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御在所岳17/06/10

山行期間 2017年6月3日~4日
メンバー SKD、YTK、MRJ
山行地域 御在所岳前尾根、中尾根
山行スタイル マルチピッチクライミング


夏合宿のトレーニングとして、御在所岳へ行ってきた。

マルチピッチクライミングにおけるあれこれをたくさん体験し、とても中身の濃い2日間となった。

 

6/2(金)夜中に駐車場に到着し、ヘッドランプをつけて藤内小屋そばの幕営地まで約30分歩く。ほかにテントはなし。CLの「あすは5:00起床、6:00出発」の指示。2時間半しか寝られない!あわててシュラフにもぐりこみ仮眠。

6/3(土)

この日は長時間行動。CLのメニューでは、

  1. 前尾根を2週
  2. 途中、天気図を書く
  3. ヘッドランプをつけて夜間登攀を体験

となっており、何時にテントに戻れるのかな・・・?と思いながら出発。

アプローチでは、出合いで右に進むか、左か、TYKさんと私で意見が分かれる。結果、TYKさんが正解!昨年、Bチームの育成プログラムでも来ていたのに、記憶はアテにならないものと実感。沢地形のところを慎重に進んで、無事に取り付き発見。ジャンケンで、前半を私、後半をTYKさんがリードすることに決定。

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1週目は、私がわずか1ピッチ目で進むべきラインを見落としてしまい、早めにピッチをきる、歩く、ちょっと登ってまたピッチを切る、歩く、という感じで遅々としてしまった。木々が切れて開けた印象的な場所で、TYKさんにリード交代。クライミングは初心者でも、山ヂカラのあるTYKさんは、ぐいぐい登っていく。CLに「念のため」と渡されたカムも、初めてにも関わらず積極的に使用していて、すごいなと思った。

 

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11:30頃にやぐら到着。CLにリードしていただき、空身でやぐらに登り、記念撮影。

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さてここから取り付きに戻るのだが、去年は登山道を下ったが、今回は斜度の急な沢ルートを慎重に下山。これがかなり怖い!途中、古タイヤが放置されていたり、残置支点があったりで、ルートとして使われている形跡があるが、1週目の登攀ですでに足に来ていた私は、つまづいて転げるんじゃないかとドキドキしながら、慎重に、ゆっくり下った。

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取り付きに戻って13:00。1ピッチ目開始からもう6時間近くも経過!次はもっとスピードアップできるはず、とTYKさんと励ましあって、2週目TYKさんリードでスタート。1ピッチ目の自分と比較して、適切なラインを進めばロープの流れも悪くならないことを再確認。3ピッチほど進んだところで、15:15頃となる。CLが「そろそろ、ビバークに入りましょう。適切なビバーク場所を決めてください」との指示。なるべく平坦で、ツエルトが張り易い場所をウロウロと探し、あそこは、あれは、と挙げていく。最終的にCLが示した場所が最適と判断。わずかルートから2~3歩外れるだけだったが、立ち木の中にあり、3人が座れるくらいの平坦なスペースがあり、木の枝を利用してツエルトを垂らすことができる。こういう目線で選択するのだと教わった。

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ツエルトの中に銀マットを敷いて座ると、かなり暖かくて快適!御在所特有の冷たい風にずっと吹かれて冷えていたので、ホッとした。そしてこの狭い体勢で、天気図を書く準備。個人装備のラジオ、天気図、ペンを出して16:00を待ち、約30分、集中して聞き取って、自分なりに天気図を書き上げていく・・・??完成品は、CLの書いたものとは似ても似つかなかったが、とりあえず高気圧。低気圧の配置は合っていた。等圧線の引き方が、本当に苦手だ。これも練習が必要。

 

ビバーク撤収し17:00頃。CLの「上まで登ってみますか?ほかにやりたいことありますか?」の問いに、「連続懸垂下降をやりたい」と私。懸垂に適切な支点の見分け方(今回の場合、立ち木を使用したので、強度、下降方向、下降後のロープの引き抜きやすさ、等)を説明していただき、自分たちで「コレ」と選んだ立ち木でまずは1ピッチ懸垂。次に、連続でやる場合の手順を確認。そして2ピッチ目は立ち木の中を下降するため、ロープを障害物に絡ませないよう、ロープダウンせずに手持ちして下降する方法を教わった。しかし、手持ちしたロープ自体が絡んでしまい、下降に苦戦。この場合、コイル巻きではなく振り分けでさばくべきと学んだ。

