山行期間 | 2017年3月3日夜~3月5日 |
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メンバー | HND(L)、SKD |
山行地域 | 北アルプス 錫杖岳 |
山行スタイル | アルパインクライミング |
今回の狙いは錫杖岳。
これまで天候不良や雪崩などで、中止や途中敗退になっていた。
今回は絶好の天気に恵まれ、ルートのコンディションも良く、快適な登攀になった。
3月4日 快晴
下山届も忘れないように。
山岳警備隊の方々へ、感謝の気持ちを忘れてはいけません。
先々週の大雪後のものか。
こんな雪崩にあったら、ひとたまりもない。
昨夜入山したパーティーを除けば一番乗りで、岩小屋の下にチェックインできた。
BCを設営し、登攀準備を急ぐ。
先行パーティーを追いかける。
なんか雪が多い?
以前来た時とルートの印象が違う。
HNDのリードで登攀開始。
【3ルンゼ】
氷は埋まって、ただの雪壁歩き(Ⅱ級ぐらい)になっていた。
ここもただの雪壁歩き(Ⅱ級ぐらい)。
3P目 HNDリード(Ⅳ級、40m)
ワンポイント、ルンゼ左側の立った氷を登る。
前に登った時は、薄いベルグラをノープロで登ったが、今回は短いスクリューが打てるぐらいの氷が張っていた。
ここからは初見になる。
4P目はこのルートの名物、トンネルくぐり。
左側の発達した氷を登って抜ける。
ここで先行パーティーに追いつき、しばし順番待ち。
核心のF5とF6、2ピッチをつなげて登る。
最近はフリーで登られることが多くなっているので、フリーでトライした。
F5は快適なアイスクライミング。
F6は少し難しく、ベルグラからスカスカの雪壁。
スクリューが10㎝ぐらいしか入っていないので、絶対に落ちられない。
落ちたら30mぐらい転げ落ちるかな…と思うと、左壁の残置支点を使いたい誘惑にかられたが、今回は何とか踏みとどまった。
目一杯ロープを伸ばして、灌木とアックス横埋めでビレイ。
残った雪壁を、3ルンゼのコルまで。
終了点の目の前には、状態の良さそうなグラスホッパー左ラインが。
先行パーティーは終了点からトラバースして、グラスホッパー3ピッチ目に取り付いている。
我々は時間も早いので、1ピッチ懸垂して、2ピッチ目から登攀することにした。
〈登攀ギア〉ダブルロープ50m×2、アックス各自2、アイススクリュー16㎝×2、13㎝×1、アルパインヌンチャク×4、長シュリンゲ少々 (雪が少ないと、もう少しスクリュー等が必要と思われます)
【グラスホッパー左ライン】
アックスやスクリューがよく決まり、快適なアイスクライミング。
核心の氷壁基部まで。
ヴァーチカルだが、氷の状態が良く、登りやすい。
Ⅴ+でも、状態が良いとこうも登りやすいのか。
4P目 HNDリード(Ⅳ級、20m)
3段になって、プレッシャーは少ない。
最後までスクリューの効きが良く、快適な登攀だった。
登攀後はグラスホッパーを、基部まで懸垂下降した。
〈登攀ギア〉ダブルロープ×2、アックス各自2、アイススクリュー16㎝×8、13㎝×2、クイックドロー×6、アルパインヌンチャク×4、長シュリンゲ少々
ルートのコンディションが良く、今回目標にしてた2ルートを、初日のうちに登ることができました。
3月5日 相変わらず快晴
昨日グラスホッパーを登れたので、今日は予備ルートに設定していた、左ルンゼを登ることにした。
2P目の途中までは、グラスホッパーと同じルートになる。
【左ルンゼ】
ベルグラで意外にいやらしかった。
今日はHNDは出しゃばらず、SKDさんに任せる予定でスタート。
ところどころ氷が出た雪のルンゼをロープいっぱいに伸ばす。
出だし5m位は快適なアイスクライミング。
一段上がったっら、雪の詰まったルンゼを次の氷壁基部まで。
このピッチは少し長いので、HNDがリードすることに。
中段でのトラバース、上部の急な雪壁が意外にいやらしかった。
次回は後輩を連れて、全リード頑張ってください。
今回は二日とも懸垂下降しましたが、上部雪田からの雪崩や、上部登攀パーティーからの落氷が多く、安全とは言えません。
歩いて降りるルートも見ておいた方が良さそうです。
〈登攀ギア〉ダブルロープ×2、アックス各自2、アイススクリュー16㎝×5、13㎝×2、クイックドロー×4、アルパインヌンチャク×4、長シュリンゲ少々
こんなに良い天気とコンディションに恵まれることは、めったにないと思う。
次に登りたい1ルンゼは、二日間雪崩れまくっていた。
ううむ…