鋸岳第一高点から 甲斐駒ヶ岳付近から
鋸岳第一高点から甲斐駒ヶ岳 甲斐駒ヶ岳付近から鋸岳
背景画像:『振り返れば・・・』

鋸岳〜甲斐駒ヶ岳

山行期間 2007年 2月09(夜)〜12日
メンバー CL湯浅 西村 桝田 小門 大植 日下
山行地域 南アルプス (長野県)
ルート 戸台 ⇒ 角兵衛沢 ⇒ 鋸岳 ⇒ 
 ⇒甲斐駒ヶ岳 ⇒ 駒津峰 ⇒ 双児山
 ⇒ 北沢峠 ⇒ 戸台
山行スタイル 縦走(積雪期)
甲斐駒ヶ岳
駒津峰から甲斐駒ヶ岳

<山行報告>

平成19年2月10日(土)

AM6:00起床、外は快晴。
AM7:15 戸台を出発。まったく雪がなく、春山状態である。 2時間ほど川筋をだらだら歩き続けると角兵衛沢出合に到着。ここで休憩し、いよいよ沢筋を登る。 沢筋には雪がまったく無い。また、マーカーも少ないのでうっかりしているとルートを見失う。

1800m付近から樹林帯が消え、浮石が多い岩陵帯を登る。 このあたりから雪が積もっているが、最中状態であるので歩きにくい。 快晴な上、気温も高いので必死で登っていると岩小屋を通り過ごしてしまう。テルモスに暑い紅茶が入っているが水がほしい。

14:20ようやく、角兵衛沢のコルに到着。計画ではここでB.Vであったが、天気が安定していることもあり、ここでハーネスを装着し、いよいよ核心部にトライ。

コルからいきなりの急登である。角兵衛沢の急登で疲労しているので結構ハード。 その後も急登、岩陵帯が続き、30分ほどで鋸岳到着。
いよいよここから小ギャップ、大ギャップの核心部にトライ。私(小門)だけ久々の懸垂下降で少々、不安。小ギャップは8m程あり、対面は壁のようにそそり立っている。先ずは湯浅氏が懸垂。続いて私が懸垂する。ドキドキしながらゆっくり下降し、無事終了。その後も皆、順調に下降していく。

対面の壁は下から見るとそれ程急でもない。おまけに鎖もあり、手でつかみながら上っていくとリッジ状の岩が続く。リッジ上を歩くのは無理そうなので斜面をトラバースして行くとようやく、鹿窓が現れる。無雪期は鹿窓を通過し下降して行くが、今回は鹿窓の上部を通過する。木登り状態で上っていくとようやく第三高点に到着。ずいぶん遠くに第二高点が見える。この分だと六合岩小屋まで行くのは無理そうである。

第三高点の下降に約20mの大ギャップがある。大ギャップで順次、懸垂下降の順番待ちをするも夕方なので稜線ではやはり結構寒い。懸垂を終え、ルンゼを下降する。時間的、体力的に見ても今日はこの辺でB.Vかと思った矢先、ツェルト2張りぐらい張れそうな場所があったので今日はここでB.Vすることにした。

角兵衛沢
  角兵衛沢

角兵衛沢コル
  角兵衛沢コルまでもう少し

第一高点目指して
  第一高点への登り

第一高点から甲斐駒へ
  第一高点から甲斐駒へ

第二高点目指して
  第二高点目指して

大ギャップの懸垂
  大ギャップの懸垂


小ギャップから 鹿窓 第二高点
小ギャップからの登り返し 鹿窓 第二高点




平成19年2月11日(日)

翌日、起床し、外を眺めると曇りであった。昨日、核心部を通過していて良かったなぁと内心ホッとする。今日は稜線を歩き、戸台、最悪、北沢峠まで行くことになった。 朝一はいきなりの登り。昨日の疲労が抜けない中、急登、急降を繰り返す。

7:00中ノ川乗越に到着。ここは広く、テントも数張り張れそうである。さらに急登を登る。雪自体はそれほど多くないが急登のラッセルなので結構厳しい。樹林帯、岩陵帯の稜線をアップダウンしながら永遠進むと、ようやく六合岩室が見えてきた。昨日の疲れが残っているのか皆、足が重そうなのでここで大休止。岩室内はコテージのような綺麗さである。

11:00六合岩室出発。ここから甲斐駒岳山頂まではひたすら岩陵地帯の稜線を歩く。時折、青空も覗き、俄然モチベーションが上がる。結構、風もきついが厳冬期の割りにはそれ程の寒さは感じない。温暖化の影響だろうか。

13:20甲斐駒岳山頂到着。青空を期待していたが山頂は曇りで風もきつい。写真撮影と行動食を補給し、そそくさと山頂を後にする。後は下りだけである。 稜線上を下ってきたため一部急な下りがあった。夏道のほうがよかったか。

14:50駒津峰到着。後は樹林帯を下るだけである。 双児山周辺はルートをはずさないよう注意深く進むもいつの間にか双児山から伸びる尾根に進入していた。正規ルートまで戻り、ここからはマーカーとコンパス、GPSでルートを確認しながら樹林帯を下る。 地図上では尾根筋を下ることになっているが、マーカーの方角は仙水小屋方向に大幅にそれているようである。 マーカーが正しいことを祈りつつ日が沈みかけているジグザク道を下る。
昨日の疲労、本日の長距離が原因か皆、相当、疲れているようである。 完全に日が沈んだ18:30ようやく、北沢峠が見えてきた。フラフラになりながらツェルトを張り、遅い夕食を食べ、その日は早々に就寝した。


平成19年2月12日(月)

翌日は快晴。今日は戸台まで川筋を下るだけである。
途中、鋸から甲斐駒のスカイラインがきれいに見えた。本当の核心部は鋸岳ではなく、甲斐駒の登りと下りであったなと思いながら一路、戸台に向けて歩き続けた。

記:小門      .

<行動記録>

2/10
(晴)
戸台川駐車場 7:15 → 第二堰堤(ダム) 8:05 → 
 → 角兵衛沢出合 9:00 → 角兵衛沢のコル 14:20/14:45 → 
 → 第一高点 15:20 → 小ギャップ通過 15:45 →
 → 大ギャップ通過 16:50 → 第二高点下(幕営地) 17:10
2/11
(曇→晴)
(幕営地) 6:05 → 第二高点 6:30 → 中の川乗越 7:00 →
 → 三つ頭 9:05 → 六合目石室 10:15  → 甲斐駒頂上 13:20 →
 →  駒津峰 14:50 → 北沢峠(幕営地) 18:30
2/12
(晴)
(幕営地) 7:00 → 角兵衛沢出合 8:20 →
 → 第二堰堤(ダム) 9:35/10:00 → 戸台川駐車場 10:15
中の川乗越へ
  中の川乗越への下り

六合目石室
  六合目石室

甲斐駒ヶ岳目指して
  甲斐駒ヶ岳目指して

甲斐駒ヶ岳頂上
  甲斐駒ヶ岳頂上

甲斐駒ヶ岳を背に
  甲斐駒ヶ岳を背に

振り返ると
  振り返ると




お疲れさまでした
  お疲れさまでした