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再び取り付きに戻って、19:00頃?日が長く、まだ薄明るい。ヘッドランプをつけて、完全に暗くなるまで待つために、TYKさんのリクエストで自己脱出の復習をして時間を稼ぐ。

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さて、本日の最終課題の夜間登攀。CLは取り付きで待ち、TYKさんと私とで1ピッチだけ登って懸垂で取り付きに戻る、というお題。20:00頃、TYKさんリードでスタート。ヘッドランプがついているものの、明かりが届かないところは当たり前だがまったく見えないし、足元も、自分のホールドをつかんでいる腕の位置によっては明かりをさえぎってしまい見えない場合もある。また今回は既知のルートだが、未知のルートを行く場合、進む先の岩の形状や支点の有無、などなど、まったくわからない中で進むわけで、それは想像以上に恐怖だな、できれば、こんな状況には陥らないようにしたい・・・と思った。ラストの懸垂は、ロープ捌きを適当にしてしまった結果、最悪にロープが絡み合ってしまい、結局無駄に何度も捌き直す羽目になってしまった。急がば回れ、ロープは丁寧に扱わなければ。

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やっと下降を終えると、CLはツエルトにくるまってウトウト。大変お待たせしてしまい申し訳なかった。22:00頃、帰営。実に16時間行動(休み休みですが)。そしてやっと夕飯!長い1日が終わった。

 

6/4(日)

6:00起床、7:20出発。

この日の課題は、

  1. 中尾根の取り付きまで、TYKさん、私で自力で行ってみる。
  2. 中尾根をCLリード、2人フォローで登攀。リードの荷物はフォローで分担。
  3. 帰営後、登攀のためのザックパッキング講座

2日目は、登ることより、ちゃんとアプローチできるかどうか!?が核心。1日目に、トポと地形を見ながら、あれが一の壁、あれがバットレス、中尾根の取り付きはあのへん??とイメトレを何度も行い、今日の出合でも、再度確認。しかし出合いから眺めていると、いったいどうやってあの場所へ行けるのか?不思議でならない。山経験豊富なTYKさんの「行ってみれば、たぶん道がありますよ」の言葉に、背中を押されて進む。たしかに行ってみれば、踏み跡がなんとか見つけられる。行きつ戻りつをしつつも、まずは一の壁へ到着。そこからバットレスのヨコまでトラバースして、フィックスロープが張られているところへ。そこからはCLに先頭に立っていただき、取り付きの真上に到着!1ピッチ懸垂下降して、無事に取り付きにたどり着いた。

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あとはひたすらCLに付いていくだけ。ギアやロープの受け渡しがもたつかないよう、意識して作業の効率を心がける。しかし、やるたびに無意識に手順を変えてしまい、むしろ効率悪化。CLより、「ビレイ点作業は、実際に手を動かして実践練習する」「作業をルーティン化する」のアドバイスをいただく。

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3ピッチ、CLのあとを必死について登り、今日の目標地点に到達。ここからは、ガレ場を懸垂下降。ガレ場でロープダウンすると落石を誘発するため、厳禁。昨日習った、「ロープをスリングで束ねてギアラックに下げる」やり方で、CLがトップで降りる。

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その後、TYKさん、私の順で下降。荷物を撤収し、バットレスや一の壁を見学しながら、帰営した。

最後はテント撤収をしながら、パッキング術を学ぶ。一般道のテント縦走か、バリエーションでもワンディしか経験が無い私は、登攀用具と幕営用具、すべてを40Lのザックに収納することが想像できず、CLにイチからパッキングをしてもらった。いつもの自分のパッキングが、いかにまだゆとりがあるかを実感。しかし、ザックがはち切れるのでは・・・縫い目が広がって破れないのか・・・?など、不安は尽きない。

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すべての課題を終了して、15:00頃、下山した。

昨年のBチームでは、同期全員で、幅広くいろいろなことを教えていただく、ある意味楽しい期間であったが、今回は、目指す目標が明確で、「コレができなければ、目標ルートには挑戦できませんよ」という緊張感と、知識技術をしっかり習得するための集中力を要する2日間だった。経験させていただいたことを正しく身に着けて、今後のトレーニングで実践し確かなものとしていきたい。