!
ガスのなか御前峰を目指す。12:15登頂! 誰もいない。写真を撮って先を急ぐ。まだ今日の目的地まで1/3残っている。

 

 

(白山御前峰)

 

この先は下り基調だが、アップダウンが控えている。ヒルバオ雪渓までの下りが2回目の「あ~しんど」であった。
北弥陀ヶ原の辺りで一瞬雲が切れ、対岸の地獄尾根が眺められた。50-100mのアップダウンを繰り返しながら、随所に現れるお花畑に癒されながら黙々と進んだ。ここを歩いていてもうひとつ感動。メジャーな道ではないが、ほぼ全線草刈りの手が入っている。白山を愛する人が手入れしていただいていることに感謝。
さあ本日最後の下りだ。三俣峠を過ぎて約200m「あ~しんど」と下ったところにヒョイとゴマ平避難小屋が現れた。ずぶ濡れで中に入ったところ、またもやラッキー貸し切りだ! 室内でツェルトを立てて乾燥室完成。
夜半からまたもや大粒の雨だ。”明日もヤレヤレ”と思いながら、おやすみなさい。

 

 

(ゴマ平避難小屋)

 

3日目:この先の道が厳しそうなので明るくなる午前5時に出発。まず100m登って300m下る。これがまた「あ~しんど」 谷底のシンノ谷には鉄製の橋がかけられていた。 谷底から稜線をたどって登りきると、ここからも50-100mのアップダウンを繰り返す。ほぼ30分毎に雨が降ったり止んだりを繰り返しつつ「晴れていれば振り返ると白山が拝めるのに」と心でボヤキながら前進する。
4時間後たどり着いたのが野谷荘司山。昨年12月の冬とはまったく違う景色だ。
そして最後のピーク三方岩岳を目指す。10時15分到着。あとはひたすら下るのみ。

 

 

(三方岩岳)

 

下りだけと思っていたら最後の試練、雷が近付いてきた。標高が下がって樹林帯の中なので、あまり心配ないのだが、開けたところで”ピカッ”と光ると心臓に悪い。加えて道中で一番の大雨。登山道が川のようになって、最後の「あ~しんど」。そして本日は縦走路で誰にも会わなかった。最後は車道を歩いて白川郷へ。お疲れさまでした。

人に会わない静かな、そして続きの修行合宿でした。

(SUM記)
1日目 白山中居神社スタート(13:15)-石徹白登山口(14:30)-神鳩ノ宮避難小屋(16:15)
2日目 小屋発(4:00)-別山(7:50)-白山御前峰(12:15)-ゴマ平避難小屋(16:50)
3日目 小屋発(5:00)-野谷荘司山(9:00)-三方岩岳(10:15)-白川郷ゴール(13:30)