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錫杖岳 (3ルンゼ・グラスホッパー左ライン・左ルンゼ)17/03/09

山行期間 2017年3月3日夜~3月5日
メンバー HND(L)、SKD
山行地域 北アルプス 錫杖岳
山行スタイル アルパインクライミング


今回の狙いは錫杖岳。

これまで天候不良や雪崩などで、中止や途中敗退になっていた。

今回は絶好の天気に恵まれ、ルートのコンディションも良く、快適な登攀になった。

 

3月4日 快晴

槍見のポストに登山届を提出して入山。

下山届も忘れないように。

山岳警備隊の方々へ、感謝の気持ちを忘れてはいけません。

 

 

 

途中の沢からは、ものすごいデブリ。

先々週の大雪後のものか。

こんな雪崩にあったら、ひとたまりもない。

 

 

 

 

 

約2時間でクリヤの岩小屋へ。

昨夜入山したパーティーを除けば一番乗りで、岩小屋の下にチェックインできた。

BCを設営し、登攀準備を急ぐ。

 

 

 

今日の目標は「3ルンゼ」。

先行パーティーを追いかける。

 

 

 

 

3ルンゼ。

なんか雪が多い?

以前来た時とルートの印象が違う。

HNDのリードで登攀開始。

 

 

 

 

 

【3ルンゼ】

1P目 HNDリード(Ⅳ―級、40m)

氷は埋まって、ただの雪壁歩き(Ⅱ級ぐらい)になっていた。

 

 

 

2P目 SKDリード(Ⅲ級、20m)

ここもただの雪壁歩き(Ⅱ級ぐらい)。

 

 

 

 

3P目 HNDリード(Ⅳ級、40m)

ワンポイント、ルンゼ左側の立った氷を登る。

前に登った時は、薄いベルグラをノープロで登ったが、今回は短いスクリューが打てるぐらいの氷が張っていた。

4P目 SKDリード(Ⅲ+級、30m)

ここからは初見になる。

4P目はこのルートの名物、トンネルくぐり。

左側の発達した氷を登って抜ける。

ここで先行パーティーに追いつき、しばし順番待ち。

 

 

 

5P目 HNDリード(Ⅴ+級、50m)

核心のF5とF6、2ピッチをつなげて登る。

最近はフリーで登られることが多くなっているので、フリーでトライした。

F5は快適なアイスクライミング。

F6は少し難しく、ベルグラからスカスカの雪壁。

スクリューが10㎝ぐらいしか入っていないので、絶対に落ちられない。

落ちたら30mぐらい転げ落ちるかな…と思うと、左壁の残置支点を使いたい誘惑にかられたが、今回は何とか踏みとどまった。

目一杯ロープを伸ばして、灌木とアックス横埋めでビレイ。

 

6P目 SKDリード(Ⅱ級、20m)

残った雪壁を、3ルンゼのコルまで。

 

 

 

 

終了点の目の前には、状態の良さそうなグラスホッパー左ラインが。

先行パーティーは終了点からトラバースして、グラスホッパー3ピッチ目に取り付いている。

我々は時間も早いので、1ピッチ懸垂して、2ピッチ目から登攀することにした。

〈登攀ギア〉ダブルロープ50m×2、アックス各自2、アイススクリュー16㎝×2、13㎝×1、アルパインヌンチャク×4、長シュリンゲ少々 (雪が少ないと、もう少しスクリュー等が必要と思われます)

 

【グラスホッパー左ライン】

2P目 HNDリード(Ⅳ級、35m)

アックスやスクリューがよく決まり、快適なアイスクライミング。

核心の氷壁基部まで。

 

 

3P目 HNDリード(Ⅴ+級、30m)

ヴァーチカルだが、氷の状態が良く、登りやすい。

Ⅴ+でも、状態が良いとこうも登りやすいのか。

 

 

 

4P目 HNDリード(Ⅳ級、20m)

3段になって、プレッシャーは少ない。

最後までスクリューの効きが良く、快適な登攀だった。

 

 

 

登攀後はグラスホッパーを、基部まで懸垂下降した。

 

 

 

 

 

 

 

〈登攀ギア〉ダブルロープ×2、アックス各自2、アイススクリュー16㎝×8、13㎝×2、クイックドロー×6、アルパインヌンチャク×4、長シュリンゲ少々

 

ルートのコンディションが良く、今回目標にしてた2ルートを、初日のうちに登ることができました。

 

 

3月5日 相変わらず快晴

昨日グラスホッパーを登れたので、今日は予備ルートに設定していた、左ルンゼを登ることにした。

 

グラスホッパー、左ルンゼの取付。

2P目の途中までは、グラスホッパーと同じルートになる。

 

 

 

 

 

【左ルンゼ】

1P目の途中まではフリーソロで登る。

ベルグラで意外にいやらしかった。

 

 

 

 

 

 

今日はHNDは出しゃばらず、SKDさんに任せる予定でスタート。

2P目 SKDリード(Ⅱ級ぐらい?、50m)

ところどころ氷が出た雪のルンゼをロープいっぱいに伸ばす。

 

 

3P目 SKDリード(Ⅳ―級ぐらい?、30m)

出だし5m位は快適なアイスクライミング。

一段上がったっら、雪の詰まったルンゼを次の氷壁基部まで。

 

 

 

 

 

4P目 HNDリード(Ⅳ級?、30m)

このピッチは少し長いので、HNDがリードすることに。

中段でのトラバース、上部の急な雪壁が意外にいやらしかった。

次回は後輩を連れて、全リード頑張ってください。

 

登攀後は同ルートを懸垂下降。

 

今回は二日とも懸垂下降しましたが、上部雪田からの雪崩や、上部登攀パーティーからの落氷が多く、安全とは言えません。

歩いて降りるルートも見ておいた方が良さそうです。

 

 

 

 

〈登攀ギア〉ダブルロープ×2、アックス各自2、アイススクリュー16㎝×5、13㎝×2、クイックドロー×4、アルパインヌンチャク×4、長シュリンゲ少々

 

こんなに良い天気とコンディションに恵まれることは、めったにないと思う。

次に登りたい1ルンゼは、二日間雪崩れまくっていた。

ううむ…