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夏合宿 チンネ左稜線・八つ峰Ⅵ峰Cフェース~主稜上半縦走19/08/14

山行期間 2019年8月10日~13日
メンバー SGY(CL) ABE(SL) SZK DTE
山行地域 剱岳周辺
山行スタイル チャレンジ&エンジョイ!アルパインクライミング


剱岳ロンリープラネット☆(アルパイン編)  Zinne~岩と雪渓と花~

SGYリーダーと当初8人くらいいた大阪の女性たちは、3人の女性たちまで減ったためかしまし度はぐっと下がり、私もサブリーダー免除でホームページ担当です。

8月10日

前日立山の駐車場に入って仮眠、アルペンルートのチケット行列はそれほどでもなかったので、6時台のケーブルに乗れ、室堂ターミナルでNGS先輩に会いました☆

本日は熊の岩までのアプローチ。分かりきっているが長い。これぞアルパインです♪

長次郎出合では、雪渓をビブラムソールだけで走って下りる訓練をしている人たちが駆け下りてきてびっくりした。

SGYさんから「去年は15時に着いたなぁ」と聞いたとき14時すぎくらいだったのでやばい!!と思って、ラストスパートで初体験。の熊の岩に入りました。横に八つ峰が全部見えて雪渓のお水が取れてチングルマもまだ咲いている!!ここは天国なのか。

これから3泊ここで過ごすなんて幸せです。

道々これからの天気の話をしていたがやはり、太平洋に停滞する台風の動向がよく分からないので、メインイベントのチンネは先に行きましょう。いきなり左稜線、ドキドキです。

8月11日

3時起床でチンネに向けて出発。長次郎右俣の上部はけっこう急だったので、これは下降できるのか??と思いながらチンネが待っているので深く考えないことにした。

乗越から池の谷ガリーを三の窓まで下る。雪渓はなくてありえないほどガレガレ、三の窓から右側の岩の基部沿いに雪渓を行くと、左稜線に1パーティ取り付いているのが見えました。ここの雪渓もけっこうこわくて、雪渓がやばい?と思いながら、深く考えないことにした。

6時50分 ABEさんパーティ先行でクライミング開始です。私は核心以外の奇数ピッチ行っていいですか。SGYさんはだいたい、いいですよこだわりはないですよ、と言ってくださいます。

チンネ左稜線 ①ABE/SZK ②SGY/DTE

1P目 凹角からテラス(ⅲ)Dリード

2P目 フェース~バンド~フェース(ⅳ)Sリード

3P目 フェース~ピナクル(ⅲ)Dリード

4P目 フェース~リッジ(ⅳ)Sリード

5P目 コンテで歩き 易しいリッジ(ⅰ)

6P目 リッジの上~凹角~フェース(ⅱ)Dリード

この辺から高度感がすごい!アルパイン!という感じがします。すごい景色、日本とは思えないです。

7P目 ピナクル群~T5(ⅳ)Sリード

8P目 「鼻」(ⅴ)Sリード

9P目 リッジの凹角~フェース(ⅲ+)Dリード

この辺で後ろのパーティが追いついてこられましたが、なんとか渋滞なしで最後まで抜けられました(後ろに2パーティくらいいたようです)

10P目 リッジ沿い~終了点(ⅱ~ⅲ)Sリード 

 

左稜線は、聞いていたとおり核心以外はホールドもスタンスも豊富で、登りやすいですがやはり本番でのⅳ級~は私にはハードルが高い。

ABEさんもSGYさんも核心のⅴ級をすいすいと抜けられ、さすがでした。ABEさん強い強いと言ってても自分は一向に強くなりませんね。がんばりましょう。

(使用したギア)

ダブルロープ 50m 2

キャメロット♯0.2、0.5~2

ナッツ ハーフセット

アルパインヌンチャク10セット

長シュリンゲ2

(私が紛失したギア) カラビナ1 短シュリンゲ1 キャメロット♯1   

 

岩の中でもキューティ

下降は終了点から1P懸垂のち池ノ谷ガリー側に2P懸垂でした。ここは聞いていたとおりの落石地獄なので、後ろのパーティにちょっと待ってもらったりしながら無事着地しました。池ノ谷ガリーの中でスマホの電波が入った!ので天気図を取り、台風の位置とかはあまり変わっておらず翌日も予定通り行動できそうです。

あとは熊の岩に帰るだけだー。と思ったら、私にとっての核心はこの後に控えていました。長次郎を下るのがこわいこわい。尻もちでもつこうものなら熊の岩までノンストップで大惨事になります。前向きはぜんぜん無理で、バックステップでも足プルになってきて生まれたての仔鹿になりました。Bチームのときのほうが歩けてましたよ?ロープ出しましょうか?とあきれ気味のSGYリーダーが優しく見守ってくれる中、ABEさんとSZKさんを散々待たせて1時間半かけて熊の岩にたどり着きました。大きい靴とアタックザックを持っていくべきだった。アイゼンは10本爪でほんとに、よかった・・・。雪を背負うことはできませんでした・・・。がっくし。

