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平成28年度 遭難対策訓練16/06/05

山行期間 2016.5.28~5.29
メンバー OSM,SKD,ABE,SGY,KNS,NGS,WKM,HND,OKD,MTU,SZK,MTM,TKD,YMG,UET,DTE,ISK,BAN,UZU,SKM,ASI,KRA,INO,TYK,KSI
山行地域 百丈岩
山行スタイル 救助訓練

私にとっては初めての遭難対策訓練。「遭難対策?」「訓練?」何をするのか、まったく想像がつかないまま前夜にパッキングを行い、当日集合場所の道場駅へ出発。
道場駅では、初めてお会いする先輩方が多く、緊張しながら不安を感じながら、また好奇心、楽しみを抱きながら出発を待ちました。
荷物を宿泊地に置き百丈岩へと歩きます。約30分歩くと車で先に到着されていた先輩方が岩場にロープを張ってくれていました。ここで自己脱出訓練。「自己脱出?」

誰がどう脱出するのか、意味がよくわからないまま、ハーネスやギアを装着して準備を行いました。
それにしても、先輩方のギア類の豊富さ! 「あれも欲しいな、これも必要だな」「チェストハーネスか・・・」とふつふつと物欲が沸いてきます。
きょろきょろしながら観察する中、いよいよ訓練の開始です。気を取り直して集中です。

 自己脱出とは、クライマーが登っている途中で意識を失ったり怪我をした時に、救助を呼びに行くために、ビレイヤーが脱出することとのことでした。
なるほど、ビレイをしていたら、手を離せないし、離そうとするとクライマーが落ちてきてしまうし、ビレイヤーがフリーになるための脱出かと納得しました。
支点ビレイの取り方、流動分散の原理、メインロープにかかっているテンションをシュリンゲの方に移すということ。頭では理解できても、複雑なロープワークは、なかなか習得できません。でも、山に登りに行くということは、危険は付き物。一緒に登っている仲間に何かあったら、必ず助けないといけません。自己脱出方法は、その必要最低限の技術。家で復習する必要があるなと思い、メモをとり動画を撮りました。

 その後には、実際に歩けない怪我人を背負って移動する訓練を行いました。ザックを使用する方法とレインウェアを使用する方法を学びました。
人生で初めて男性を担いだと思います。足に力が入らず、立ち上がりがとてもしんどくて、なかなか起き上がれません。全身の力を身体の中心に集中してなんとか立ち上がり、その後は、前を歩いてくれる人のザックを持ちながら、後ろからはもう一人フォローしてくださる人に支えられながら、なんとか足場の悪いところも通過して運ぶことができました。

 1日目の訓練はここまでで、後はみんなで温泉に行き、そして宿泊地で鍋の準備です。
宴会が始まるかと思いきや、ここで1日の反省会。反省会の後は、遭難対策についてみんなで討議。実際に会の誰かが遭難した時はどうなるかという話を、意見を出し合い確認します。家族への対応、警察への連絡、対策本部の設置はどうするか、だれが実際に救助にいけるのか、マニュアルが必要かなど、イメージすると色々なシチュエーションが思い浮かび、意見が飛び交います。それを聞きながら育成チームの私は、この会に入って本当に良かったなと切に思いました。

 話がまとまったところで、商店でビールを買い、宴会の始まりです!みんなで食べるお鍋のおいしい事。山の話題で盛り上がる方たちもいれば、お酒の話題で盛り上がる方もいて、本当に楽しかったです。10時間ほど前の、道場駅でのドキドキと緊張感は一気になくなり、初めて出会った先輩方とも沢山交流を持つことができて、自分もやっと泉州山岳会の一員になれたような気がしました。余韻冷めやらぬ中、明日の訓練に備えて就寝。

 翌朝5:30に起床し、朝食を摂取し宿泊地の掃除をして出発の準備です。
沢登りに行っている方が遭難したため、実際に救助に向かうという訓練です。実際の沢のルートを登っていくグループと、沢尻の登山道を登るグループに分かれて捜索です。私は沢靴を持っていなかったので登山道を登りながらの捜索を行いました。

沢の途中で怪我をしたら、どこで安全確保するだろうか、意識はあるのか、ヘルメットの色は何色だったかなど、色々考えながら捜索しますが、なかなか見つかりません。
ルートの最後のほうでやっと見つけ、そこからロープで引き上げる訓練を行いました。1/3引き上げの方法で引き上げます。

ここでまたロープワークの勉強。原理を考えながら覚えようと思っても、なかなか頭に入ってきません。怪我人を担いで登ったら良いというだけではなく、責任をもってその怪我人を救助しないといけない、そのためには救助する側にも何かあってはいけない、安全に安全を確保しながら救助するという必要性を学びました。

 その後は道場駅に戻り解散。この2日間の遭難対策訓練では多くのことを学びました。テクニックはまだまだ習得できていませんが、これから少しずつ習得できるようにしていきたいです。テクニックももちろんですが、山登りに対する危機管理の大切さ、意識の向上維持の大切さ、会の結束力など、意識の面での習得が多かった遭難対策訓練でした。

 そして、快く山岳会に行かせてくれる家族への感謝の気持ちを再認識して、絶対に遭難などがないように、今後も訓練を重ねていこうと思いました。
 先輩方、同期の皆様ありがとうございました。これからもよろしくお願いします。