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北八が岳:冬合宿の偵察山行11月 03, 2019

山行期間 2019年10月18日-20日
メンバー TGA, DOIS, DOIA, OTA, TKH
山行地域 北八が岳
山行スタイル 縦走


CLのTGAさんより、事前の打ち合わせで冬合宿偵察についての説明がありました。今回の山行の主眼は以下の3つであること:

①読図。

25000分の1の地図でルートを確認しながら現地点を把握し目印となるような周りの景色(山や植生等)やアイゼン装着時に引っ掛けやすい岩場などをチェックすること。ベアリング表の作成。

②食糧と荷物の軽量化。

生野菜は重く厳冬期には凍るためNG。乾燥野菜やアルファ米を利用する。また予備食の重要性。

③カラビナ、長シュリンゲの携行。

けが人や病人の搬送などあらゆる場面で役立つ。

このような注意点を念頭におき準備をしました。

各地で大きな被害をもたらした台風19号が日本列島を通り過ぎたのは1週間前。TGAさんと渉外のOTAさんが北八ヶ岳方面の被害状況などを調べて下さり山行に支障がないということで予定通り決行となりました。また出発の2日前には停電で運行停止となっていた北八ヶ岳ロープウェイが復旧したとの確認がとれ、ほっと胸を撫で下ろしました。しかし金曜日から土曜日にかけては大雨の予報。油断大敵です。

雨が降りしきる中、21時に三国ヶ丘駅を出発。中央道に入る頃にはフロントガラスを叩き続ける雨は視界を遮ぎるほど激しいものに変わっていました。2時半、北八ヶ岳ロープウェイ駐車場に到着。明日は9時のロープウェイに乗車予定なのでゆっくりと仮眠が出来そうです。

朝7時の起床時は少し雨が残っていましたが、9時頃にはほぼ上がりました。ロープウェイで446mを一気に稼ぎ標高2237mの山頂駅に到着。

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雨がほぼ上ってロープウエーで出発

広大な坪庭も今日はガスが濃く遠くまで見渡すことはできません。キツツキの前でお約束の写真を一枚撮り、天然ミストを存分に浴びながら出発進行!

道中、何度も立ち止まっては25000分の1の地図を広げ、等高線を見ながら地形を把握し、分岐ではコンパスを当て進行方向を確認するということを繰り返しながら歩いていきます。雪山では夏道とは違い直線にルートを取ることも出来るので、そういう場所ではシミュレーションをしてみたり、皆んなで意見を出し合ったりとじっくりと時間をかけました。

順調に歩き進み、麦草峠に出てきました。国道299号、通称メルヘン街道は台風の影響で通行止めになっていたのですが18日に開通したようです。麦草峠から国道を東に少しいくと白駒の池登山口があります。大きな看板があり積雪時にも見落とすことはないでしょう。

ノスタルジックな雰囲気の青苔荘を通り過ぎると白駒の池が目の前に現れました。池には白く靄がかかっており、神秘的な美しさに魅了されました。しかし冬合宿時は真っ青な空と凍結した池の真っ白な雪原をリクエストしたいと思います。お天気の神様、お願い!

まだまだ時間に余裕があるので高見石小屋へ。高見石に上るも当たり前ですがガスのため眺望なし。そして肝心のテント場はとても狭くテンションはだだ下がり。皆んなで話し合い黒百合ヒュッテまで足を伸ばすことにしました。

苔むす森といわれる北八ヶ岳、登山道は丸い石が多いうえに雨で濡れているのでスリップに要注意です。

高見石頂上 ガスガス

高見石頂上 ガスガス

16時すぎ、ようやく黒百合ヒュッテに到着。小雨が降りはじめたので慌ててテントを張り、潜り込みました。温かいお茶を一杯入れ、ガスヘッドから漏れる炎で冷え切った体も暖まり濡れたウエアも乾いてきました。お楽しみの夕食はカレーライスです。食担のTKHさんが用意してくれた色とりどりの干し野菜と愛情がたっぷり入ったカレーを口いっぱいに頬ばります。幸せ度MAX!

17時前から降りはじめた雨は風と共に力を増し最後には豪雨となり強い力でテントを叩き続けるのでした。3時間余りシュラフの中で浸水の恐怖と戦っていましたが、雨が上がると安堵からか知らず知らずのうちに眠りに落ちていました。

朝5時起床。どんよりとした雲が空いっぱいに広がっています。灯りをつけてテント内を点検。雨漏り、浸水の被害はさほどなくマットが濡れた程度で済みました。ホッ。

6時20分、天狗岳へ向け出発。中山峠からのルートは東側が切れ落ち西風が強いため雪庇の危険性などをチェックしながら歩きました。東天狗岳山頂に到着するも強風で寒く、二等三角点のある西天狗岳山頂へと向かいました。何故か西天狗岳は東天狗岳と違い風も穏やかでゆっくりと休憩をとることが出来ました。これも役立つ情報ですね。

東天狗岳へ戻るころには太陽が顔を出し、南八ヶ岳や北アルプス、遠くには夏合宿で行った剱岳も見えました。最後の最後にご褒美にあずかりました。神さま、ありがとう!

OLYMPUS DIGITAL CAMERA東天狗岳頂上 戻ってきたら晴れてきました。

ご褒美といえば、黒百合ヒュッテへと戻る途中TGAさんが黒百合に因んだ『岳人の歌』を披露して下さいました。TGAさんのよく通る美声と、懐かしく感じる歌はとても心地よく私たち4人、すり鉢池を眺めながら聴き入りました。山の歌っていいですね!またガンコウラン(岩高蘭)の紫色の実を探して下さり試食。すっきりとした甘さでブルーベリーに似た味でした。調べてみるとジャムにもするそうです。

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黒百合ヒュッテへ戻りテントを撤収して下山です。

渋御殿湯から13時に予約したタクシーに乗り込みロープウェイ駐車場まで移動。運転手の山田さんはサービス精神旺盛で東山魁夷が描いた『緑響く』で有名になったという御射鹿池(みしゃかいけ)に立ち寄ってくれました。(地元の人々にとってはただのため池らしいのですが、、) まだ紅葉には少し早いということでしたが黄色く色付いた木が池に映り込む情景はとてもきれいでした。40分ほどで北八ヶ岳ロープウェイ駐車場に到着。

御

御射鹿池

冬山はひとつ間違えれば命に関わる深刻な事態を引き起こしかねません。それを肝に銘じ、これから冬合宿の準備を念入りにしていきたいと思います。 TGAさん、お世話になりありがとうございました。79期の仲間たち、ありがと!

DOIA記

【1日目】北八ヶ岳ロープウェイ山頂駅(9:10)→縞枯山(10:30)→麦草峠(12:30)→白駒の池(13:20)→高見石小屋(14:10)→黒百合ヒュッテ(16:10)

【2日目】黒百合ヒュッテ(6:20)→東天狗岳(7:30)→西天狗岳(7:50)→東天狗岳(8:30)→黒百合ヒュッテ(10:15)→渋御殿湯(12:45)