 

8月12日

三日目。八つ峰Ⅵ峰Cフェースから上半部の縦走です。3時起床でCフェースの取り付きへ。一番で取り付くと、前日チンネ左稜線を先に登っていた二人パーティが来られて、一緒のパーティみたいですね、とジェントルメン。後からも続々。5・6のコルから八つ峰に取り付いているパーティ、雪渓の中でスクワットしている大学生?などお祭りのような長次郎でした。

 

剣稜会ルート①ABE/SZK ②SGY/DTE

1P目 スラブ~凹角(ⅲ)Sリード

2P目 凹角~フェース~ハイマツ(ⅱ)Dリード

3P目 Sリード(ⅲ)

4P目 Dリード(ⅲ)

簡単だが浮石がこわいのと、ランナーが取れない。

5P目 リッジのトラバース(ⅱ)~リッジ~終了点 Sリード

名物のトラバース、ⅱ級だけどリッジのカバに体重をかけるのがこわい。前を行くSZKさんが前のピッチを短く切ってくれたおかげでリードしなくてよくなった・・・。

5P目のビレイ点で後ろのパーティががんがん追いついてきて、渋滞になった・・・。

終了点から靴を履き替えて八つ峰上半の縦走。ABEさんと私は、二年前Ⅰ・Ⅱ間ルンゼから入って大雨の中5・6のコルで敗退した苦い思い出があり、念願の上半部リベンジでした。快晴で快適で最高。Ⅵ~Ⅷ峰まで八つ峰は懸垂祭りです。全部で5回~6回?くらい。晴れているのでルートも分かりやすいけど、なにせ後ろからがんがん人が来るので、懸垂セットが焦る焦る。八つ峰=懸垂のスピードなのですね。前日登ったチンネが見えます。

  

八つ峰の頭で記念撮影して、再び池ノ谷乗越。実は、私の雪渓がひどいので下りはⅧ峰~Ⅶ峰の巻き道を降りようと言っていたが、ここに来てみるととえーまたここ往復するん。めんどくさーというみんなの雰囲気ががんがん伝わってきたので、やっぱり雪渓降ります!と言うしかなかった。

前日よりはステップができていたが、相変わらず仔鹿だった。この日はロープを出して下降しているパーティもいた。前向きでガシガシ降りているお兄さんたち。長次郎の真ん中でプルプルしてたいがい邪魔な私を、「こわいですよね~」と苦笑いで励ましてくれて、こんなのでここに来てすみません、、と思った。

本日も無事行程を終了。夜、外に出るとすごい月明かりが八つ峰を照らしていた。本当に厳か、幽玄の風景で、現実とは思えない。ムーミンの挿絵のようだった。

 8月13日

最終日。長次郎左俣をつめて本峰を越えて下山。2時半起床で撤収して出発。順調に長次郎のコルに出る。ここまできたらほぼ安全地帯。なんと剱岳が初体験というSZK先輩。本峰より先にチンネと八つ峰に行ったのだった。そしてつるぎのかっこよさにすっかり参ってしまったのかどうだったのか。

   

 

名物のカニ横ばい等を通過して長い別山尾根のあと、初めて通ったクロユリのコルから剣山荘の上の道は、すごいお花畑でした。なんで今まで通らなかったのか。ほんとにおススメの道です。SGYさんとSZKさんは高山植物の話題で盛り上がっている、エレガンス。

 

 

アルパインとかダサいと思ってるそこの若者たち。熊の岩は楽しいところでしたのよ。

 

(行動記録)

8月10日 

6:10 立山アルペンルート~7:50 室堂~8:30 雷鳥平~10:00剣御前~10:15 剣沢~12:40 長次郎出合~14:45 熊の岩

8月11日

4:20 熊の岩~5:10 池ノ谷乗越~6:00 三の窓~6:30 チンネ左稜線取り付き~6:50 ABEパーティ登攀~7:10 SGYパーティ登攀~13:45 ABEパーティ終了点~14:15 SGYパーティ終了点~16:40 池ノ谷乗越~18:15 熊の岩

8月12日

4:30 熊の岩~5:30 Cフェース取り付き~8:15 終了点~11:50 八つ峰の頭~12:30 池ノ谷乗越~14:10 熊の岩

8月13日

4:00 熊の岩~5:00 長次郎のコル~5:50 剱岳~9:00 クロユリのコル~10:20 剣御前~12:50 室堂ターミナル