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台高 木屋谷川本流下流部(沢登り)7月 29, 2012

山行期間 2012年7月28日(夜)~29日
メンバー SGY, KMT, YMU, KWI, EMR, MYI, ITN, TGA
山行地域 台高山脈
山行スタイル 沢登り

初めての沢登り。それは印象深い「暴風雨の観音峰」以上に自然を感じ、冒険心をくすぐられた楽しい一日でした。
いつもの通り、前夜に出発です。
快調に進んでいましたが、もう少しで到着という所であいにくの通行止め。
急遽、目的地手前の駐車場でテントを張ることになりました。

いつもであればここで「宴会」となりますが、「明日は早い」ということで残念ながら??
すぐに就寝・・・のはずがどこからともなく、「プシュゥっっ」
紛れもなく缶ビールを開ける音が・・・その音につられ、次々とその引き金が引かれ。。。
それに加えて今夜の宿は宴会に打ってつけのEMRさんの広々テント。
さあ、宴会スタートです。

おなじみITNさんの日本酒に、今回はKMTさんの百貨店コロッケなど豪華なおつまみ。
経験豊富なリーダー方のお話を聞くのは毎回本当に楽しく、つい時間を忘れ・・・
というわけは勿論無く、決めた時間が来たら即撤収&即就寝。
リーダー曰く「山は時間との勝負」毎回ながらオンとオフの切り替えの早さ、さすがです。

目が覚めるといよいよ人生初の沢登りの始まりです。
予定より手前からのスタートとなった為、いそいそと足を進める中、途中途中に現れる数々の土砂災害の痕跡。
被害の甚大さを目の当たりにしてあらためて自然の脅威を感じ、さらに緊張しながらいよいよ入渓地へ。
真新しい渓流シューズに心浮かれながらも恐る恐る初入渓。

その瞬間、「ひんやり」、この冷却感、猛暑の大阪を思うと何とも贅沢です。
そしていよいよ沢登りスタート。

 

ごろごろと転がる大小の岩や水の流れ、など無いかのようにKMTさんをトップにすいすい進まれるリーダー陣。
続いて進もうとするも足場は浮石だらけであんな風には決して進めません。
「足取りをついて来なさい」とKWIさんの力強いお言葉や、
もはやマンツーマン状態のSGYリーダーのご指導の元、どうにか感覚を掴めてきたような。

 

必死さから少し解放されて周りを見渡すと、大喜びで飛び込むYMUさんや、小滝を滑り台にして滑り落ちるTGAさん。
立派な大人の皆様が子供のように無邪気で楽しそうです。
足がつかない深さの中、ザックを浮き袋に泳いだり、おたまじゃくし達やまるで岩と一体化したような蛙さんとの遭遇。

   

「大人の川遊び」というリーダーの表現通りです。
沢登り、噂通りにものすごく楽しい!!
が、しかしこのままでは終わらないのが自然相手の遊びです。
現れたのは3mほどの滝。人生初のシャワークライミングです。
「難しそうですね・・・」とつい呟くと、「楽しそうじゃないんですか?」とリーダーのお言葉。
(そうか、ここからが沢登りの本当の楽しみなんだ。。。)と冷や汗ながら覚悟を決めます。

 

今回の滝は難易度があるということで、いよいよロープが出現。
一体、トップのKMTさんはどうやって登ったのでしょうか??
先輩方の足取りを記憶に残し、最後尾から2番目、いよいよ順番が回ってきました。
記憶した通りに腕と足を置いたつもりがツルっと滑って宙吊り。
何度トライしても同じ・・・ 

頭の上から降り注ぐ、激しいシャワーで体力も奪われ、息も出来ません。
見かねたSGYリーダーの肩に足を置かしてもらいましたがまた滑り落ち。
結局、全員でロープを上まで引っ張り上げて頂きました。
人間一人を引っ張り上げるのも重いはずなのに、水に濡れた衣服やザックも、となるとさぞや重かったと思います。
本当に有難うございました。

そして、ロープの有難さを痛感したと同時に、「あの滝、次は絶対超えたい」と目標が一つ増えたのでした。

  

少し進むとまた新たな大きな滝が現れました。木漏れ日の中、色濃い緑に囲まれた滝を真下から見る。
それは登山道からでは決して見ることが出来ない神秘的な光景。

沢登りの新たな魅力を発見です。
さすがにこの滝は登らず高巻く事になりました。
つまり前週に復習したフィックスロープの実践応用です。
実践というのは練習より厳しいもので、そこは片足さえ置くスペースが無い、というよりただの斜面。
前後に控えて下さるEMRさんとTGAさんより注意点をアドバイス頂き、第一の関門は何とか切り抜けます。

この調子で第二の関門も切り抜けよう、と思ったのも束の間。
一瞬、何が起こったのかわからず、しばらくしてやっと状況に気付きました。
足場が崩れ落ち、宙ずりです。

またしてもロープに助けられました。。。

EMRさんのアドバイスに従い、何とか通過が出来たのですが、今思い返すと恐ろしい経験でした。
逆にしっかりとしたロープワークをしていれば自身の身を守れる、と体感した事で、
どこかまだ信じきれていなかったロープへの信頼度が増したのは大きな収穫でした。

その後は涼しく、緑豊かで穏やかな川を満喫。時間も迫ってきたので登山道に戻り、下山することになりました。
「登山道」なら歩きやすい、と思ったものの、またしてもスリリングです。
「これが本当に山道なのか?」と疑いたくなる、道というより斜面をひたすら降り、

無事、キャンプ地に戻れたのでした。
いろんな事が凝縮した一日となりましたが沢登り、噂以上に楽しかったです。
リーダーの皆様、今回も本当に有難うございました。
いつかリーダー方と同じ感覚で沢登りを楽しみたいです。
が、そんなすぐの成長は難しそうなので、取り急ぎ、次回沢登りでは、
今回と同じようにご指導よろしくお願い致します。
(MYI記)

<行動記録>
林道駐車場6:00→木屋谷川本流取り付き7:20→木屋谷川下流部遡行→奥山谷分岐11:30(遡行終了)→林道駐車場14:35