山行期間 | 2020/8/10〜8/12 |
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メンバー | NGS SZK DOIA OTK MTM TKD |
山行地域 | 北アルプス 穂高連峰 |
山行スタイル | アルパインクライミング |
8/10 晴れ
前日夜に大阪を離れ、あかんだな駐車場へ。ろくに仮眠もとれぬまま5:20のバスに乗り込み、6:00上高地をスタートしました。下界に比べれば上高地は涼しかったですが、歩き出すとやはり暑い。8:00岳沢小屋に着くまでにはしっかり汗をかいていました。
ここから先は水を確保できる場所がないため、翌日のBV地まで困らない量の水を担がねばなりません。というわけで、各自5ℓの水を補給。軽い歩荷レベルの重さになったザックに足腰をガタガタいわせながら、8:30天狗沢を登ります。岩にマーキングがあるため道を間違いはしないですが、上がるほどにガレが酷くなり、足場を慎重に選んで落石させないよう注意が必要です。ヘロヘロになりましたが、なんとか11:15天狗のコルに着きました。
西穂〜奥穂の縦走路、はじめて来ました。これが最難レベルの一般路か〜と感慨にふけるには余りにも重い荷物に、さっさと歩き終えたいと思いながら、我慢強く歩を進めます。岩稜歩きですが、幸い特に危険を感じるような道ではありませんでした。途中で休憩も挟みつつ、14:00ようやくBV地であるコブ尾根の頭とジャンダルムのコルまで到着。
やはり標高が高いと少し動くだけでも息苦しく、おまけに頭痛もしてきます。天気が良すぎて直射日光が厳しく暑すぎです。ある程度陽が落ちるまで時間を潰し、就寝としました。
8/11 晴れ
4:00起床。ここに帰ってくるのでアタック装備のみとし、登攀装備も身につけ、5:20いよいよ飛騨尾根を登るため出発です。下降するαルンゼは目の前。右岸を壁伝いに下りていきます。下調べで散々書かれていましたが、これが無茶苦茶なガレ沢で、全て浮石と言っていいほどに不安定。不用意に足を置けば簡単に岩雪崩を起こします。気の抜けない下りで、どうしても時間がかかります。下調べどおり、1つ目の小滝をクライムダウン、2つ目の小滝もクライムダウン。いずれも慎重に下りれば大丈夫です。3つ目の小滝の落口、錆びたハーケン2枚に捨て縄がかけられていました。ここに6:00着。気をつければクライムダウンできなくはない感じですが、やはり懸垂下降する事にしました。
20〜30m降りたあたりで懸垂終了。飛騨尾根に向かえそうなバンドが見えたため、適当に歩けそうなところを選んでどんどんトラバースし、7:00うまいこと目的であった取り付きのT2まで歩いてくることが出来ました。壁に#2サイズ程度のクラックが走っています。電光クラックというらしいです。ハーケンで支点をとり、ロープを用意し、クライミングシューズを履いて、飛騨尾根の登攀スタートです。
クラックはあってもジャミング技術は不要で、周辺にホールドが沢山あります。ランニングプロテクションはほとんどカムとナッツでとりましたが、時々ハーケンもあり。終了点はピナクルで作るといった感じで登っていきました。
3ピッチで9:00頃T1まで。ここでリードをOTKさんに交代し、更に3ピッチロープを伸ばしてジャンダルム頂上まで(最後のピッチは一般道と合流してしまうので蛇足でした。ロープをしまって歩いたほうが良いです)。
11:00飛騨尾根完登。クライミング自体は正直言って簡単です。堡塁岩のⅢ級より簡単だと思います。飛騨尾根は困難なクライミングを求めて行く場所ではなく、最高のロケーションの中でクライミングを楽しむ場所だと感じました。どこを見ても絶景で、すごい高度感と露出感。「アルパインクライミングやってる!」と実感できる素晴らしいルートでした。
さて、デボしていた荷物を回収し、大休憩をとり、本日の目的地である涸沢を目指します。13:00ウマの背を通過し、13:45奥穂高岳の頂上へ。気をつけて歩けば問題ないですが、ちょっと緊張感のある場所もあるため、長く続くと消耗しそうな縦走路だなと思いました。
14:40穂高岳山荘から長ったらしいザイテングラードを辛抱しながら下り、16:50涸沢ヒュッテ着となりました。偶然ですが、ほぼ同じタイミングで北鎌尾根チームも涸沢に着いており、幕営したあと皆で集まって夕食を摂るなどでき、図らずも合同合宿らしい体験ができたと思います。
本当はもう1泊して滝谷に行く予定だったメンバーもいたのですが、他パーティとの合流が難しくなったり、翌日の天気が下り坂だったりしたこともあり、全員で下山することを決め、就寝しました。
8/12 晴れ→雨?
昼以降に雨予報だったため、早起きして5:00涸沢を出発。6:10本谷橋、7:10横尾と順調に下ってきました。横尾では屏風岩チームと会う事ができ、予定通りにはいかなかったものの、全員無事に夏合宿が終えられるであろうことに安心しました。その後も8:20徳沢、9:10明神と何の変哲もない道をひたすら歩き、足裏の痛みが限界に近づいた10:20、やっと河童橋まで帰ってきて、夏合宿終了となりました。