北岳 登頂記
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目指す北岳 |
<山行報告>
2007年3月30日(金)
願いむなしく、出発前に降り出した雨に、メンバーのテンションも下降気味。
防水の効かないテント内には水溜りが出来ている。 出発するしかないようだ。
なんだか嫌な雰囲気が漂うが、「なんとか北岳頂上へ」の願かけの意をこめて、
今回の行動記録のタイトルを 『北岳登頂記』 とした。
雨の中ではあるが、今年は雪が少ないらしく、順調に池山吊尾根を登る。 去年も同時期であるが、ラッセルで池山小屋に届かなかったらしい。 池山小屋付近から積雪があるもののトレースばっちり。でも微妙にモナカ状で、足がはまることしばしば。 角田さんはなぜか、他のメンバーの倍は足を突っ込んでいた。
池山小屋に着く頃には、雨は止み、天候は回復傾向。 小屋内にテントを張り、濡れたテント、衣類を
徹底的に乾かした。 おかげで、その後の生活は快適であった。
樹林帯ギリギリにテント設営。 間ノ岳の眺めがすばらしい。
2007年3月31日(土)
5:00発。背後に富士山を見ながら登る。このへんまで来ると雪は真っ白、ふかふか。
気分も最高。 ボーコンの頭から朝焼けのバットレスを目論むも、微妙に時間が足りず。
(朝焼けもパッとしなかった?)
やっとバットレスとご対面。 角田さんは5年前の夏、このバットレスを見て心奪われたという。
私も同じ景色を見たはずであるが、まったく記憶にない。たぶん、バットレスというものが、私の
想像以上に大きすぎたためだろう。
穂高の屏風岩のときも同じで、初対面の記憶はない。学生の頃、
先輩に「あれが屏風岩だよ。」と言われ、目の前の大きな岩壁の中に、
小さな屏風の形の岩を探していたのだった。。。
さて、本日の核心部"八本歯のコル"。 1ポイントの急な箇所はフィックスが残っており ザイル使用することなく通過。 梯子を1箇所やり過ごし、あとは北岳頂上にむけて一直線!と行こうとしたが 急峻な雪壁にぶちあたり、迂回する。石井さんは一人登っていったが。。。
一般道からの登りも、硬く締まった急斜面で、アイゼンの前爪で登り続ける。 いいかげんふくらはぎが疲れてきたところで、頂上に出る。
晴。 頂上と360°の展望は私たちだけのもの。
警備員に止められ、行き先変更しようか、とか雨のなか出発でテンションだだ下がりだったり、 登頂できるか不安になる場面もあったが、無事頂上にたどり着けた。 私以外のメンバーは2年連続の挑戦で、喜びも倍?それとも安堵感が大きいか。
それぞれに記念撮影をして下山。 天候は下り坂との予報に、いっきに下山することに。
甲斐駒ヶ岳から見えた「北岳」。あまりにもかっこよかったので、有給を2日使用して、 今回の山行に参加。 冬はアプローチがちょっと遠いですが、それらを補って余るほど北岳は良かった。
頂上の様子 | 後ろは甲斐駒ヶ岳 |