西穂高 西尾根
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今回の山行は、冬合宿で企画した山行のリベンジであり、本来であれば、
同じメンバーで取り組みたかったのですが、今回、一足先に登ってきました。
ぜひ、第2弾、第3弾・・・と続くことを願っております。
<山行報告>
<3月20日>
予報通り雨は上がっている。早速出発準備を整え、新穂高温泉を出発した。
西尾根には3つの主要な尾根があるが、バージントレースを刻むべく、3つ目の尾根から取り付く。
天候は曇り。穂高の稜線は雲の中。雪は適度に締まっているが、一組だけ持ってきたワカンを履き、 快適にトレースを刻む。時折、藪をこぎながら西尾根を進み、岩峰手前のコルのテント場に到達した。
時間があったので、最初の核心部の岩稜帯を偵察した。 真っ黒な岩壁が目の前に立ちはだかり、岩壁の縁にハイマツ帯が見える。 ルートを確かめ、テン場に戻る。
<3月21日>
2日目の天気が悪いという予報だったので心配だったが、朝起きると、
目の前に稜線がくっきりと浮かび上がり、アタック日よりとなった。夜が明けるのを待ち出発。
ジャンクションピークまでは雪で埋まったハイマツ帯の急登を登る。 雪が締まっていて、アイゼンの爪を効かせながら直登する。 稜線上では、柳谷からの吹き上げの風が強烈で、しばしば耐風姿勢を取りながらの行動であった。
ジャンクションピークから西を見渡すと、北西尾根、自分達が登ってきた西尾根が、 そして真っ青な空の下に笠ヶ岳が白銀色に輝いている。 東を眺めると、強風で流れる雲の中に西穂高岳が時折顔を覗かす。
この強風下では、独標まではノンストップが予想された為、 下部岩稜帯手前のコルで小休止し、最後の登りに備える。
下部岩稜帯の傾斜はそれ程きつくなく、また、アイゼンの爪も良く効くので不安はなかったが、 ルンゼの中を強烈な吹き上げの風で飛ばされた氷粉が四方八方から吹きつけ、自分たちの顔を叩く。 目も開けられない。3月だから良いものの、2月の厳冬期ならかなり辛いだろう。
上部岩稜帯にはフィックスロープが張られていて、強風で大きく弧を描く。 ほどなくして西穂高岳山頂に到達した。強風から開放された安堵感で顔が緩み、がっちり握手を交わした。 あとは西穂山荘、上高地をめざし、春山の稜線を下るだけ。
雪が締まっているため、下りも快適だ。ピーク直下の下りなど雪が腐っていればいやらしいだろう。 ピラミッドピーク、独標を越え、西穂山荘に到着。 西穂山荘から上高地に下るルートはかなり密に道標があるが、全く見当たらない箇所もあり、 コンパスと地形図を見比べながらのラッセルであった。
<行動記録>
3/20 (曇) |
新穂高温泉(8:10)→穂高平小屋(9:05)→西尾根取り付き(9:20)→ →岩峰手前のコル(14:50) |
3/21 (晴) |
岩峰手前のコル(6:30)→ジャンクションピーク(8:00)→下部岩稜帯取り付き(8:40)→ →西穂高岳(9:40)→西穂山荘(11:20〜12:00)→田代橋(14:00)→中ノ湯(15:55) |