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夏合宿 屏風岩 雲稜ルート24/08/31

山行期間 8/9(夜)~12
メンバー (CL) YMO,(SL) HYS,SOT,ICH
山行地域 穂高 屏風岩
山行スタイル アルパインクライミング


【集中登山】

幾組かのパーティーが、それぞれ別のルートをとって一つの山に登る登山の方式。

 

今回の夏合宿は集中登山スタイルで行われた。

山域は穂高、槍。

このパーティは2日間で屏風岩雲稜ルートを登攀、屏風の頭経由で涸沢へ行き、3日目に別パーティと合流して滝谷ドーム中央稜の登攀を目指した。(という計画でした)

 

以下記録

 

初日

上高地05:20〜横尾07:45〜岩小屋跡08:30〜T4尾根取り付き10:00~登攀開始11:00

〜T413:50〜雲稜ルート1p目終了点17:00〜T4(泊)

 

予約していたタクシーで上高地へ。さすが避暑地、横尾までの歩きは涼しく快適だった。

横尾で各自計5リットルの水を補充。ザックの重量は20Kgはあり、登攀前のザックとは思えない重さ。

この計画の一番の悩みどころは水だった。

 

横尾から15分ほどで渡渉点の岩小屋跡に到着し、渡渉開始。

 

水量は少なく、ひざ下くらいだったが、とにかく冷たい!あとヌメる!転ばないように慎重に渡渉してガレたルンゼを行く。

 

 

そのままガレた沢筋を歩く。朝は涼しかったが、このころになるとドピーカンで日差しが強くかなり暑い。ほんまに登れるんか、、、?

 

一時間ほどで取りつきに到着。取りつき付近は特にガレがひどく、落石を起こしながら取りついた。

4人なので2パーティにわかれて登攀

T4尾根 1p目 Ⅳ

傾斜の寝たフェース。横に見える大迫力の1ルンゼがカッコいい。

今回は大量の水はロープバックに入れ、荷揚げする作戦。荷揚げする方式も迷ったが、カウンターウェイトで揚げることにした。

体重を利用するのであまり力を必要とせず、システムも簡単でこれはよかったと思うが、荷揚げは荷揚げ。かなり時間がかかった。

 

2p目 Ⅴー

出だしが立っているが、NPも使えてまだ安心感がある。

 

3p目、4p目

ほぼ歩き。3p目の出だしと4p目の最後は少し悪いので念のためロープを出した。

 

 

←荷揚げ中

どこかにひっかかるとビクともしない。

セカンドが外しながら登る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

計4ピッチでT4に到着。ザックが重いので多めにロープを出した。先行したパーティが到着したのが14時前で4人そろったのは15時前。

この日予定していたBV地の扇岩、大テラスまではあと2ピッチだが、荷揚げもあるしなあ、、、

とりあえず登る。

 

雲稜ルート1p目 5.7

凹角に走るクラック沿いを登る。NPが使えるので安心感はあるが、十数Kgのザックを背負い、最後のハング越えは厳しい。また、最後のハングのクラック内には浮石があり気も使う。

さすが名クラシックルート。そのへんのマルチとはグレード感からして違う。辛く感じたが、これがちゃんとした5.7らしい。明日このザックを背負って登り切れるのか?と思い始める。それにしてもこれが5.7かあ、、、

このまま2P目も行きたかったが、時間も厳しく屏風の頭はあきらめT4へ下降した。

 

そのままT4泊。

 

2日目

起床05:00~雲稜ルート登攀開始06:30~雲稜ルート5P目12:00~懸垂開始~T414:30~

T4尾根取りつき17:10~渡渉~岩小屋跡~横尾18:00(泊)

 

前日の夜、雲稜ルートはあきらめて滝谷ドームを優先しようという話になった(つまりこの日は一般道で涸沢へ)

が、天気予報を確認してみると3日目の天気が芳しくない。このままでは屛風も滝谷も登れずじまいで合宿が終わってしまう。それはアカン、滝谷チームの方々には申し訳ないが屏風を優先することに。

大急ぎで準備して、13時をタイムリミットとして登攀開始。

 

雲稜ルート1p目 5.7

同ルート下降に変更したので、スピード重視でリードは空荷。

急いで登った。

2p目 5.9

個人的には核心ピッチ(3p目を人工でいくなら)

出だしの一手、遠いガバどりが核心だが足が細かい。あと残置がぼろい。

怖気づいて安易にヌンチャクをつかんでしまった、、、空荷だったのに。

そのあとのフェースも気持ち悪くつかんでしまった。重たいロープをひきずって扇岩へ(屈曲する)。気分まで重たい。

 

 

3p目 A1 (5.11c~)

人工ピッチ。屏風はボルトラダーのイメージがあるようだが、雲稜ルートの人工はこの1ピッチのみ。

お助け紐などが増えており、最上段に立たずに登れる。簡単なおまけのような人工。

 

 

 

←フォローするICHさん

すごい高度感。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

4p目 5.9

精神的核心ピッチ。出だしの垂壁が脆く、ポロポロしている。ムーブはわかりやすいが怖い。

 

垂壁を登り終えるとトラバースして草付きのルンゼを登る。

 

5p目 5.7

スラブ主体のピッチ。スラブをクラック沿いに登りハング下を左に避け、再びスラブ。

夏だからか後半はブッシュが多く、ただでさえ少ないホールドがどこにあるのかわからない。

最後らへんはブッシュをつかんで登った。雑草は意外とつよい。

 

同ルート下降ではこの5p目までで終わらせることが多いらしい。例にもれず、ここを最高到達点とした。

ちなみに5p目の終了点は3点あるが、うち一本のリングボルトが折れていた。雲稜ルートは上に行くほど終了点が悪くなるイメージ。

 

全員が揃うのを待って懸垂開始。

懸垂点のことを除けば、あの高度感からの懸垂は最高だ。

 

5p目から5回の懸垂でT4、T4からも5回。計10回の懸垂でT4尾根取りつきへ到着。

あとは横尾まで下山。

 

3日目

横尾~上高地

この日は滝谷の予定だったが、天気の問題もあり一足先に帰ろう、、、と思ったら横尾で別チームと遭遇。

ほかのチームも天気や合流の関係(すみませんでした)で下山とのことでした。

見送った後、こちらも遅れて上高地へ下山。

 

 

 

昨年、同ルート下降で経験させていただきましたが、屏風の頭に抜けるか、抜けないかでここまで内容が変わるとは思いもしませんでした。見通しが甘すぎました。もっと重荷の登攀に慣れておくべきでした。

あと、屏風は西面であり、全員が灼熱地獄のクライミングを想像していましたが、昼頃からは壁の陰に入り快適でした。

結果は敗退でしたが、初めての経験も多くこれからに活かせる山行であったと思います。

 

ありがとうございました。

 

装備(1パーティ毎)

ハーフロープ×2、カム#0.3~#2、ナッツ奇数、アルヌン60cm×10、アルヌン120cm×4、240㎝スリング、アブミ、フィフィ、ハンマー、ハーケン数枚、捨て縄、マイクロトラクション×2(荷揚げ用)など