朝はすっきりした快晴だったのにガスがかかり、　幸か不幸か下が全く見えない状態になった
頃Ｔ５の難所を越えた。　２人パーティーで登っているのにその直後から渋滞が始まった。　ここ
からは見えないが、かなりの人数が待っていると思われた。

　リーダーがトップをそのまま行くことになり、　猛スピードで突き進んで行く。　後続パーティーと
の距離はぐんぐん離れて行く。　　勢い余ったのか登攀終了点のチンネの頭を通り過ぎ、　つい
には八峰も登り抜け、鞍部に下りてみると昨日見た景色。

　　　「あれー？　これって昨日歩いた縦走路じゃないですか？」

　　　「ありゃ！？　前に登った時に比べて随分と楽だったから、まだまだ先かと思ってた。。。」

　ずっとチンネの頭だと思っていたのが、　実は北方稜線と気付いた時には吃驚仰天。　　稜線
上に人影も見えていたが剱本峰へ向かった人であった。

　少しずれたが池ノ谷乗越で登攀終了の握手を交わし、　脚を早めて三ノ窓へと急いだ。
ベースを撤収して行ける所まで行かねば！